就活生への質問を考える銀行の面接官

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「銀行ではどんな質問が来るの?」

「銀行員の視点に立って考えるには?」

「銀行の面接官の気持ちってどんなの?」

 銀行の面接を受ける事になった就活生からすれば、銀行はどんな就活生を求めていて、そしてそれに対しどのように応えれば良いのか?誰もがそう考えると思います。出来る事なら銀行員の気持ちに立って、そして銀行員の仕事に基づいて考えられれば苦労はしませんが、実際に働いた事が無い為、銀行員がどんな気持ちで就活生を見てくるのかイメージしづらいと思います。また面接では一体どんな質問がされ、何故そんな質問をしてくるのか、そんな面接の質問における対策についても対応できればと思っているかもしれません。

 ここでは実際に就活生の面接をしようとしている新人面接官がベテラン面接官から、銀行員の素養のある就活生がどんな人なのかをレクチャーしている会話を通じて、銀行の面接官が求める人材について説明したいと思います。

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銀行で働く面接官は何を基準に就活生の質問を考えているのか?

 先輩、これから新卒採用の面接に行って来るのですが、就活生にどんな質問をすれば良いのか参考のまでに教えていただけないでしょうか?

 とりあえず考える順序としては、1に銀行の仕事を直ぐ辞める人っぽくないか?。2に銀行の業務をこなせる器かどうか?この2点について考える必要がある。実際、毎年だが銀行業務を正しく把握していないせいで早期退職する人が後を絶たない。例えば銀行はお金が扱える職業だから、高給取りだという理由、お金目的で志望してくるのがそのケースだ。だから「何で銀行を志望したのか?」「証券、保険ではなく銀行を選んだ理由は何なのか?」「銀行には青い銀行、緑の銀行、赤い銀行と3種類あるけど、何故ウチを志望したの?」とその辺の細かく聞いてみると銀行業界として働いていけるかどうかが見えてくる。

 当たり前だが、銀行とは信用されてこそ初めて成立する業務であり、人から信頼されるような器ではないとならない。だから今の質問で適当な事、例えば我々がやっているサービスを挙げて、「だから志望しました。」というのであれば、「でもそれは他行でもやっているよ」と言われておしまいだ。いわゆる一種の決めつけで選ぶ志望動機はお断りだ。

 大抵は「ウチが長年使用している銀行で、将来はここで働いてみたいと思いました。」と言って、「ではどんな風に働きたいと思っているの?」と訊かれ、家族がウチのサービスを利用した際の出来事、この場合、投資信託の相談や不動産投資の相談、または遺産相続の相談などリテール部門が請け負っている業務に対して話すだろう。そういうので感銘を受けたのであれば、銀行に入ってもどのように働けば良いのか分かるし、何故その姿勢が大切なのかを心から理解している可能性がある。だからこの子の場合、リテールや一般消費者向けの業務に携わる事が出来ると判断して採用の1枠として取っておく事になるだろう。

 ただ問題は法人営業ですよね。ウチの大半の収入はここから来ているのですから、中小企業の社長とあって、融資の提案を受け入れつつ、かつ融資課にその提案を通さないといけないわけですから、客だけでなく、ウチら銀行員の仲間にも納得させるような提案を考えないといけないので、企画力が問われますよね。

 その通りだ。んで一番の関門として顧客が融資を受け入れてくれないと始まらないわけだから、融資の提案を受け入れてくれる方法について見出さないといけない。この場合、何度も足を運び、煙たがられず、かつ会話の中に溶け込める必要がある。しかも銀行の場合、転勤族と言われる程、3年に1度は別の管轄で働く事になるから、向こうも「短期間程度でしか世話をしないくせに」など思っているようだから、3年ほどで決着つくような提案でないといけない場合もある。まぁ、3年以内と言っているが、その後の作業を別の銀行員に引き継ぎさせれば良い場合もあるし、向こうも軍資金が欲しいだけの場合がほとんどだから一概に短期間で決着をつけないといけないわけではないが、人同士の付き合いは長くないという事は理解しておいてほしい。

 そう言えば銀行を辞めた人の中には「まさか3年ごとに転勤するとは思わなかった」と地元から離れるのが嫌で地元企業に転職する人がいましたね。確かに私も一度地元で作り上げた人脈を銀行の都合で別の方に引き継がせる事に抵抗を感じましたし、成果よりも自分が今まで築き上げた人脈、または最後まで面倒を見るプライドを優先したい人も沢山いますので、狭く、深く人脈を作りたい人からすると向いていないかもしれませんね。

 後は業務知識を習得するノウハウを心得ているか。ここも金融業界で問われる。最初の2、3年は業務内容を理解する事に努めるが、その後のキャリアを決める為、取るべき資格というモノが決まってくる。例えば金融の法律関係であれば、法務系の資格が必要だし、一般家庭向けであれば、年金アドバイザー、ファイナンシャルアドバイザー、投資信託などの資格が業務遂行の為に必要になってくる。法人向けで言えば、税務、経営支援アドバイザーなどの資格も必要になってくるし、業務の上の傍ら、その資格を取得する事が出来るのか?その辺が銀行業務では問われるようになっている。

 だから、まぁ、面接の際は今後のキャリアプランについて訊くのも大事だが、入行後の資格取得のノウハウについても確認しておく必要がある。とりあえず面接で質問する内容としては

① 銀行業務について正しく心得ているか?

② 融資先を説得し、融資を受けてもらえるよう説得する交渉力があるか?

③ 融資課から融資を許可を出すほどの説得力があるか?

④ 地方に暮らす事に抵抗がないか?

⑤ 業務の傍ら、資格を取得するノウハウを心得ているか?

 この辺を中心に見ていった方が良いだろう。

銀行の面接官はどのような質問を就活生にしてくるのか?

 ではこれら5つを中心に聞くとして、具体的にどんな質問を投げかければ良いのでしょうか?

 大抵は志望してきた学生の「学生時代にどんな事を頑張ったのか?」「自己PRは?」「志望動機は?」から銀行員として素養のある学生を採用するんだけど、特に重要なのは何かしらのイベントを行う際、仲間や関係者、そして客をどのように説得したか?その辺の部分を中心に聞いてみてくれ。

 さっきも言ったように銀行業務というのは融資先に数百万以上の多額の金を融資してこそ初めてビジネスとして成り立つ。その為には融資先に出向いて、気に入られて、そして自分の提案を受け入れてもらう。そんな段取りを取る必要がある。となると学生時代に何かしら仲間を説得させながら新しい企画を実現した話などをしてくれると素養のある学生として見れるだろうな。

 例えば仮に学級委員長に任命されて、大学内のイベント企画を任された場合の経験者が御行に志望してきた場合、俺だったらどのように部員を集めて、そしてどんな風にそのイベントを企画したのか?その辺を中心に聞く。学生からすれば部員集めなんてお金以外の動機で集めるしかほかない。それを家族や後輩などを呼んで客数を稼いだり、または立場の弱い後輩だけを使って指導させたりするなら論外だ。何故なら融資先を受けるか受けないかは融資先の社長が決める事だから立場上、向こうの方が上だから、自分より立場の低いを人達を行使して結果を出した経験は向いていない。だからどのように人を集めたのか?その辺を中心に聞いて、互いの同意の上で行ったかどうかがはっきりするまで聞くだろうな。

 そして新しい企画の内容についても、「昔からあった企画をそのまま踏襲した。」「先輩から言われた内容をそのままやった」とかそんな自分で考えずに行った経験は評価されない。イベントというのは確かに盛り上げる要素もあるけれど、銀行の場合、融資先の為に内容を考えるのだから、そのイベントがどのようにプラスに繋がるのか?その辺について述べないといけない。単なるお金目的であれば「何の為にその金を集める必要があったの?」と俺ならそういう質問をするね。出来る就活生なら面接で、「少子化の影響で現在の大学は資金不足で、その運営に貢献出来るよう少しでも学園祭での収入をあげたいと思いました。」とそういう言い方が出来れば、金ではなく、金をどういう風に世の中の為に役立たせるか考えた上での活動になる。他にも知名度アップ、集客率をアップして、町おこしのイベントの一環を担うなどそういう名目で活動したのであれば、採用候補として取っておきたいね。

 我々銀行員の役目は、融資先のビジネスを成功させる事。それは融資による収益の回収も理由に入っているけれど、経済を発展させて行く為には世の中に多くの金を投入させないといけない。その為にも金目的ではなく、顧客のビジネスの為、これを原点に考えて行動する必要がある。だから面接でも利益をあげつつも、そのビジネスが世の中の役に立つ為にはどんな事をしないといけないのか?その辺を踏まえて考えて行動している学生なのかを面接では見ていきたいね。

 後はコミュニケーション能力だな。銀行業務というのは融資先の状況、そして融資の内容を検討する上で上司や同僚、そして顧客とのやり取りが重要になるから、報連相が必要になってくる。その為にも、融資先の現状を上司に報告、そして今後どうするべきかを相談、そしてその後の経緯を上司に連絡し、また相談。んでそれを繰り返して、どんな結果が出たのか報告する。大抵は想定通りに上手くいくわけではないから、結局のところ、また相談という形になるから、緻密なやり取りが必要になってくるだろう。

 ただコミュニケーション能力がない学生というのは、どのタイミングで上司に相談し、そしてどんな風に相談すれば良いのか心得ていない。例えば大抵は15分、自分で考えても分からないような内容であれば、上司に訊いて「こういう所が分からないのですが、これで良いのでしょうか?」と、少なからず自分はある程度、こう考えたので、こういう風にしても良いですか?とそんな風に聞いてくる。しかしコミュニケーション能力がない人は、何時までも放置し、挙句の果て、「どうすれば良いのですか?」と何も考えずそのまま聞いてくる。

 こういう風に人と話す事に対する経験が足りない人だと業務に支障をきたす。新しい融資を提案する時だって、「新しい資材を買われたようですね。」「新しく工場を建てる予定ですか?」など相手がお金を使った経緯について提案する必要がある。これは事前に相手から言う事もあるけど、どちらかと言えば新しい資材を搬入したと別の取引先から聞いたとか、減却償却費がそろそろ切れるから、機械を売却して資産を買いなおす事をしないといけないなど、こちらが事前に調べた上で提案し、お客から情報を引き出す事をしないといけない。

 だから「融資の提案なんてどうでしょう?」とそのまま言い続けるだけでは何時まで経っても融資の契約なんて結び付かない。だから自分から考え、「御社の業務において、こんな風にお役立ちになるのでは?」とプラスになるような言い方をしないといけないわけだから、相手の気持ちに立って考えられる思考力が問われる。

 それ故、面接では学園祭やアルバイトなど部員をどのように説得し、どのように客を引き付け、そしてイベント企画やサービスを立案したのか?その辺を集中的に聞く事になるだろう。

銀行の資格や転勤に関する面接での質問

 さて、次に必要なのは資格取得に関する質問について考える必要があるな。お前も知っているだろうが、ウチの営業時間は午後には閉めるが、その後の事務処理として8時くらいまで残る事がある。その為、資格に関する勉強はそれ以降という事になる。

 1日約2時間ほどの時間帯で一体どうやって資格を取得するのか?時間的な制約のもとに資格を取った事がある経験があれば良い。例えば俺が以前採用した事がある就活生が言っていた事なんだけど、「勉強というのはただ問題を解くだけでは覚えられませんし、例えその方法で覚えても仕事で活かせるまでの知識にはならないでしょう。問題を解く上で、何故この知識が必要で、そして実際の現場ではどのように使われているのか、その辺をイメージしてやっと現場で使える知識として成立します。」と言っていた。

 確かにその子を採用した後は、例えば減価償却の簿記の知識について勉強していた時の話だけど、減価償却っていうのは、資産が古くなった場合、どのくらい資産価値が下がったのかを計算する計算法で、法律ではこの下がった資産価値を利益としてカウントして、収益に含む事が出来るんだ。何が言いたいかと言うとそれによって本年度の利益が決まって、その分、税金によって取られる額が決まってしまう。その為、本来なら減価償却費で計上する損失があった方が良いのに、資産価値が0になると計上する損失が無くなって、いつも以上に税金を払わないといけなくなる。銀行ではこの資産価値が0になるタイミングで「資産価値がそろそろ尽きるので新しい機械を購入してみてはいかがでしょうか?」とそう促し、融資を受け入れてもらう方法を取ったりしている。この内容を理解する上では減価償却費の知識である、簿記の知識が必要だし、そういう学んだ知識を業務で生かそうという意欲があるかどうかで取得した資格が役立つかどうかが決まってくる。だから学んだ資格の知識が如何に業務で役立てるのか?その辺の質問を面接でして、学生の素養を見てきてほしい。

 後、資格と言えばエクセルやパワーポイントが使えるかどうかも焦点となるな。リテール部門では投資した金額、どのくらいの期間でどのくらいの割合で返ってくるのか証明しないといけないし、不動産賃貸も同様に何年間で元が取れて、どのくらいの収益が見込めるのかを見ないといけないわけだから、口で説明するよりもグラフや表などを載せた資料を見せて説明する方が見やすいし、分かりやすい。だからその辺のマイクロソフトオフィスの使い勝手を心得ているかも焦点になるから使用経験と使用用途についても聞いておいてほしい。

 最後に転勤に抵抗がないかどうかの確認だな。転勤する場合、引っ越し費用は勿論ウチで引き受けるけど、実家暮らしの人だと親の人が反対して、最悪退職を迫られる場合がある。

 しかし本当にいるんですか?そんな親。銀行って言えば就職先としては良い方で、そんな金融業界を転勤しないが為に辞めさせるなんてイメージできないのですが?

 親の中には親の転勤が原因で自分の子供が学校の友達を作る事が出来ず苦労した経験がある親もいる。だから自分の子供にそんな辛い思いをさせたくないと言って、「転勤するなら辞めさせる。」と言う親もいれば、「あなたとは結婚しない」と恋人から言われて、転勤せずに転職する人も実際にはいる。だからその辺の転勤による大変さを面接で伝えた上で、「それでも銀行で働きたいですか?」と聞いてみるのも手だな。個人的に親元から離れたいという人が有力候補かな。実家暮らしで金の管理もされていて、転勤を理由に自立したいという人がいるから、「内定が決まったら、どうする?」入行後の予定について訊くのも良いかもしれない。

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