ダメな会社なのに優秀な人材を確保する面接官

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interviewer

「面接ではどんな質問をするべき?」

「優秀な人材とダメな人材の見分け方を知りたい」

「会社自体に魅力がないのに、良い人材を確保しろって・・・」

 面接官という仕事は優秀な人材を見極めるのも1つの仕事ではございますが、知名度の低い会社ですと、優秀な人材どころか、人が集まらず、必要人数が集まらない事もあると思います。更にたとえ優秀な人材が来たとしても、給料の低さや福利厚生の悪さなどで転職する可能性がある為、結局は採用しても長く働いてくれない事になりかねません。

 こういう会社では良い人材が取れないのは人事のせいとされる場合が多い為、転職者が出ると「何であんな奴を採用した!!」と怒られ、更に面接で必要な人数を確保出来ないと「お前は何をやっているんだ!!」「どんな質問をしているんだ!!」「もっと宣伝しろ!!」「予算の範囲内で抑えろ」「何とかしろ!!」など色々と無茶な事を言われてしまいます。

 実際、社長の企業運営に問題があるところもあると思いますが、残念な事にそんな会社でも優秀な人材を確保している所も存在する。労働環境が整っていない会社でも優秀な人材を採用し、かつ長く定着する為にはどんな事をしないといけないのか。その点について面接歴2年の社員と、知り合いの人材コンサルタントの2人の会話で、ダメな会社でも優秀な人材を確保する方法について述べたいと思います。

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新人面接官の憂鬱

confuseinterviewer

 

 先輩。助けてください。今、会社の新卒と中途の1次面接官をやっているのですが、優秀な人材が来ないという事で社長から怒られています。この方2年ほど面接をしているのですが、最初はまぁ、中々人を見る目が無くて、ありきたりな質問しかできず、怒られていたのですが、先月1年前に採用した人が転職する事になりまして、「お前はどうしてあんな人材を採用したんだ」と何故か最終面接でOKを出した社長から怒られて、「俺のせい?」という状態になっています。

 そして先週、その転職者の送別会に参加したのですが(社長はいない)、「あんな給料じゃやっていけない」と言っていまして、周りもそれに頷いていました。この時、私は優秀な人材が来ないのは私の面接官の素質ではなく、会社側に問題があるのでは?と考えるようになりました。実際、ウチが募集している求人広告の内容を見ても、目劣りしていますし、転職した人の言うとおり、優秀な人が来ても給料や福利厚生を理由に転職する可能性は高いですし、正直面接官の立場からではどうする事が出来ないと思っています。どうしたら良いですか?

 ちなみにどのくらいダメな会社なんだ?お前はまだ入社したての社員だから、会社の良い所を見落としている可能性があると期待しているんだが・・・

 まず給料の基本給が15万円。そして残業時間は40時間を超えており、繁忙期になると80時間くらいです。ブラック企業並みに多忙さはありませんが、残業代合わせても手取りが20万円に届かず、年配になればなるほど、税金が取られて、新人の私の方が多い時があるようです。そして交通費や資格取得のための受験料についてですけど、交通費は月に8000円程度、定期代込です。更に受験料ですが、資格によって支給額が決まり、そうでないものは0円なので、言いかえれば自腹という事になります。とりあえず、まだまだ色々となるのかもしれませんが、転職者が指摘した部分を挙げてみました。

 俺が知っている中では悪い企業ではないが、まぁ、不満を持つレベルだろうな。そしてお前の話を聞く限り、社長も自分の考えを改めない人っぽいから上に訴えても労働環境が変わる見込みはなさそうだな。つまりお前の質問は、会社に魅力がないから優秀な人材を確保出来ない。んで最終面接で採用したのに部下のお前のせいにされる社長だから、会社に魅力がないなんて言えるわけがない。だから自分1人でこの状況をどのように打破すれば良いのか、それを教えてほしいってわけだな。

 ・・・はい、以前、社長にお話ししても、「良い人材を確保出来ればそうなる!!」「結果を出してから言え」のどちらかの一点張りで聞く耳持ちません。つまり面接している最中、または採用後の社員同士の集まりで何かしらのアドバイスをするしかありません。そんな場所が限られていれば難しいかもしれませんが。

 この手の悩みはお前だけでなく、沢山の企業から聞いている。だからこの手の問題に対し、解決した面接官の話を知っているから、その話をちょっと話そうと思う。

面接官で優秀な人材を確保する方法とは?

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 先ず、お前自身の問題として、優秀な人材というのを正しく判断していないだろ。会社が人を採用する以上、んなTOEIC990点、簿記1級とかそんな資格で判断するのではなく、今、ウチに必要な人材とはどういう人か?それを逆斬して、採用するかどうかを決めるだろ。なのにどんな質問をすれば良いのか分からないって事は会社が求める人物像を正しく把握していなくて、もうその場の雰囲気で採用するかどうか決める。そんな人事採用をしているんだ。

 でも優秀な人材を確保出来る面接官は違う。先ず会社にありきたりな応募者が来たとしても、本当にこの人はウチに向いていないのか?など今までやってきた仕事内容で判断するのではなく、その人の潜在的な部分で仕事が出来るかどうか判断する。

 俺が知っている面接官の例だと、例えば中小企業の面接に30代後半の人が来たとするだろ。大手から来た人で、大手だと自分のやっている仕事の全体像が見えないから、仕事をしている意味が見いだせないと、取り扱っている規模が大きいが故に自分の必要性を感じないとそういって中小企業に来る人がいるんだ。

 ただ大手に勤めていたからと言って、中小企業で通じる人材だとは限られない。面接官はその辺について説明し、例えば営業で自社製品を売り込む場合、名もない中小企業の製品を売るのはどれだけ難しいかお前は知っているか?まず競合他社に大手がいれば例え価格で戦えても向こうはブランド力もあり、長年積み重ねてきたノウハウを心得ていて、更に中小とは違い、例え問題が起こってもサポートしてくれる可能性が高く、中小企業を選ぶ理由がない。そんな大手がライバルにいた場合、あなたならどういう風に立ち回りますか?とその人自身に志望先で働くと当たるであろう問題を提示し、それに対し、どう応えるのかを見るんだ。

 こういう場合、向こうのありきたりな回答として、「前職での取引先とのつながりがあるので、そこで成果をあげて見せます。」というんだけど、はっきり言ってそんなに期待出来ない。何故なら前職が大手であれば、その取引先はその人本人ではなく、企業ブランドで取引先を決めていた場合があるんだ。中小企業に引っ越したら分かるけど、たとえ酒を交わした中であっても大手でないと分かれば手のひらを返したかのように音沙汰もなしになったり、たとえこっちが直接出向いても「でも保証や実績が無いんでしょ」と言われ、断られてしまう。

 他にもそんな既存の取引先を頼りにしても新しい顧客先を増やす仕事は他人任せ?という流れになる。その辺についても指摘して、営業職として採用するのなら、前職の経験を生かすのも手だが、新しい顧客先を見つける上でも新規の取引先を確保する術を心得ているか確かめないといけない。更に30代後半の年齢となれば、部下を育てる育成係にも回される場合もある。その為、そんな前職の経験ばかりに頼った人だと部下の教育上正しく指導する事が出来なくて、ダメな部下を育ててしまうリスクがある。それ故、その辺について考慮した上で、応募者の回答を見ないといけないんだ。

 ちなみにここでの模範の回答例だと、

 大手がライバルにいた場合、中小企業のサポートだと限界があります。ですので大手に負けない為に、商品で勝負するのではなく、私自身のアイデアで勝負したいと思います。

 前職では中小企業から取引先を取られてしまう話をいくつか聞いたことがあります。前職の家電メーカーでは本人向けに製品の無料お試しキャンペーンを実施して製品の使いやすさをアピールしていたのですが、その中小企業の営業マンは自社製品の紹介だけでなく、利用中に想定されるトラブル、例えば給湯器の販売時、給湯器に含まれる熱を作る銅の部分は他の業務用家電の中で一番高価なモノであり、外部に設置する事から狙われやすい家電になっています。実際東日本大震災の仮設住宅でつけた給湯器が盗まれる事態があり、その営業マンは盗難防止のマニュアルも併用してアドバイスし、今後自分達の面倒を見てくれるパートナーとして相応しいと評価され商談先として決まった事があります。つまり商品に関する知識だけでなく、利用者の利用上のトラブルまで想定して営業をしていたのです。

 他にも温暖化対策に向け電力消費量のノウハウについての心得ている営業マンもいれば、取引先の営業マンの趣味を通じて仲良くなり、大手のような価格や保証、ブランド力がある商品でもお客様の事を考えた提案には勝てません。それ故、もし私が御社に勤めるのであれば、商品を売るのではなく、取引先のニーズに応えられる営業マンとなり、部下の教育においても参考となる経験を説き、指導していきたいと思います。

 と、新規の取引先を確保する上でのノウハウを話し、かつ入社後の部下の育成の仕方についても語ってほしいね。

優秀な人材を維持する為に必要な事

shakehands

 つまり優秀な人材を見つけると言うよりも、自分達の抱えている企業の問題を提示して、如何にその問題について答えさせる。それでその応募者の潜在能力を見るというわけですね。

 その通り。従来の採用方法だと履歴書や面接で受け答えした上辺だけの内容で判断するしかないけど、実務業務の内容を兼て、「あなたならどうしますか?」と尋ねれば、知識が無くても、仕事に対する取り組む姿勢については把握する事が出来るだろ。実際、面接を受けにくる応募者もこちらの仕事について正しく把握しているわけではないのだから、もしかしたら採用すると自分達の予想以上に成果を発揮してくれるポテンシャルのある人かもしれないし、それだけ自分達の業務について正しく理解した上で入社してくれる流れになるだろ。

 でも、先輩。その話は面接の上でのやり取りですよね。その人を採用して入社後、給料や福利厚生で不満が出て、転職したらどうなるんです?折角、良い人材を採用したとしても企業の労働環境を変えない限り、結局優秀な人材が手元から離れている事になりますが・・・

 それだけどさっきも言ったように、ビジネスだけの関係ではなく、個人としての関係として繋がりを持っておくんだ。普通、転職したらその人との関係はそれまでと言うけれど、実際は子会社に転職して情報連携したり、新しい取引先になり持ちつ持たれつの関係になったり、良い企業に転職してくれれば、その見本となる良いビジネスについての情報が入るように出来るってわけだ。

 実際、先の採用された30代後半の人の例だけど、今後慢性化する人材不足に備え、ファーストフード店に向け、自動で料理を提供するシステムを作れないか考えて、回転寿司などの回転レーンを利用した配送システムを作れないか模索しているんだ。そしてシステム開発や店舗設計などは過去転職した人達のコネを使って集めたりしているから、そういう新しい家電製品の開発や情報などを駆使する事が可能で、今後ビジネスとして生き残っていく為には、そんなやり取りも必要になってくるんだ。

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