大手に就職しても安定だと言われなくなった理由

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「高収入よりも安定がいい」

「大手も今後どうなるか分からないし、どう仕事を選べばよい?」

「将来は安定した職種に就きたい!!」

 先行き不安定な世の中において、長い間収入を得られるであろう大手に入りたいのは誰もが望む事なのかもしれません。しかし今の世の中、大手でも存続の危機に見舞われ、「大手でも決して安定ではない」という声が強くなっています。

 ただだからと言って、他の選択肢は中小企業や、契約、派遣社員、またはアルバイトなどの職種しかない為、結局のところ、大手の方が良いのでは?と思わざる得ないと思います。ただ大手でも安定ではないと言われているのも一理ある為、では具体的にどのような立ち回れば良いのか?そんな疑問を感ぜざる得ないと思います。

 果たして大手に就職しても安定では言われなくようになっている背景は何なのか、その為にどのように生きていけば良いのか?ここではそんな疑問を解消する為に2人の就活生の会話を通して、今後の志望先を選ぶ上での参考となる内容について触れたいと思います。

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大手が安定ではないと言われるようになった理由

 先輩、今、私就活やっているんですが、出来るのでしたら大手や優良企業など安定した仕事につきたいと思っているのに、最近のセミナーでは「どの大手も決して安定ではない」と言って水を差された感じで嫌な気分です。どうしたら良いでしょうか?

 その手のセミナーっていうのは、中小企業に人材を派遣する名目を作る為、お前のような就活生を大手ばかりに行かせないようにする決まり文句でもあると思っている。ただ大手でも安定ではないという言い方も一理ある為、どのように捉えれば良いのか?その辺について話してみようと思う。

 確かに昔と比べて、大手でも安定ではないと言われるようになったが、その理由の背景の1つにITの普及がある。知っている言葉で言い表すのであれば、バカッターや異物混入、内部告発というのがある。飲食業界で見れば、衛生面の管理が売上を左右する為、どっかの馬鹿がコンビニの冷蔵庫の中に入って、その時の写真をツイッタ―に載せたり、すし屋の醤油さしを口で加える写真をネット上でアップする人もいる為、衛生上の観点から、商品を総入れ替えしないといけなくなる事態に陥る。更にツイッタ―などのSNSは直ぐに拡散する為、多くの人が昔よりも目にするようになった事から、それが原因で店側は悪くないのに被害をこうむる事態に陥る。要は客のマナーによって売上が左右する時代にもなってきているというわけだ。

 そしてこれはバカッターだけでなく、異物混入や、責任者の不用意な発言に対しても同じ事でバカッターと比べ、責任感はあるが、異物混入に関しては誰が発したか分からない情報源である為、対処が難しく、軽い気持ちで接すると炎上の対象となる。その為、大手やきそばメーカーでは商品の販売を中止して、新しく改良するまで販売停止に追い込まれた。

 このように昔に比べて情報を大多数の人に送れるようになった環境が原因で、客の1人の話題だけでも社会的な話題になり、責任問題へと発展する仕組みが出来上がってしまっている。更にたちの悪い事に、今ではフェイクニュースなど嘘の情報を流して、それで収益を得る輩もいるから、その辺の対処にも追われないといけない。

 後、今の情報社会による影響について話したが、今後大手が抱える問題として人手不足による問題がある。日本は今、少子高齢化社会によってどんどん若い人の数が減っていく事になっている。その為、今までは100人でやっていた作業を50人でやらないといけなくなったり、多くの人材を抱えている大手からすれば逆に人手不足に陥りやすい体制でもある為、人手不足による倒産、または規模の縮小だってあり得る時代になりつつある。

 当たり前だが、どの企業もノルマというモノがあり、前年度より良い成果を収めなければならない。昔であれば、業績をあげた分、人が来て、そして事業を拡大する事で前年度より収益をあげる事が出来たが、人口減少に伴い、思うように事業を拡大する事が出来ずにいる。どちらかと言えば今後、より人が減ると予想される事から大手は今後、逆風の中で経営していかなければならず、社員の給料を減らすなどコストカットするべきなのだが、今は働き方が問われる時代。会社の都合で従業員の待遇を悪くし過ぎれば、ブラック企業だと叩かれたり、成果主義の影響で不正に手を出す社員が出たりすれば、ツイッタ―や他の社員が内部告発などで倒産するリスクまで生んでしまう。その為、今後従業員数の多い大手ほど、業績と人手不足のジレンマに悩まされる事になるだろう。

大手で働き続けても安定だと言えない時代

 ハハハ、先輩、確かに大手であっても、バカッターや人手不足などが原因で大手でも経営が難しくなるという理屈は分かりますが、でもそれでも中小企業よりマシで、やっぱり狙うのでしたら一番沈みにくい大手という事になるんじゃないですか?

 では視点を変えて、お前自身が大手から離れざる得ない事象について話してみようと思う。多分お前は今、「自分から大手をそう簡単に手放すわけないだろ」とそう思ったかもしれないが、実は世の中には理不尽な事に会社から離れざる得ない事があり、それはお前だけでなく、誰でもあり得る事になっている。それは色々とあると思うが、ありきたりな例として、「癌」と「介護離職」について言ってみようと思う。

 今や2人に1人が癌を抱えている時代。国立がん研究センターの発表によると癌を発症した場合、10年間生存出来る確率は58.2%だと言われていて、おおよそ半分近くが10年以内に癌で亡くなるだろうと予想されている。若い人たちを除けばその大半が働き盛りの40、50代の人達で、がん診断後、約3割の人達が退職しているデータがある。

 先輩、仕事と癌の問題ならある程度知っていますよ。癌は相当お金がかかると言われていますけど、日本には高額医療費制度や障害年金などがあり、その辺から医療費に関するサポートが出来ます。無論、その手の事に税金を払っていない人からすれば残念な話になりますが、やはりその手の税金を支払う為にはやはり給料の面で恵まれている大手の方が恩恵を受けられやすくなると言えるのではないでしょうか?

 確かにその点に関しては何とも言えない。というのもがん診断後に3割が辞めると言ったが、そのうちの大半は収入が安定しない派遣、契約社員だと言われている。お前の指摘通り給料が恵まれている立場であれば、癌による離職は回避出来るかもしれない。ただここで問題なのは費用よりも、その後のアフターケアによる時間的制約が問題だ。大手の人達からすればネックになる。というのも癌というのは手術して退院して終わりというわけではなく、その後も10年ほどかけて通院する必要がある。主に抗がん剤を打つ為にな。となると午前休を取る事しないといけないし、抗がん剤の副作用によって倦怠感や目まいなど体に支障が出るようになる。つまりこの手の休職に寛大な企業でなければ、「君、少し休みが多いね。少しプロジェクトから外れたらどうだ」「戻ってきたら別の人が自分のポジションに入ってた」と、会社が社員よりも仕事との方を優先してしまったが為に自分の居場所がなくなってしまうケースがある。その後、以前より給料が安くなり、なんて事がありえるわけだから、癌による仕事への支障は無視する事は出来ない。

 さて癌による話は異常として今度は介護離職についての話だ。お前はこの言葉を知っているのかどうか分からないが、働き盛りの40、50代が抱えるもう1つの問題として親の介護がある。今の時代、仕事が忙しくても親が倒れたら嫌が応でも介護をしないといけない。となると今一番重要だと言われている時期に、現場が長い間抜けないといけなくなるから、会社での立場が悪くなる形になっていく。

 その話なら聞いた事があります。確か親が倒れたと連絡が入り、一命を取り留めたけど、親1人では生活出来ない事を知り、預ける介護施設が見つかるまで介護休暇を取ろうと思った。しかし普通の介護施設は入居金100万円、そして月々の支払いが20万もいっているのが普通で、金額的な問題で介護施設に入れたくない。しかし一番費用の安い特別養護老人ホームでは約1年から2年待ちなっていて、介護休暇の最大90日だけではどうしても足りない。その為、親にそれなりの貯蓄があれば良いのですが、大抵はヘルパーなどを雇って、朝昼晩の昼だけのサポートを行い、それ以外は自分が行うという形を取る。しかし朝早く準備をしたり、夜遅く帰る人からすれば、介護による疲労が溜まって仕事に支障が出る。更に親は家に閉じ困っているストレスからか、自分に八つ当たりをしたり、また寝たきりの生活で刺激がなくなり、認知症になって、深夜の時間帯も起きる事になって、最悪の場合、暴言や親の相手を寝る間も惜しんで費やす事になる。話をまとめると、介護というのは社員を精神的に追い込みやすく、鬱や疎外が原因で退職になるパターンがあるから他人事ではないという話ですね。

 その通りだ。ちなみに特別養護老人ホームに入る1,2年の辛抱だ。と思うかもしれないが、特養の入居条件として要介護3以上という制約があり、高齢者の数は年々増え、施設の数はあまり増えない事になっているから、1,2年でも入れない可能性がある。更に会社も1,2年もその手の生活を許してくれないから、後釜として用意されたりして、1,2年経つ頃には自分の居場所がなくなり、退職に追い込まれるのも原因の1つだ。

 確かに親の介護はある意味、無視出来ませんね。親の具合が悪い事を隠していた人の話なんですけど、職場の電話番号を知っている親だと「何で介護しない」と平気でかけてくる人もいるみたいで、それが原因で職場に知られて、当たり前ですけど、介護放棄となれば、虐待や、保護者責任放棄など言われて犯罪者になってしまいますから、結局、親の介護を引き受けないといけない形もありますからね。ただウチの親に限ってそんな事ないと思いますけど。

 いいや、実はこれは誰もがあり得る可能性が出ている。というのも日本は医療技術が発達して、昔だったら80歳が平均寿命だと言われていたのに、今の時代は100歳まで生きると言われている。分かりやすく言えば、20年もニートのような生活が伸びるという事で、今までなら親の退職金を元に、資金が尽きる前に寿命を迎える形になっていたのだが、それが叶わなくなっている。だから結局のところ、子供の資金を頼らざる得なくなるから、「俺達の介護の分はどうするんだ?」と訊いても「ごめんね」としか言わないし、お前もさっき言ったけど、介護放棄となれば、虐待や保護者責任の放棄と言われ、立場が危うくなる事になるだろうし、認知症でボケてしまえば、相手の事を考えず、自分優先で会社に電話をかけてくる事もあり得るだろう。

 ちなみに癌や介護離職だけでなく、他にも親が何かしらの自営業をやっている人であれば、後継者がいない事を理由に「跡を継げ」みたいな事を言われる。このように親や自分の健康不良を理由に職場から離れざる得ない、または会社から見放されて居場所がなくなり、地方に飛ばされる、追い出し部屋ならぬ扱いを受けるなど、大手にいても安心とは言えなくなってきている。「大手だから潰れない」と言われているけど、大抵の人は「その前に社員の方が先に潰れる」事を考えていないから、それを頭に入れておく必要がある。

 その為にも自分が今後どうなっていくのか?時代を正しく読み取る力を身に着けておかないと手遅れになる可能性もある。ただその前に「大手に就職すれば安泰だ」なんて思っているのであれば、その考えは捨てる事。俺達の場合、貰える年金だってたかが知れているんだ。親の介護にお金が流れるリスクや離職のリスクがある以上、企業にしがみついているだけでは、自分の生活が成り立たなくなっている。それ故、副業や節約、資産運用など様々な知識を身に着け、時代を乗り越える構えで生きていった方が良いぞ。

公務員になれば安定した人生を送れるか?

 先輩、確かに先輩の言っている通り、家庭の事情による離職もあり得ると思いますが、公務員はどうでしょう。市役所勤めの場合、土日は休み、そして定時上り、休みの時間帯は民間企業勤めと比べて圧倒的容易ですし、給料も良く、クビになりづらい職種と言えます。となれば民間企業のお勤めは辞めて、公務員を目指すのが一番安定した人生を送れる方法と言えるのではないでしょうか?

 確かに公務員勤めであれば、民間企業と比べ、国が潰れない限り、働けるだろうから、一番沈まない船と言っても良いかもしれない。ただ2つだけ言わせてほしいのだが、実は公務員の職種も同様に自分から手放すようになり始めているんだ。

 俺の知り合いに市役所勤めの先輩がいるのだが、会う度に言うセリフは「収入は安定しているけど、心はいつも不安定」だ。公務員というのは民間企業とは違い、俺達が社会人になった際に支払う税金から給料が出ている。その為、愚痴をこぼしにくる住民がかなりいる。日本は高齢化社会になっているから対応するほとんどが高齢者になっている。まぁ、老後の生活、納税、そして健康など様々な分野で関わってくるのだが、中には更年期障害なのか、職員に罵倒する人が1日必ずと言ってよいほどいる。そして税金を貰っている立場から文句は言えないし、公務員の場合、トラブルを起こせば、直ぐに新聞やニュースに載ってしまう。

 つまりトラブルを極力回避したいのだが、高齢者の中には暇人で、他人を攻撃したがり、更に弱い立場を狙う人がいるわけだから、反撃出来ない公務員職員を重点に狙う人もいる。更に家族間のトラブルなどの対応も行う。例えばDVの夫から逃げたいから、住所は知らせないでほしい。親が老後の貯蓄を貯めていなかったせいで、自分が長年貯めた貯金がほとんどなくなりかけている。保育園や託児所がない。どうすれば良いのですか?など夫婦間、介護、育児など行政だけではどうしようもない問題を抱えているから、頭を悩ます職場だと言える。

 先輩、言っている事は何となく分かりますよ。ただ俺達の税金を使っているわけですし、民間企業でも民間企業ならではの苦労ってモノはあると思いますよ。言わば隣の芝生は青いってやつで、要はブラック企業より恐らくマシなので、自分で公務員の道を選んだのだから、そのくらいの精神的な不安はもうどうしようもないんじゃないですか?

 無論、社会人になる以上、職場での理不尽は最早避けられない。ただもう1つ言わせてほしいのが、公務員というのは原則として副業が禁止だし、歩合制も無ければ、残業代も定額支給なのは通例だ。つまり公務員の給料と充実した福利厚生だけで、俺がさっき言った癌や介護離職の対応をする事が出来るのか、という疑問が出てくる。

 更に今の地方自治体の殆どは赤字財政になっていて存続の危機に立たされている。2014年に日本創成会議で発表された消滅可能性都市、つまり将来無くなるとされる自治体をリストアップした資料なんだが、全国の8割以上の自治体が人口減少し、若い世代は年収200万円台、そして公的サービスの受給者の高齢者の数が増大により、財政が保てない状態にあると言われている。まぁ、もっとかみ砕いて言えば、高齢者に払う年金や公的サービス費を確保出来ない。出せる金はないのに、憲法では最低限の生活は保証しますと書いてあるから、生活保護の要望を完全に断る事が出来ない。更にそれらの担い手である若い世代の年収が従来より低いせいで税収も期待出来ない。

 これはほとんどの自治体が共通で抱える悩みであり、その結果、その自治体の向かう先は2006年に財政破たんした夕張市のような状態になると言われている。夕張市の状態というと職員の給料は必要最低限、または退職推奨による退職になる可能性があるわけだから、まぁ、俺達が公務員になったとしても、今のような安泰はないと考えた方が良いかもしれない。

 消滅可能性都市という言葉は初めて聞きましたね。人口減少で自治体を維持する為の税収すら確保出来ないとなりますと、例え今は安泰である公務員の職務でも安全とは言えないかもしれませんね。挙句の果て、副業や歩合制による給料増加も見込めないとなると、ホント公務員でも良いのか?と感じるようになりますね。

 つまり実力があるのであれば、民間企業でスキルでもあげた方が良いという話になり、そうでなければ公務員という選択もあり得る。要は今は良くても将来の動向を考えるとそう安泰と言えないような状態になりつつあるから、それ故、公務員を今目指すのは良くても、それだけでは恐らく足りないと思うから、何かしらの打開策を考えるべきだと俺は思っているぞ。

安定・安泰を求めるこの気持ちをどのように処理すれば良いのか?

 先輩、色々と今の世の中は安定ではないという理由を述べていただき、何とか考えを改めようと思っているのですが、具体的にどんな風に取り組めば良いのでしょうか?

 いや、改める必要はない。というのも「安定した人生を送りたい」「先行き不透明な世の中で生き残りたい」という気持ちはお前だけでなく、誰もが望む気持でもあるんだ。ただ今の世の中、終身雇用のシステムが崩壊し、企業に最後まで残る事が難しくなった以上、どのようにこの世の中を乗り越えれば良いのか?その気持ちは常に生きる上で、働く上でも大切な気持ちだ。その為、安定を求めるのであれば、如何に自分が持続的に給料を貰える、または暮らして行く為のお金を手に入れるべきなのか?そこから考え始めるのはどうだろうか?

 1つの例として高齢になった際に資金不足に陥りそうになりそうであるならば、年金頼りの生活ではなく、自分でお金を集める生活を築くにはどうしたら良いのか?その参考事例を探してみるのも良いかもしれない。

 俺の場合だけど、貰った退職金で投資やFXを老後やってみようと思っていて、金融知識を出来るだけ多く身に着けようと思っている。投資というのは家にいても出来るモノだし、仮に親の世話をしないといけなくなっても自宅で出来るから、家から離れられない制約を何とか対処する事が出来る。また俺の知り合いの場合、英語やドイツ語などの語学を磨いて海外に暮らせるよう頑張っている人もいる。また別の例として出費を抑える為に山にこもり、自然の恵みだけで生活出来ないかと、野性的な事を考える知り合いもいた。信じられないかもしれないが、公的サービスが頼りにならない以上、自分で自力で何とかしないといけない。その為、今のうちに必要な知識や成功例などを集めて、何が出来るのかを探し出すのも大切だ。それ故、まぁ、俺個人として、安定した企業ばかり探すのではなく、余裕のあるうちに今の時代を乗り越えるスキルとは何なのか?と考える姿勢こそが今後生きていく上で重要な姿勢だと思うぞ。

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