大手ばかり志望させる問題点

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よくある就活のミス

 これは保護者の方だけでなく、就活生にも言える事ですが、短期間のうちに大手のエントリーシートの受付が終了する為、出来る限り多くの企業にエントリーしようとする人達がいます。

 実際、締め切られればそれでその企業との縁が切れるわけなので気持ちは分かりますが、逆に大量エントリーをする事で自分達の就活を不利にするリスクがあるのをご存知でしょうか?

こんな話があります。

 ある家庭では息子さんの就活を機に現在どんな企業が新卒採用を行っているのか母親が調べた様です。すると日頃から使っている食品のメーカーや自動車、化粧品などの上場企業の多くが募集している事を知りました。

 ただ大手企業のエントリーシート締切一覧を見てみると2ヶ月のうちに100社程の企業がエントリーシートの受付を締め切る形になっていた為、1日で2社ほど書く必要がありました。息子の様子を見る限りそんなにエントリーシートを提出しているようには見えなかったので、奥さんは出来る限り多くの企業にエントリーするよう息子さんに助言しました。

 しかし息子さんは当初その提案を受け入れませんでした。理由を聞くと息子さんは午前中は大学の講義、午後は会社説明会、と日中のほとんどの時間に用事があり、空いている夜の時間帯だけだったのです。その為、奥さんが言った企業数分のエントリーシートや履歴書を書く事は時間的に無理だと言いました。

 そこでこの奥さんは大量エントリーを可能にするべく、代わりに自分が内容を考えて提出する事をしました。

 奥さんは志望先のホームページにアクセスし、企業理念や事業内容を参考に志望理由を書き、「自己PR」や「学生時代に頑張った事」などの質問には資格をどのように取ったのか、どんな風に部活動を行ったのか、を書きました。奥さんも次第に書く事に慣れ、結果100社近くもの企業にエントリーシートを提出出来ました。

 結果、7割近くもの書類選考を通過し、大成功になりました。

 ここまで見ますと、奥さんは大量提出を実現する為に子供の代わりにエントリーシートを代筆し無事大量提出を成功させました。一見子供の就職活動に貢献しているように感じますが、実はここで大きな問題を作っているのです。

この後の続きです。

書類選考の結果が出て、次はいよいよ面接です。

 奥さんは子供の面接の無事を祈り、息子が帰ってくるのを待っていました。しかし息子が面接から帰ってくると暗い表情をしていました。

「どうしたの?」と訊くと

 「この志望動機って?ウチの企業理念をそのまま用いたモノだよね?本当に志望するつもりがあるの?」

と言われたようです。

 落ちるエントリシートの例として感銘志望と言われるモノがあります。感銘志望とは志望先の企業理念や事業内容をそのまま切り出して、最後に感銘を受け志望しました、共感し是非働いてみたいと思いましたという形で書いた志望動機を言います。

 大量エントリーを実現する為、企業ホームページの内容を丸写しして書けば考える時間が減り、短時間で志望動機を作る事が出来ます。実はこの方法、ご家庭だけでなく、多くの就活生が実践している方法なのです。つまり多くの就活生が似たような文章を書いている為、面接官からするとありきたりな文章に思え、良い印象を与えない文章なのです。それどころか、単なるコピペという印象を持ち、志望する権利を失いたくないが為にとりあえず志望したという悪い印象を持つ事に繋がるのです。

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感銘志望はどれだけ就活に悪影響を及ぼすのか?

事業と理念に感銘し志望しました

 ここまで読むと単なる印象が悪くなるというわけで、内定取得の可能性が無くなるわけではないと思う方もいるかもしれませんが、決してそうではありません。

 何故なら御社の理念に感銘を受け志望したという文章だと、高い確率で面接官は「ではどういう事に感銘を受けたの?」と訊いてくると思います。それをただ単純に社会に貢献する姿勢に魅力を感じた。無私の精神で進む企業だからですと答えても、「ではウチの企業が具体的にどんな活動をして、そしてどういう風に社会に貢献しているか答えてくれる?」と尋ねてくると思います。

 就活生の中には大手だからという理由で志望してくる学生が大勢います。その為、志望先の業務内容についてあまり理解せず、御社の理念に感銘を受けたからという感銘志望で面接に臨む人が沢山います。こういう人に限って入社後、「こんなに仕事が大変だと思わなかった」言って、サボったり、または辞めたりする為、出来る限り採用したくない学生として企業が警戒しています。

 その辺の違いを見出す為、企業は入社後の活動について訊いてくる事を面接でしてきます。それ故、感銘志望と言うのは学生の立場では入手の難しい入社後の詳細な仕事について理解する事が必要となってくるのです。

 内定を取る就活生はこのような事を避ける為、志望動機は過去自分がやっていた事に対し向いているのではと示唆する程度にとどめています。それ故、感銘志望は面接において学生が一番答えにくい質問を面接官で起こさせるリスクを秘めた危険な方法なのです。

入社意欲を試す面接官の質問

恐らく就活生の中には志望意欲について訊かれたら

「どんなに大変でも頑張ります。」

「熱意は誰にも負けません。」

「御社の仕事を通じて社会貢献がしたいです。」

「御社で頑張ってお客様が喜ぶような事をしたいです。」

「入社後は先輩の言う事を聞き、間違えないよう頑張ります。」

などやる気を全面的に押し出せば良いと思っている方もいると思いますが、恐らく面接官が次に言う言葉は

「では、具体的にどんな事に力を入れていく予定なの?」

「1年後、3年後、10年後、どういう風に仕事をしていきたい?」

「ウチの人気商品って何か分かる?それは何で?」

「ウチと他社との仕事の違いって何か分かる?」

と訊かれると思います。それでも

「御社の事業を1つ担えるほどの立派な社員になりたいと思います。」

「下積みを積み、部下を志望し、そして大手の取引を任せられるよう成長したいです。」

「○○という商品を知っております。美味しいです。」

「御社の方が資金力が高いです。」

と出来る限り頑張っていくと思いますが、次に来る言葉は

「例えば?」

「もっと具体的に」

「個人的な意見ではなく、社会的にどう思われているか言ってみて」

「だから?」

 と結局は具体的な仕事内容について答えなくてはならない状態になると思います。信じられないかもしれませんが、このように感動したから志望したという話にすると、ではその感動がウチにどんなプラスを生むのか探る質問をしてきます。もはやその答えのレベルは一つのビジネスを成功させるほどの内容でなければならないと思われます。

感銘志望にならない志望動機の書き方

キャリアプランの構築

 上記の内容を読んで、では感銘志望ではない志望動機はどういうモノで、どうやって書けば良いのかと感じる方がいると思います。その為、次の文章で食品業界を志望する場合の感銘志望ではない文章を紹介したいと思います。

感銘志望ではない文章

志望動機:

私は御社の衛生管理士として海外に安全な食べ物を届け続ける社員になりたいです。

私が海外で暮らしていた頃、海外は日本と比べ、食品に対する衛生環境が整っていない事を知りました。これでは安心して食べ物を食べる事が出来ないと思い、食品の安全を考える仕事に就きたいと思うようになりました。

御社は調味料を中心としたメーカーではございますが、安心して食を届ける為、現在他社と協力して海外の小学校の給食を提供する活動を行っています。私も将来、御社の海外における衛生管理に携わる仕事を行いたいと思い、1年目は御社の商品を実際にどのように販売しているか日本で勉強し、3年目で大手取引先を任せられる程に成長し、将来は海外の事業1つを任せられる人にまで成長したいと思っております。

 上記の文章を読んで自分の志望動機との違いに驚かれる方もいると思います。しかし志望動機を書く以上、志望先での最終目標を書く事は自分の志望意欲を示す一番効果的な方法です。もし実際に大手を勤めたいのであれば、社会を動かすような事を将来やってみたいと言うくらい覚悟した方が良いと思います。

 またこの文章で感銘志望ではないと言える点は企業のホームページを見て志望したのではなく、もともと自分のやってみたい事があり、それを実現出来る企業が御社なのではと感じさせる文章になっている事です。

 感銘志望は企業ホームページを見て志望先を決めたという流れですが、志望意欲のある文章は就活を始める前からやってみたい事があり、その実現に向けて御社を志望するという流れになっています。

 先の例では彼女は海外での実体験をもとに海外では日本のように安全に食べ物を食べる事が出来ない問題を解決したい事を事前に説明しています。そして食を安全に届ける為小学校と提携し、安全な食べ物を子供たちに提供している御社に入社すればそれが実現出来るのではという内容になっており、手当たり次第に志望したという印象を感じさせません。

 このように社会問題に対しどのように解決するべきかを述べ、そしてその実現に向けて御社に入社する事が一番であるという流れの文章を書ければ感銘志望という印象を面接官に与えません。 就活ではこういう感銘志望の学生とは違う事を証明する為に様々な手段を取っています。

 例えば先の食品業界を志望していた就活生であれば海外の食品問題に関する卒業論文を書き、その内容を面接で話す事もしています。他にも食品偽造問題の原因や自分なりの解決の仕方、そして実際にOBの方と会い、食の安全を実現しつつ、会社としての利益を生むためにはどうすれば良いのかという単なる慈善活動にしない為にはどうするべきなのかも調べております。

 それ故、志望動機を書く際は単なるホームページの写し書きではなく、社会にある問題に対し、どのように解決し、会社としてどんなビジネスモデルを作るべきなのか、そこまで考えて行う事をオススメ致します。

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