「求める人材:”失敗経験が豊富な人”」← 何で?

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失敗経験が豊富な人

なぜ失敗経験が豊富な人を求める人材として挙げる会社がいるのか?

本来であれば失敗の数が多ければそれだけ自分達の事業に大きな損失を招く恐れがあり、それだけ失敗から学べない人なのでは?と感じさせてしまいます。しかしこれは失敗経験豊富と書いていますが、実は最終的には成功した人を表しているのです。

では具体的にどんな人が失敗経験が多くても採用したい人物であり、失敗経験の豊富さが如何に企業にとって有益になるのか?ここでは人事に関わる先輩社員と後輩社員の二人の会話を交えながら説明致します。

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失敗経験豊富な人のメリットとは?

「先輩、テレビで見たんですけど、企業の求める人材の1つに”失敗経験が豊富な人”とあるんですが、それはどうしてですか?」

「それって失敗ばかりしているのだから、普通は採用したくない人材なのに何故ほしい人材としてカウントされるのか?という意味か?」

「はい、正にその通りです。だって失敗が多いという事は採用しても失敗する可能性が高いって事なんじゃないですか?それなのに求める人材として“失敗経験が豊富な人”って言われているのがどうも私には理解出来なくて、普通成功経験が豊富な人でしょ、欲しがるのは?」

「まぁ、確かに成功より失敗している人を選ぶなんておかしいかもしれないけど、ただ企業からすると成功経験より失敗の経験が多い人の会社にとって必要な人材だと思うぞ。」

「どういう意味ですか。」

「成功している人間って言うのはある意味天才的な素質がある人を言っていると思うんだ。ただそういう人って大抵周りが真似出来ない何かを持っていて、成功する為のモデルケースにはならないと思うんだ。プロのスポーツ選手が若手を教えても上手く伝える事が出来ない。でも挫折や失敗している選手だと相手の悪い点を理解出来て、何をすれば良いのか教えられる。失敗経験の多い人ってそういう人の悪い点を見抜く力があるんだ。」

「え、でもそれって教育面で言えばの話でしょ。企業の本質的な取り組みは事業で成功を収める事なんですから、教育も大事ですけど、結局のところ成功している人間の方が優遇されるのではないですか?」

「まぁ、確かにそれも一つの正解だと思う。ただ最近は成功しているからってそれで良しというわけにはいかなくなっている。」

成功体験が豊富な人のデメリットとは?

「どういう意味ですか?」

「例えばお前の言う成功する人間が採用されてウチに配属されたとする。となればお前、どう思う?」

「そりゃ、成功する人間が配属されたわけなんだから、ウチは売り上げがアップ、そしてある意味安定を手にしたと言っていいのではないですか?」

「確かに企業としての業績が上がる見込みはあるだろう。ただな、そいつがどんどん事業に成功し、そして先ほど言ったとおり失敗の経験が無い為、お前にノウハウについて教えられない。んでもってその人が今までほとんどの事業を手掛けていたのに、急に独立しますなんて言ったらどう思う?」

「え、それですと、そりゃあ会社は今までその人に頼って来たんだから代わりなどいるわけないので業績が悪化するのではないでしょうか?」

「そうつまり成功経験豊富な人っていうのはそのように会社にとってその人がいないと機能しなくなる依存体質になってしまうんだ。んでもってお前がさっき企業が安定と言ったとおり、その人に任せておけば大丈夫という風潮が生まれる。となると周りの社員はいつも以上に努力や成長する事を疎かになってしまうんだ。」

「え、そうですか?その人に憧れて逆に努力するのではと思うのですが?」

「実際そうではないんだけどな。俺の知っているケースだけどAさんという方が企業に入社してバリバリ働いていたんだけど、ある日、上司から自分の地位が脅かされると思い、仕事を回らせなくしたんだ。最初はそれは酷いと思って色々対策を取ろうとしたけど、同僚からも自分には手に負えないって事で敬遠されて特に対策が取れなかっただ。んで上司の圧力に耐えられず、その人は退職し、会社は機能しなくなって業績が悪くなるというパターンに陥ったんだ。」

「え、でもそれってその上司の自業自得なんじゃないですか?保身の為に優秀な人を蹴ったんですから?」

「いや、この話は単なるイジメの話では無い。社長や周りの社員からすれば貴重な人材を失った事になる。んで出来る人間というのは大抵周りに疎まれて邪魔されたり、上司と意見が合わなくて退職するケースがあるんだ。例えばプライドの高い上司のパワハラや古典的な考えを持つ人の指示とか?」

「え~っと、何となく分かります。つまり成功経験豊富な人っていうのは会社からすると周囲がその人に合わせられなくなり衝突を生むリスクがある。そしてそれを理由に退職してしまったら、依存体質や周囲の努力を怠らせるという悪い影響で経営が難しくなるというデメリットがあるという事ですか?」

「その通り、まぁ信じられないかもしれないけど、結局の所出来る人間というのはそのように周囲を疎ませて機能しなくなる事が自然と起きてしまう面があるんだ。そしてそれは当然その人が悪いのではなく、周囲の人間の実力に問題があり、会社側の責任だ。でもさ、そんな問題をコントロールする方法なんてお前あると思うか?」

「無いでしょうね。だってその人は良かれと思ってやっていて、結果を出しているのですから、会社としてその人を指示するべきです。でも疎んでいる人は上司や大人数だと思いますので注意すれば大量退職のリスクもあり、経営に支障が出る。結局のところ、その出来る人が周りに溶け込めるよう努力するよう促すしかないのではないでしょうか?」

「お、良い事を言うね。それが正に成功する人よりも失敗する人を採用する理由なんだ。」

「はい?どういう事です?」

失敗経験豊富な人が重宝されるわけ

「さっきも言ったけど、失敗する人って周囲からコイツまた失敗しているわ。と周囲から出来ない人間とレッテルが張られているはずなんだ。しかし失敗経験が豊富という事はその人は失敗はしているけれど周囲から反対されず、何度も挑戦している可能性があると感じるよね。」

「はい、確かに失敗経験が豊富という意味は何か不自然さがありますよね。」

「それって失敗もするけれど、成功する見込みもあると周囲に感じさせていると思えるだろ。つまり失敗経験が豊富な人って言うのは失敗もするけれど、成功する見込みがあるという意味なんだと俺は思う。」

「ああ、そうなると何か合点がいきます。つまり成功する人間だとその人に依存した経営体質が出来るリスクがある。でも失敗するけれど成功もする人っていうのはそれだけ企業に溶け込んでいてモデルケースになったりもする。雲の上の存在よりも身近な成功例のような人を採用した方が企業にとって良いという事ですね。」

「そう、ただ失敗経験が豊富な人を誇張する理由はもう1つあると俺は思っている。」

「え、まだあるんですか?」

「例えばお前、仕事で失敗したら落ち込む?」

「え、そりゃあ、落ち込みますよ。というより私だけでなく、人って大抵失敗すれば落ち込むんじゃないんですか?」

「その通り、失敗すれば人が落ち込むのは当然な流れだと思う。ただそこから落ち込んで「ああ、自分はこの仕事が向いていないんじゃないか?」「また失敗してしまうんじゃないか」と考えてしまったら、どう思う?」

「マイナス思考が身についてしまうので働く人からすると悪い流れになっていると思いますね。」

「そうなんだ。今の世の中には失敗すると、仕事を辞めたり、リスクを恐れたり、消極的な行動を取ってしまう人が多くいる。でも企業からするとリスクを取らなければ成長しない為、現状維持が定着してしまう。失敗経験が豊富な人っていう事は失敗してもめげずに新しい事に挑戦している積極的な人でなければあり得ないだろ。」

「ああ、確かに挑戦しなければ失敗もあり得ないわけですから。」

「そして周囲は失敗してもそれを許している。周りからの評価も高く、失敗してもへこたれない、そして成功すれば周りのモデルケースになる。これこそ正に何故失敗経験が豊富な人を企業は採用したがるのかという理由だと俺は思うぞ。」

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