旅行業界の仕事内容と志望動機を内定者から聞く就活生

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旅行業界の仕事

 JTBやHIS(エイチ・アイ・エス)、KNT(近畿日本ツーリスト)など旅行業界は近年外国人観光客の伸びで売上を伸ばしている。その為、志望する就活生も多い為、旅行業界に就職するためには具体的にどんな事をしないといけないのか?そんな質問が増えています。

 ここでは実際に旅行業界から内定を取った人の話を参考に具体的にどんな風にアピールすれば良いのか?その辺を内定者の先輩と就活中の後輩が会話形式で説明しております。

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1人の社員で見る旅行業界の基本的な仕事内容

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 先輩、旅行会社のエントリーが開始されたので、旅行会社の面接ではどんな風にアピールすれば良いのか教えてください。

何でも俺に頼るなよ。ちなみに何で旅行会社に入りたいんだ?

外国人観光客が増えて、売上が上がったと良く聞くからです。

 こんな邪な志望動機を良く言えるな・・・。そんな気持ちじゃ受からないから俺に受かるコツを聞きに来たわけだろうけど、はっきり言って旅行業界はかなりのタフさが求められるぞ。

どういう意味ですか?

 良く考えてみろ。旅行を手配する仕事というのは客がこの旅行をして楽しいと思える事をするわけだぞ。つまりお前は入社後、旅行のプランのチラシを作ったり、その旅行に必要な旅館先、バス、または飛行機の手配、そしてそれを予算内で作る事を全部1人でしないといけないのだぞ。

え、そんなの一括でやるんですか?

 俺が勤めている旅行会社の新入社員の仕事の例だけど、まず始めにやらせられるのは、自分で旅行の企画を立てる仕事だ。その新人の場合は2週間の旅行プランだったけど、その旅行に必要なバス、価格、そして人員など全てを計算する。勿論始めのうちは先輩が見てくれるけど、2,3回くらいやったらもう後は1人でやるのが普通だ。

 んでバスの手配だけど、まずはバス会社に電話して、使えるバスがないか確認し、そしてその日時のこの時間までバスと運転手をお借りしたいと言うんだ。ただ今はバスの運転手やバスも数が足りていないから、簡単には揃わない。大抵別のバス会社と混合してスケジュールを組むことになるだろう。

あのバスの手配については分かりましたけど、旅行プランなんてどうやってやるんですか?

 ウチの場合はグアム2週間の旅や、鎌倉、金沢、北海道など特定の地域の旅行プランを旅行代理店に出している。つまり売るのは旅行代理店の仕事だけど、ウチらのような旅行会社の正社員の仕事は旅行プランの広告を出す事がメインで、さっきのバスの手配もそうだけど、大抵は自社にある価格やポスターなどを作れるアプリケーションを通して、旅行プランを作るのが仕事になる。

 最初の時期は先輩社員と同行して企画作成を行うが、大抵はターゲットを誰にするか?お前の言う外国人観光客についてもそうだが、その新入社員の場合は高齢者をターゲットにした旅行プランを作成していた。年寄りが好みそうな場所に先輩と一緒に取材に行ったり、高齢者が食べれそうな食事、例えば固くない食べ物やカロリーの高いモノではないとかなど調査を行い、必要とあらば旅館の責任者と打ち合わせして当日出すメニューについても話し合う。また他にも足腰の悪い人もいると思うから、移動の際の通路に急な段差があったり、直ぐに休める場所があるのか、また万が一急病人が出た場合、近くに病院があるのかなどを調べる。

 そして帰社後、その新人は集めた情報を元に、その旅行プランに現地の写真を載せたり、食事の成分、つまりアレルギー性のモノが無い事を書いたり、価格を自分で決め、いくらなら採算が取れるのかなどを全部自分で決める。

 で、でも先輩。そんな事いくら先輩がついているからって1人で出来るモノなんですか?バスの手配や宿泊先の確保なんて新人1人でも電話一本で出来るモノなんですか?

 ウチの場合、大手の旅行会社だからブランド力があり、信用があるという意味で、ある意味お前の言った通り、電話1本でバスや宿泊先を確保をする事は可能だ。むしろ向こうからすれば自分達の収入源でもある大手からの依頼を断るような事なんてしない。仕事が来なくなればそれこそ死活問題になるから、その辺の心配はしなくて良い。むしろ心配なのは初心者が採算の採れた旅行プランを作れるかどうかだ。

 ウチには旅行プラン作成用の専用ツールがあるから、法律で決められている表現の規制や価格や人数の設定、コストの計算もしてくれるから、表現や表記に必要なミスをする事はない。ただ一度出した旅行プランを募集した場合、旅行に必要な旅行者数が集まらない場合がある。その新人も同じような問題を抱えていて、旅行に必要な人数は40人だったのに、3週間も掲載し、締切1週間前になっても半分の20人しか集まっていなかった。

 こういう場合、必要な予算を集める為にも、掲載内容の見直しが必要。例えば食事に一工夫を置きたい場合、旅館の人と相談して、もっと良いモノを出せないか相談する。向こうも人が来なければ折角の団体客が無くなるわけだから、何とかアイデアをひねってくれる。大抵現地の名産物を1つ増やしたり、時間外のイベント、例えば夜の星空やホタルを見るイベントを設けたりして、注目する内容を増やす。そして掲載内容を書き直し、魅力あるコンテンツを作り上げ、目標人数に達成させる。

 もし目標人数に届かなかったらどうなるのですか?

 それはその時による。例えばイベントの内容を削減して、規模を縮小し、採算をとれるようにする。または現在の募集している旅行者と連絡を取り、価格が高騰する代わりにもっと良いプランを紹介するなど、価格を上げる事を許してもらうなど色々ある。本当はダメだけど、旅行が成立しないとビジネスが成り立たないわけだから、旅行会社に勤める人間は何が何でも旅行に必要な人数を集めないといけない。

・・・大変ですね。

 他人ごとみたいに言うな。今話したように1つのプランを何が何でも成し遂げないといけない状態である為、台風や整備の不備により急な旅行プランの変更、または新しい企画を立案するなど緊急時の対応も求められる。俺の先輩の話だが、旅行先の旅館の関係者が集団でインフルエンザにかかったという話が来て、締切3日前なのにどうしたらと相談を持ちかけられた事がある。その時、先輩は以前お世話になったその旅行先の近くにあるガイドの人にコンタクトを取り、急きょそのガイドが立案した旅行プランを企画したという話がある。つまり俺が言いたいのは、今後台風や集団感染など旅行プランが直前でダメになる事も良くある事だから、新人の内に様々な旅行関係者と親睦を深め、時には助け、そして時には助けてもらえるような人間関係を築かないと旅行業界では生きていけないぞ。

ああ、もう旅行業界はもう・・・いいです。

 折角話しているんだ。最後まで聞け。今までの話は断片的で抽象的だったから、新入社員の仕事について紹介する。

旅行業界の仕事で大変とされる仕事の例

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 お前は外国人観光客の対応で売り上げが良いと言っているが、外国人が客だと色々と困る事もあるんだ。例えば外国人の名前を登録する際の時とかな。例えばお前が外国人観光客の航空券の予約を取る際は、パスポートの名前通りのスペルで1字の間違いも無く記入しなければならない。もし、航空券の予約の際にスペルを1文字でも間違えたら、飛行機には乗れませんし、事前に気づいたとしてもチケット取り直し、最悪の場合キャンセル待ちが出ず、新しい席を確保出来ない事から別の飛行機の予約を手配しないといけない場合がある。これがもし繁忙期となれば次の飛行機でも予約は難しい為、旅行事態成り立たなくなる場合だってある。

 旅行中のホテルのチェックイン、チェックアウトの日、航空券のスペル、パスポート残存期間の有無なども間違いが許されないので、旅行業界を志望するのであれば慎重にかつ早くチェックしないといけない。そういう失敗が許されない職場である為、例え上手く処理したとしても処理が完了するまでの間、ちゃんと出来たのかな?と不安が払しょくできず、それが積み重なって鬱になる人が多く、ごまかしも多い。

 実際、過去にはバスの手配を忘れて学校に脅迫状を送り、遠足を中止にしようとした事件もあったから、1つのミスが旅行を台無し場合があるから、精神的なタフさと迅速にかつ正確な処理がこの旅行業界では求められる。

 また旅行中はお客様から「旅先のホテルの従業員がよくなかった」「お金が足りない。」などトラブルはつきものだから、その対応も自分で何とかしないといけない。つまりお客が起こすであろうトラブルについて事前に把握して、例えば小銭が足りない場合、自分が予備を用意しておくとか、けが人や病人が出た場合、直ぐに救急車を呼べるようにしておくとかそんな手配が必要だ。それ故、このような準備力というのも必要になってくる。

 あ、あのすいません。旅行プランを考えるだけでなく、その旅行プランを立てた本人も旅行する人と一緒に現地に同伴したりもするんですか?

 当たり前だ!!新人の場合、現場の雰囲気を経験しないと客がどういう所に喜び、どんな事に不快に感じたのか分からないだろ。お前はサブ添乗員として現地に足を運んで、旅行者と会話し、また来たいと感じさせる配慮をしないといけないんだよ。そしてその経験を生かして、次の旅行プランを組む際、現地調査では客が喜んだ、不快に感じた部分をチェックし、もっと良いプランを作れるように成長する事を目指さないといけないんだ!!

バス運転手の高齢化や外国人観光客の対応

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 更に近年悩みの種になっているのが、さっきも言ったけど、バスの手配が難しくなっている事だ。お前も聞いた事があるだろうが、現在のバスなどの運送会社は長時間労働を強いられ、かつその運転手の高齢化が深刻でバス事故が起こりかねない状態になっている。実際、関越自動車道高速バスの事故や軽井沢のスキーバス事故も運転手の体調に原因があった。

 こういった貸しきりバス事業者は2000年の規制緩和によって4500社も参入し、倒産した所もあるが、2011年時点でも7割が運転手不足だと事前調査で判明している。事故が起こる度に安全対策が求められる為、その基準に満たさず、バスを手配できない所が多い為、バスの手配が今まで以上に難しくなっている。その為、需要はあっても運転手の確保が出来ない為、旅行プランが作れない状態にもなっているんだ。

 更に今話題になっている外国人観光客の対応にも頭を抱えている。こんな貸し切りバスの現状から観光地が同じなら1台のバスで別の旅行プランと合わせて運用する事も行っている。しかし日本人であれば、時間に規律正しく動くが、そんな1分単位で電車時刻が決められていない外国人の中には時間にルーズな人が多く、平気で遅刻をする人が多い。その為、複数の旅行プランを併用して行うと全体に迷惑がかかるトラブルが続出している。

 そんな運転手不足や外国人観光客の対応については、居眠り防止の最新システムを導入したり、外国人にマナーを伝えるなどそんな形で対応しているが、どれも未だに効果が出ていない状態だ。だから、今後お前が旅行会社に勤める事になったら、この手の問題に対応していく必要があるから頭に入れておく必要がある。

旅行業界で働ける人について

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 さて、今まで話したように旅行業界というのは1つのミスで全てが破たんするリスクがあり、かつ現在は運転手不足と外国人観光客の対応に追われている状態である。そんな中でも働ける人がいるのは事実だ。お前がもしこの旅行業界を志望する事になったら、面接では自分もそんな人の中の1人であると思わせるような事を言わないといけない。旅行業界で働いていける人の人物像の1例を知りたいと思わないか?

いえ、もう諦めしたので結構で・・・

 そうか、では話そう。例えばさっき話したのは旅行プランを企画し、客がそれに応募するという待ちの営業だったが、今では少子化の影響に伴い、こちらから売り込む事をしないといけない。つまり提案型の営業もこの業界でも必要なのだ。

 ウチの企業は売れ行き好調の企業を対象に営業をかける方法を取っている。何故売れ行きの良い企業を中心にアポをかけるのかと言うと、売上が上がっているというのもあるが、通常成果を出している場合、社長や重役が日頃の感謝をこめて、社員旅行を企画する場合があるからだ。実際、体育会系や女性同士の会社など売上が上がった場合、ゴールデンウィークや夏休みなどに普段ではいけないフランスやイタリアなどの旅行を立てたりする所がある。本当なら自社で企画を立てる所も多いが、大人数の場合、団体行動の対応が出来ていない、または初めての海外旅行の場合、何を注意しないといけないのかなど、様々な点で不安を感じる場合があるから、俺らのような旅行会社に相談する場合もあり、入り込める余地があるんだ。

 こういう場合、この手の考えはこの業界では当たり前の事だから、業績の上がった企業に対し、他の旅行会社がアポをかけて、コンペ形式でプランを練る場合が多い。だから旅行プランを提案する場合、向こうのニーズに応える事も大事だが、ライバルがどんな提案をしてくるのか予想し、それを上回る提案をしないといけない。

 また最悪の場合、既に別の旅行会社が旅行プランを提示している場合もあるから、この業界の営業ではそこで諦めるのではなく、「既にお決まりかもしれませんが、ウチでも他社には負けない旅行プランがありますので、お話しだけでも聞いて頂けないでしょうか?」と何が何でも入り込む余地を作るんだ。俺なんか、「1社だけですと本当に良い旅行プランを組んでいるかが分からないかもしれません。もし宜しければセカンドオピニオンとして私の話を聞いて頂けるだけでもしていただけないでしょうか?」無料で働かされるリスクもあるが、話をしないと始まらないから、ただ働きでもその場に参加出来るよう頑張る必要がある。

 ここだけの話、仮に話を聞く事になっても既に決まった企画を覆すのは難しく、手ぶらで帰る事はザラにある。ただそれでもライバルが立てた企画以外にも自分が提案した企画の1部が採用されるようになると来年はその企業と自分と比較して旅行プランを考えてくれる場合があるから、何かしら1つでも向こうが魅力を感じるプランを作るのが大事なんだ。1つの例としてライバルは大抵1つのプランしか持っていない場合が多いから、こちらは3種類のプランを提案し、ライバル以上のプランを提案するのも手だ。

旅行業界で求める人物像について

 以上が旅行業界の主な仕事だ。こういう仕事内容を知ると、1から企画を立てる事が好きな志望動機が必要で、実際にウチの会社には「自分が作った企画を皆が喜んでくれて、そんな企画作りに携わる事をしたいと思い、志望しました。」という志望動機が多い。他にも地方出身者の就活生の中には「将来は地元の経済を活性化させる企画を立ち上げていきたい」と言う人も多い。旅行会社の仕事とはただ単に旅行プランを組むのではなく、多くの人を地方に呼び、そして現地のブランド力を高め、経済を活性化させる役割も担っている。その為、地方を活性化させる為のノウハウを身に着けたいという理由で来る人も多いんだよ。

では面接官はそんな就活生に対しどんなところを見てくるか?

 さっきも言ったけど、手続きにミスがあれば、それだけで旅行プランが破たんする為、事務的な処理に対する正確性や自信を持っていないといけない。となると学生時代に頑張った企画などで、どんな不備が想定され、更にその不備に対し、どのように対処するべきなのか?問題発生時におけるリカバリースキルを見てくる場合がある。

 更に企画力についても旅行会社のスキルとして求められる。現在過疎化が進んでいる地域も多く、市からウチに客を呼ぶための企画プランを依頼してくる場合がある。しかし実際に足を運んでみると小さな工場と民家があるだけ本当に何もない事が多いが、「都会よりも電気による明かりが少ない為、星が見える企画を立ててみてはどうでしょうか?」という奇抜な発想が求められる場合がある。

 また近年、外国人観光客のツアーも引き受ける事が多くなったことから、文化の違う人達に対しどのように接すれば良いのか心得ている人も求めている。例えばイスラム教徒のツアーでは宗教的な理由でアルコール類は口にする事は出来ず、ハラル食品と呼ばれる食事を用意しないといけないなどの文化のあった食事を用意する手筈も心得ておく必要がある。そんな慈善知識があるかどうかも見てくるため、例えばFacebookで外国人の友達を持ってコミュニケーションをとっているなどそんな経歴を持っている人も良いかもしれない。

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