奨学金が返済できない大手就職者の例

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「大手に就職すれば奨学金が返済できると思っていた」

「大手に就職したのに奨学金が返済できない」

「なんで大手に就職したのに奨学金が返済できない人がいるの?」

 奨学金を借りる人の中には「大手に就職さえできれば奨学金は簡単に返済できる」と考えている人がいるかもしれません。しかしその常識は徐々に変わりつつあり、大手就職者であっても奨学金を簡単に返済できない時代になっています。

 これを聞くとなぜ給料が高い大手でも奨学金返済が難しくなっているのか?不思議に感じるかもしれません。そして、では具体的に奨学金を借りる場合、どんな事に気を付けなければならないのか?その辺について考えられるようになりたいと思う人もいると思います。

 なぜ大手に就職しても奨学金が返済できない人がいるのか?ここでは実際に奨学金を借りようとしている後輩と、実際に奨学金を借りて奨学金の返済に苦労している先輩2人の会話形式で奨学金返済の難しさについて説明したいと思います。

奨学金が返済できない人が増えているのはどうしてか?

 先輩、実はそろそろ高校卒業後の進路について考える時期になってきたのですが、私は大学に進学しようと思っていて、奨学金を借りようと思っています。ただ最近テレビで奨学金返済に苦しむ学生を良く目にするので、もしかしたら私も奨学金が返済できないかも、って思っています。奨学金返済ってそんなに難しい事なのでしょうか?

 一言で言えば、奨学金を返済する為には、給料の高い企業に就職し、そこでケガや病気、またはリストラなど遭わずに15年間勤め上げる事。これが条件になっているからなんだ。

 奨学金を返済できない人の特徴として、給料の高い企業に就職できない。給料の高い企業に就職しても、怪我や病気などで働けなくなる。またはリストラや異動なので給料が安くなり、奨学金を払う余裕が無くなってしまう人が該当する。まぁ、つまり給料が高い所に就職出来ても、今後その企業で働き続けられるかどうかは別問題という事だ。

 なるほど、ちなみに先輩、大手に就職するのってそんなに難しいもんなんですか?

 正社員になれるかどうかで考えるのであれば、正社員はその他の雇用契約で比べても、6対4の割合になっていて、大手の正社員となるとその6割の1割から2割くらいしかならない。つまり奨学金を借りて報われるようになる為には全卒業生のうち上位2割の中に入らなければいけない。そんな見えない条件があると言っても良い。

 それに就活では大学生時代に頑張った事を2つ。後は成績表の提出も求められるから、勉強も出来ないといけない。奨学金を借りるという事は資金的に余裕のない学生と思っているから、まぁ、バイトだらけの人生を送って、学業に専念出来ず、さらにアピール出来るのはアルバイトのみという場合もあり得るから、大手の採用担当者が「この人を採用したい」と思えるようなエピソードを作り上げないといけない。まぁ、バイト先で売上をこのエリアで1位にしたとか、何かのイベントで成果を上げるためにこんな事をしたなど、そんなエピソードがないと大手から内定を取るのは難しいだろう。

 まぁ、大手に就職する難しさはこのくらいにして、今度は大手で働き続ける難しさについて説明したい。奨学金の返済が難しい1つの理由として返済期間の長さが背景にある。奨学金というのは15年から20年かけて返済されると言われている。つまりお前が仮に23歳で大学を卒業した場合、43歳まで奨学金返済の日々を送る事になる。43歳は会社で言えば大きなプロジェクトを任されている年齢だ。つまり場合によっては社内競争に負け、閑職や異動などさせられて安い給料で働いている場合がある。

 まぁ、例えそうなっても大手であれば奨学金を返済できるくらいの余裕は持っている。しかしそれを破たんする原因となるのが結婚や育児、介護などの奨学金以外に払わないといけない何かを持っている場合だ。

 もしかしたらお前は23歳から43歳の間に好きな人に出会って、結婚、そして子供を出産、そして育児に励んだりする場合があるだろう。しかし大手の給料は今までのように高くないし、突然の不景気到来でリストラや異動、または減給、給料があがらないなど様々な問題に直面する。そうして収入不足になった際、当たり前だが家族を持っていればそちらの方にお金を割かないといけないから、人によっては奨学金返済を疎かにしてしまう人だっている。

 そして一番怖いのが怪我や病気などで働けなくなった場合だ。お前は知らないだろうけど奨学金を貸しているJASSOというのは返済が難しくなった場合、月々の返済額を減らしてくれる制度がある。しかしそれは最高10年で、大病を理由に完全免除はされない。つまり10年経っちゃうと例えどんな理由があっても借金返済を求められ、それができないと全財産を取り押さえらてしまう。つまり慈悲は無いってわけだ。

 つまり人生と言うのは何が起きるか分からないから、43歳という長い期間でずっと奨学金を払い続けると言う事は、ある意味リスクでもあるんだ。

奨学金が返済できないのは自己責任?

 先輩、いまの話で、まぁ大手に就職できなかったり、長い間、高い収入を得られ続けなかったりなど、様々な理由で返済できなくなるというのは分かりました。ただ正直なところ、それは奨学金を借りておきながら大手に就職できなかったり、せっかく大手に入ったのに、実力が足りなかったり、安易に辞めてしまうなどその人の自己責任と感じてしまう部分があります。だから、まぁ、病気については不運としか言いようがありませんが、ちゃんと気をつけていれば奨学金は返済できるような気がするんですがそれは違うのでしょうか?

 まぁ、奨学金を借りたのに返済計画を上手く立てずに返済できない人もいたり、借金を借りているという意識が足りずに努力を怠ったりする人もいるから、返済できない人の中には自己責任と言わざる得ない人もいるのも確かだ。しかしだな、俺個人として、奨学金を完全返済するのはある意味運要素が求められる。要は奨学金の返済は本人の自己努力だけで何とかなるとは思えない点もある。

 例えば大手の中にもブラックと言われるような働き方をさせる企業は存在して、そこに就職してしまったら、うつ病になったり、過労によって体を壊してしまって働けなくなってしまうなどのリスクがある。そうなってしまったら、お前はどう思うだろうか?最近では大手広告会社で過労死で亡くなった人もいるし、運悪くパワハラ上司に目をつけられてうつ病になった人もいる。つまり奨学金を返済し終わる20年後に大手で高収入の状態でいるとは限らないし、たまたま良い上司に巡り会うなんて最早運としか言いようがない。

 他にも20年前まで絶対に潰れないとされていた大手メガバンクだって、今ではAIの発展により大量解雇が行われている。つまりお前が例え今潰れないと言われる企業に入っても43歳まで働き続けられるとは限らないし、そんな先よりも奨学金を借りる高校3年生時に出来るとは刀して思えない。やはりここでも運要素が求められる。

 あと他の問題として、大手であっても給料が低いという問題が最近起こり始めている。というのも、日本では最低賃金は保障されているけれど、昇給金額や、ボーナス、福利厚生などの待遇についての取り締まりは無い。つまり極端な話だけど、新人の時にもらった安い初任給のまま定年退職を迎えても法律上何の問題もない。言い方を変えれば、景気が悪くなれば、それだけお前の昇給金額にも影響するし、ボーナスや福利厚生も低くされてしまうリスクがある。それに景気がよくなっても社員の給料には還元されず、会社の存続の為、内部保留に回される可能性だってある。だから大手に就職したからといって、奨学金を余裕で返せる給料が将来貰えるとも限らないし、そんな企業に就職しないなんて、ある意味、これも運要素が必須。

 それに、さっき結婚や育児の話をしたけれども、俺達は他にも払わないといけないものがある。税金だ。お前はまだ会社で働いたことがないからわからないかもしれないけれど、会社に勤めると、住民税や、所得税など様々な税金を払わないといけない。そして今後増税の話があるし、年金も今の人達より少ない金額を貰う事になるから、まぁ、俺達の世代はもっと奨学金を返済しづらい時代で生きる事になる。

 あと他に自己責任と思えない例として、求人詐欺がある。お前はバイトしたことがあるかどうか知らないけど、働く以上、お前はまぁ時給だったり、月給だったり何かしらの魅力的な求人票を見て、働き先を決めるだろう。就職活動も同じで、志望先の月給や待遇などを見て、志望先を決めるのだけれど、あの求人票というのは絶対内容が正しいとは限らない。

 典型的な例だけど、例えば求人票には正社員で月収20万円と書いておきながら、実際に採用手続きに向かうと契約書を見せられて「始めのうちは契約社員として半年間働いてその後正社員として採用する」と言われるケースがある。つまり求人票には正社員で採用と書いておきながら、実際は会社がいつでもクビにできる契約社員として働かせるなんて言うことだってあるんだ。実際企業の中にはその後も何かしら理由をつけて正社員にせず、契約社員のまま働かせて契約を打ち切りにさせた話がある。

 他にも月収20万と書いておきながら「それは残業代込みの金額です」と言われる事がある。つまり仮に40時間分の残業代が4万だった場合、本当は16万が基本給なのに、求人票では20万を払うかのように載せる。そしてそれは法律的に問題がない。このように給料が高い企業に就職しようとしたら、実際は安い給料で働かされてしまう求人詐欺という悪質なモノも存在する。日本の就活では就活生に見せる求人票以外に、契約時に雇用契約を正式に結ぶ契約書というモノも存在する。日本の法律上、契約書には法的拘束力はあっても、求人票には効力がないから、つまりいくら求人票に問題のある書き方がされていたとしても、裁判で勝てる見込みは低いし、例え勝てたとしても、報酬として得るのは自分が働いて稼げたとされる未払い賃金分の金額だから、正直なところ割りに合わないってわけさ。

 それに女性に関して言えば、男性と結婚して、育児に専念する為、仕事を辞めざる得ない女性がいる。つまり男性の経済力がいないと生活できない女性がいて、仮に結婚した夫がDVだったり、借金やアルコールなど離婚してもおかしくない本性があった場合、果たしてその女性は離婚し、更にはその後ちゃんと自立して生活出来るだろうか?実際、JASSOではDV被害者やシングルマザーに対しても奨学金返済が滞れば、財産を差し押さえたりするから、結婚相手も正しく見分ける事も奨学金を返済する1つの条件になっているわけさ。

 とまぁ、奨学金を返済できるようになる為には、ブラック企業に入らない、求人詐欺に騙されない、運良くパワハラ上司に目をつけられない、仕事に追い込まれてうつ病にならない、ダメな男や女と結婚しないなど様々なハードルが存在する。だから奨学金を返済できない人の中には自己責任と言わざる得ない人もいるけど、一概にその人本人の問題とは言えない場合もある。本来であればその手の被害に遭った人を対象として救済制度があれば良いのだけど、日本ではその点の制度が充実してない面もあるわけだから、気を付けるだけでなく、仮にそうなった場合、対策についても心得ておく必要があるのが現実だ。

奨学金が返済できないとどうなるのか?

 ちなみに先輩、とりあえず奨学金の返済には様々なハードルがある事は分かりましたが、仮に奨学金を返済できないとどうなるのですか?自己破産をすれば解決するのでしょうか?

 安易に自己破産の計画を立てないほうがいい。というのも自己破産をするという事は、家族みんな路頭に迷う選択をしているのと一緒と言えるからだ。

 奨学金を借りる際は必ず自分が返済でいなくなった場合に備え、連帯保証人、つまりお前の代わりに借金を肩代わりしてくれる人のサインが必要になっている。大抵、連帯保証人になってくれるのはお前の親や祖父母、つまり身内だ。となると自己破産すればお前の借金はチャラになるけど、家族のそのツケが回るわけだから世帯的に見て損をする事になる。自己破産って持家や車も処分しないといけないケースがあって、現金は20万ほどしか持てない。つまりほぼホームレス状態になるって事だ。本当なら住む場所として実家と考える人もいるけど、奨学金返済の肩代わりのせいで、その実家も売りに出される場合だってあるから、お前どころか、家族皆ホームレス状態になりかねないってわけだ。

 こうなってしまってはお前は自己破産した後、どのように生活すれば良いのか思いつくか?自己破産してしまえば、当たり前だがブラックリストに載ってしまった以上、借金で生活する事は出来ない。まぁ、自己破産してもお金を貸してくれる消費者金融はいるけど。生活難に陥るのは目に見えているよな。まぁ、つまり自己破産しても、また借金で自己破産するリスクが出てくるし、その度に家族が追いつめられる事になるから、まぁ、要は自己破産すればますます借金から抜け出せなくなる生活送るわけだ。

 なるほど自己破産をしても、それで借金からおさらばになるというわけにはいかないという事ですね。まぁ、自己破産するほどの奨学金を借りたのですから、それはそれで自己責任という感じがしますので、私の場合、出来る限り少額にして、自己破産しないように気を付けますよ。

 ははは、お前は借りる奨学金の額を少なくすれば良いと思っているかもしれないが、例え少額であっても返済できずに自己破産に追い込まれてしまうケースがある。それは延滞金というシステムだ。

 奨学金の場合、借りる利子が少なくて返しやすいって言われているけど、奨学金で恐ろしいのは返済が途中で滞ってしまった場合のペナルティだ。例えばお前が口座管理を怠ってJASSOに支払いを1ヶ月分忘れてしまったとする。するとJASSOから電話がきて、返済されていないって事に気づく。この場合、返済が滞ったペナルティとして、借りている金額の5%を支払わないといけない。つまり仮にお前が300万借りていたら15万円余分に払わないといけないわけだ。

 今のはお前の手続きのやり方に不備があったからお前の自己責任って話になるけど、もしこれが不注意ではなく、先のパワハラや長時間労働によるうつ病だったらどう思うだろうか?さっきも言ったけど、今の時代、高い給料を43歳まで貰う事は難しくなっている。仮にお前が酷い会社に就職してうつ病になり、働けなくなったとする。そうなると当たり前だが収入が少なくなるわけだから、日々の生活だけでも苦労するのに、奨学金の返済もしないといけない。まぁ、でももし奨学金の返済が難しければ、月々の返還金額を減らす減額返還や、返済を最高10年間待ってもらえる返還期限猶予を利用する事になるだろう。

 その制度利用中に持ち直せば良いけれど、うつ病になると再就職は難しいし、前職のトラウマで再度を仕事をするとうつ病が再発してしまう人もいる。更に再就職となると以前のような大手ではなく、中小企業となる、働きづらさや給料の点で言えば以前より下がるから、制度利用中に持ち直すのはある意味大変なんだ。俺の知っている例では大手に就職して結婚して、2人の子供を産んだんだけど、突然の異動と異動先の長時間労働で体を壊し、働けない、子供を育てられない、だから奨学金返済もできないという三重苦に悩まされた人もいる。ちなみに低収入や無職を理由に奨学金返済を免除する事はできない。完全に免除する事ができるのは本人が死亡するか、一生働けない体になったと診断された場合などだから、まぁ、当てにならないよな。

 また補足としてなんだが、さっき奨学金返済が滞ってしまった場合、延滞金のペナルティについて話したんだが、場合によっては自己破産した方が被害が最小限になる場合がある。延滞金というのは延滞した年数によって決まってくる。例えば仮にお前が再就職できずに無職状態が続いた場合、300万借りていれば年に15万ほどの延滞金が発生する。しかしそれが5年、10年と続けば、75万、150万と増えていく。だからこれ以上返済できず、返済金額が膨れ上がってしまうくらいなら、自己破産して、延滞金の発生を止めるのも1つの手となり、自己破産した方が良いという話になる。

奨学金が返済できないようなら大学進学は諦めるべき?

 う~ん。先輩、奨学金って結構難しいんですね。私の友達に「家族を少しでも楽にさせたい」と言って奨学金を借りる人がいるのですが、この話を訊くと奨学金はある意味、家族を逆に追い詰める代物になってしまうんだなって思うのですが、奨学金を借りずに大学進学を諦めて別の道に進むのが正解なのでしょうか?

 難しい質問だ。奨学金を借りない選択というのはいわば専門学校に行くこともあきらめると言うことも等しい。なぜなら専門学校も奨学金を借りていく人もいるからね。だから大学進学や専門学校に行くのを諦める場合、具体的にどんな選択肢があるのか?も奨学金を借りるかどうかの判断材料になってくる。

 それ以外の選択肢と言えば、高卒就職位だが、高卒就職の場合、大抵高校に送られてくる求人票によって自分の志望先が決まってしまう。もしその高校が高卒就職に特化した高校であればそれなりに魅力的な志望先がたくさんあるけれど、進学校になると、もはやそこに来る求人と言うのは零細企業位しかないだろう。おまけに高卒就職の場合、志望出来るのは1社のみで求人票くらいしか判断材料がない。

 あと高卒の場合、大卒と比べてもらえる給料が少ないし、昇格のスピードも大卒と比べて遅いと言われている。つまり大卒の月給から奨学金の返済額を差し引いたような給料を一生もらって生活し続けるか?大卒資格を取って、何とか奨学金を返済し、将来は高い給料で生活できるようになるべきか?というそんな選択をする事になる。まぁ、そうなってしまったら、高卒の就職先に魅力的なモノが無ければ、将来給料が高く貰えるかもしれない大学進学を選ぶのが関の山になるだろう。

 あとは起業くらいなもんだが、人脈も、働いた経験が乏しい状態から起業するとなると、社会から信頼を得るのは難しいだろうし、失敗するリスクが高い。要は奨学金の返済が難しいから大学進学を諦めて起業という形をとっても会社立ち上げの際に多額の借金をするわけだから、正直なところ、それじゃ本末転倒だよな。それに会社立ち上げで成功するくらいの実力があるのなら、こんな奨学金返済などに悩む必要なんてないだろうから、まぁ、無関係な選択になるだろうな。

奨学金が返済できない大学生の例

 先輩、今思ったんですが、奨学金の返済にすごく苦労するのであれば、在学中に少しでもバイトして、返済する金額を減らす、または借りる金額を減らす等をすれば、何とかなるのでしょうか?

 そんな簡単な話ではない。なぜなら最近では人手不足の影響で、アルバイトなのに、正社員並みの仕事をさせようとするブラックバイトという問題がある。要はアルバイトで少しでも奨学金の借りる額を減らそうとしているのに、バイト先が、辞めさせてくれなかったり、重労働をさせて体調を崩したりなど、奨学金を返済するかどうかの前に就活自体が成り立たなくなるという問題がある。

 奨学金を借りるほどお金に困っている学生というのは大学時代における学業とバイトの両立に結構苦しんでいる。生活費を稼ぐためにバイトに明け暮れていると、まぁ、毎日疲れた体で講義を受け、眠いし、講義の内容は頭に入らないしなど学生生活に支障をきたす。就活では成績証明書を提出しないといけないから、成績が悪いと選考で不利になる。だから勉強する時間を確保するスキルが求められる。

 こういうことを言うと、「じゃあバイトではなく、返済の義務のない給付金制度を利用するしかない」みたいな言い方をする人がいる。奨学金返済で苦しむのなら、返済義務のない給付型の奨学金を利用して、良い人生を歩めってわけだ。まぁ、言い方を変えれば、給付型の資格を得る為に必死で勉強しろというわけだ。

 奨学金の問題が目立ち、新しく返済義務のない給付型の奨学金の利用を推進する人が増えているのは事実だ。確かに給付型の奨学金を利用できればバイトする時間が少し減り、学業とバイトの両立がしやすくなり、奨学金返済について将来悩まなくて済む、と考える人がいるかもしれないが、個人的に不安要素がある。

 というのも給付型を利用できる条件というのは成績優秀も勿論だが、家庭の収入が低い母子家庭や生活保護受給者の子供なども条件として含まれている。つまり一般の人からすれば対象外というわけだ。仮にその条件がクリアーできる場合だったとしても、月に貰えるのが5万円程度で親からの資金的なサポートが望めないとされる家庭が対象である以上、まぁ、多分、大学の学費や生活費もその子が稼ぐって事になって、月5万だけでは絶対足りないよな。となると結局のところ、バイトで稼ぐ必要が出てくるし、給付型以外の返済義務のある奨学金を利用せざる得ない場合がある。結局のところ、返済義務は多分生じるだろうし、学業とバイトとの両立に苦しむだろうというわけさ。

 挙句の果て、俺、その給付型の奨学金制度について調べた事があるんだが、この給付型の奨学金というのは1年ごとに更新されて、もし成績が芳しくなければ、給付されないのも勿論だが、今まで払ってきた給付額の返済まで求める場合があると書いてあるんだ。つまり学業とバイトとの両立で大変になる学生が対象なのに、成績が芳しくなければ、逆にその学生を追いつめるシステムになっているわけだ。はっきり言ってこれじゃあ、給付型の奨学金を利用する事自体、リスクがある事になって、正直頼りにならないかもしれないってわけさ。

 先輩、まぁ、何となく奨学金返済の為にバイトや給付型の奨学金を使っても、あまり期待できないって事は分かりましたが、学生生活ってバイトや給付型の奨学金を利用しても暮らしていけないほど大変なモノなんですか?

 学生生活そのもの自体はあまり気にしていない。奨学金を借りる以上、学生生活自体は何となるって考えている人が多いからな。しかし俺が気にしているのは就活をする為に必要な就活資金の確保だ。

 お前は就職活動したことないからわからないかもしれないが、就活というのはリクルートスーツや革靴を買ったりしないといけないし、複数の会社に行ったりしないといけないから交通費もトータルで5万ほどかかると言われている。また選考結果も訊く必要があるから、スマホの通信費も必要になってくるから、就活資金は合計で約20万かかるとされている。さらに就活では大学の講義を受けつつ、空いた時間に会社説明会に参加する必要もあるから、アルバイトをする時間なんてほとんどない。つまり就活をやっている3ヶ月以上はバイトが出来ないって考えた方が良いわけだ。

 そうなってくると就活生は就活が始まる前に、3か月間の生活費と20万円分の資金を事前に貯めておく必要がある。果たして生活がギリギリの奨学金受給者にそんな大金を貯める事が出来るだろうか?

 つまりここでもお金の問題が出てきて、仮に十分な資金が集まらなかった場合、受けられる大手の数も限られてしまうし、もし失敗してしまったら、もう入りやすい中小企業を受けざる得なくなる。こうなると何の為に大学に行ったのか分からなくなるし、奨学金を借りている以上、多分大手より低い給料のまま今後の生活を強いられる事になる。だから借りる金額を減らすより、就活が出来る資金を貯める方が大事な場合があるわけだから、一概に借りる金額を減らせば良いというわけではない。

奨学金を返済できるようにする為にはどうするべきか?

 う~ん。当初は大手に就職してしまえば奨学金の返済は楽に出来ると思いましたが、大手に就職しても労働環境次第では返済に苦労し、運が悪ければ延滞金が発生し、自己破産するリスクがある。だからと言って奨学金を借りない選択をすれば、高卒就職、要は奨学金を返済しているのと同じくらいの給料で人生を送る事になる。奨学金によるリスクを少しでも減らす為に借りる金額を少なくすれば良いと思っていても、学業との両立や就活資金の観点から、やっぱりそれなりの額を借りる必要が出てくる。先輩、奨学金を返済する事が如何に大変なのか分かりましたが、では奨学金返済をより可能にする為には具体的にどんな事をしないといけないのでしょうか?

 給料の高い企業に入るのも1つの条件だが、やはり奨学金の返済でネックになるのは返す金額の多さと返済期間の長さだと思っている。だから出来るだけその返済額を減らす、または返済期間を短くする、そういう事をしないといけない。だから出来るだけ繰り上げ返済をした方が良いと思う。

 繰り上げ返済?

 繰り上げ返済というのは予定よりも早く奨学金を返せる制度の事で、例えば仮にお前が400万円の奨学金を月々1万7千円で20年間かけて返していたある日、突然100万円という大金が手に入ったとする。本来なら月々1万7千円の返済だけど、大金の使い道を思いつかなかったお前はその100万円全額を奨学金返済すべてにつぎ込もうと思い、問い合わせた結果、残り400万円だった借金を300万円にする事が出来た。

 奨学金の返済の仕方は何も当初決められていた月々の返済だけでなく、一気に返す事も可能なんだ。そして何で俺がこれを推奨するかというと、借金である以上、利子というモノが付いて借りた金額以上の金を返済しないといけないシステムになっている。そして奨学金というのは残っている奨学金の額によって利子の額が決まるから、まぁ、本当はもっと複雑な計算なんだけど、仮に利子が3%で400万円奨学金が残っていた場合、12万円余分に払わないといけない。しかしこれが300万円に減れば、9万円分しか上乗せされない。つまり早めに返していく方が普通に返すよりも安い金額で済むことが出来る。

 それに返済した金額によって返済期間も減るから、まぁ、今の例だと400万円の4分の1が減ったわけだから、返済期間も20年の4分の1、15年まで減った事になる。奨学金が返済できない理由として返済期間の間に働けなくなるリスクについて説明したけど、仮にお前が16年後に会社でクビになっても15年目で返済し終わっているから延滞金の発生は免れる。しかし繰り上げ返済しなかった為、20年目まで続いて収入が途絶えてしまったから、延滞金が発生するリスクに苛まれる。だから延滞金のリスクを出来るだけ避ける為にも出来るのなら早めに返す方法を取った方が良いだろう。

 あとそれでもブラック企業だったり病気だったりで運悪く働けないリスク存在するから、仮に働けなくなった場合の対策についても考えておく必要がある。一番効果的な方法としては会社の収入以外でも別口の収入源を作るのが一番良い。特に出来れば自分が働けなくなった場合の対策なのだから、自宅で稼げる方法が良い。それがネットで稼ぐ事なのか、転売なのかは分からないが、副業のデメリットとして会社の本業に支障をきたしたり、本職と比べ収入が少ない問題がある。つまりそれだけ腕が問われるってわけだ。

 だから理想論としてIT系の企業に就職し、スキルを磨き、自宅でも稼げる方法を見つけて独自の収入源を作り上げる。奨学金の返済を視野に入れるのであれば、月に2万円ほど稼げるようになりたいはず。それがアフィリエイトなのか、クラウドサービスなのか、または株やFXなのかは分からない。ただこれら全てはそれなりの経験を積む必要がある。

 だからちょっと奨学金返済の話から脱線したけど、お前が社会人として働く時期になれば会社からの収入だけではリスクがある。だから何でも良いからそれなり副収入を得られる何かを持っておいた方が良い。年収の低い会社に入った時の対策という意味でもそうだが、転職する際、「この手のスキルがあります」と転職時のアピールにも繋がるし、勤め先の仕事で相乗効果を生むモノであれば、昇進しやすくもなる。だから副収入を稼げるスキルを持っているとそれなりの打開策が作れ、生きていくのに必要なスキルになる。だから何でも良いから稼げる何かを身に着けて、想定外の支出が起こって生活難に陥らない人になるよう頑張りたまえ。