「粘り強さ」で面接が通る就活生の自己PR

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tradecase

「誰もが辞めていく中、自分だけ決して諦めず最後まで続けた」

「崩壊寸前だったところをへこたれず作業し、立ち直らせた」

「地道にコツコツ生きてきた」

 など辞めずに続けてきた事、窮地を乗り越えた経験で粘り強さをアピールする就活生は沢山いると思います。ただ粘り強さというのは、成果をあげるまで様々な障害を何度も粘り強く乗り越えた経験を指す為、1度だけの障害、ただ長く続けてきた程度の経験では粘り強さをアピールする上では不十分なのです。ここではその粘り強さのアピールの仕方について、粘り強さをアピールしようとしている後輩とそれをアドバイスしている先輩の2人の会話を通して粘り強さを説明致します。

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「粘り強さ」とは具体的にどういう事か?

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先輩、粘り強さをアピールして面接を通したいのですがどうアピールすれば良いですか?

なんで粘り強さをアピールしたいんだ?

 今日行ってきた会社説明会で粘り強さがある人が欲しいって言っていたので自己PRで粘り強さをアピールしたいのです。

 粘り強さねえ、粘り強さってのは正直アピールしづらいアピールなんだぞ。何故なら、粘り強さというのは、何かしらの窮地に直面し、更にそれを何度も乗り越えた話でないと成立しないからな。就活では粘り強くバイトを続けた話をする学生がいるけど、正直そんなやりづらいバイトをしているのなら、「なぜそのバイト続けていこうと思ったの?」と言われておしまいだ。そのバイトを続けないといけない理由が何かしらあり、目的を達成する為にはこんな課題をクリアーする必要があったなど、そんな言い回しが必要なんだ。だからバイトを例に言うのであれば、バイト先が友達の実家で生計が取れないと店を畳んでしまうから友達を助けたいという気持ちがあった。でも実際に蓋を開けてみると、人は集まらない。ライバル店には勝てない。更には同業の大手チェーン店で食中毒が発生したから、風評被害を受けて更に売上が落ちたなど、次から次へと襲ってくる問題を克服し続けたような話でないと粘り強さとは言い難いのだぞ。

 しかし先輩。そんな凄い経験している学生っていますか?確かに粘り強さをアピールする上で3つか、4つの課題を乗り越えた話をするべきだとは分かったのですが、今の例なんて中々体験できるものではありませんし、粘り強さ以外のアピール内容を考えるべきなのですかね?

 今のはバイトを例に粘り強さを表現した場合だ。だから粘り強さで納得いくアピールをしている学生は、自分の所属しているサークルで何故か舞台を行う事になった。そして自分がその責任者に任命されて、予算配分、衣装を揃える、人員を集めるなど様々な事をしないといけなくなり、それでも最後まで粘り強く、問題を1つずつ対応した結果、無事舞台に成功しました。とそんな新しい事に挑戦して色々あったけど成功した経験を粘り強さとしてアピールしているんだ。だからさっきの友達の店を立て直すというスケールの大きい話ではなく、大学内のイベントやコンサートなどの新しい挑戦で、自分はこんな課題を解決していきました。そんな風にアピール出来ればそれで良いんだよ。

企業が求める「粘り強さ」のある人とは?

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 後、俺が気になっているのは、なぜ会社説明会で粘り強さのある学生を求めたのかという事だ。本来企業が求める人材としてコミュニケーションが円滑に出来る人、誠実な人、そして何事にも挑戦する人の3パターンになっている。コミュニケーションは言わずとも知れた、組織で働く以上、他の人との連携は必要不可欠でコミュニケーションは欠かせない。そして誠実な人は成果主義が問われる日本の労働環境だが不正を働いた上での成果は認められない。その為、結果を出しつつも、正当な方法でやらないといけないと思っている誠実な人をあげる場合が多い。そして最後に挑戦する力だが、従来のやり方がいつまでも通じるわけではないから、何かしら新しい事に挑戦し、そして成果をあげる必要がある為、挑戦する力を挙げている。その為、企業の求める人材というのは、口達者で、全うなやり方で常に臨み、そして従来のやり方に満足せずに挑み続ける人、これが企業の求める人材の決まり文句になっているんだ。

 決まり文句って・・・先輩、言っている意味は分かりますけど・・・

 だから粘り強さを求める学生を企業が求めたという事はもしかしたらその企業、何か新しい事に挑戦しようとしているのではないかと思っているんだ。ただ単純に入社して直ぐ辞める学生を避けたいという気持ちであれば、根気のある学生を求める人物像としてあげたはずだ。なのに粘り強さをアピールした以上、ただ諦めが悪いだけでなく、成果をあげる即戦力の学生を欲しがっているんじゃないかと俺は感じているんだ。

 先輩の言いたい事は分かりますし、僕がこのまま志望するなら、入社後は新しい事に挑戦する事を覚悟しないといけないというは分かりましたが、それってどの業界でも同じことなのではないですか?一概に挑戦しない企業なんてあるわけないですし、そんな挑戦が急務というような仕事って正直思いつかないのですけど・・・。

 俺が思いつく限り、国内の需要は満たされているから今後売上を上げるためには海外に出るしかないという内需型産業の企業や、ITの普及に伴い、自分の仕事が受注が減っている、言わばITに職を奪われている業界が怪しいかな。実際、その手の業界は今から手を打たないと倒産する可能性は高いし、新しい分野に市場を置く事が急務の可能性だってある。例えば1970年代の例だけど、船とかで普通の手漕ぎの船をモーターボート並みの馬力を生ませる船の後ろに取り付ける”船外機”ってやつがあるだろ。

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 あれを海外で販売しようとしたヤマハ(ヤマハ発電機)の話があってな、当時、ヤマハはオートバイレースで日本一になり、スクーターの販売をしていたけど、クレームが続出して経営危機から脱する為にオートバイに次ぐ第二の事業を持つことが急務とされていた。開発者からしてみれば、今まで陸のエンジンを開発していたのに、海のエンジンを開発するという事で未知の挑戦でもあったというわけだ。

 事実、オートバイとは違い、障害物がほとんどない海ではほとんどフルスロットルで起動し、それが原因でエンジンが焼切れる事があり、耐久性の課題があった。更に欧米で販売した結果、音がうるさいという事で返品される、そして当時売るだけで赤字になる、社内からは損害機として扱われる、など3重の苦に見舞われたんだ。

それでどうなったんです?

 耐久性の問題、そして音の問題は持ち前の技術力で何とかなったんだが、耐久性のテストの為に当時実験場でやっていた浜名湖では近所住民からうるさいと訴えを出す事があり、テストの実験場の確保が1つの課題となっていた。そして数年の時を超え、実験場を完成させ、耐久性のテストが効率的にあがり、無事市場が求めるような商品を完成させたんだ。

ではそれで売れるようになったのですね。

 いや、本番はこれからだ。当時のヤマハは当時大型漁船の停泊が許されていなかったスリランカで船外機の販売をしようとしたが、「船の形は神が決めたもの。船外機を取り付ける事は許されない。」と文化の違いで船外機を取り付けるのを拒否された。更に価格の問題もあって現地の人からすれば船外機は家1軒買うのと同等の値段だから、その値段で買う人なんてあまりいないわけだから、宗教と高い過ぎる価格。この2つの問題の対策が必要になったんだ。だから宗教的な問題に対しては、現地の人を雇い実際に実践してもらって、船外機をつけても神に祟られない事を現地の人に見せたり、価格の問題も政府が補助金を出す事で価格を下げ、更に獲れる魚の販売で生計が取れると宣伝する事で、買っても充実した生活が送れるよってアピールしたんだ。

 それでやっと売れるようになったわけですね。

 いいや、話はまだ続く。そうやって船外機を買ってくれる人が一応現れたのだが、今度は魚が捕れないとクレームが来たんだ。調べてもみるとスリランカがやっている漁業は浅瀬で行う投網漁で、沖合の深い海では魚が捕れない漁法だというのが分かったんだ。つまり現地の漁法では遠くに出ても魚が捕れないというのが分かったんだ。それが原因で漁師たちは「自分達を騙して高い船外機を売りつけた!!」と信用が失墜し、更に現地の営業マンも「これはもう企業の力でどうこう出来る問題ではない」と頭を抱えたんだ。

ではもう諦めるしかないですよね。

 ただ粘り強さを発揮したのはここからだ。その問題を知ったヤマハの社員は「無いなら作ればよい」と沖合でも魚が取れる漁法などを載せた漁業新聞を作る事を思いつき、それを実現する上で実際に日本で漁業を営んでいる漁師に頼み込んで沖合で取れる漁法を取材し、そしてそれを現地で販売する事を行ったんだ。これをやって初めて船外機が売れるようになったんだ。

 つまり先輩。このヤマハの人達は船外機を海外に売る為に、エンジンを改良し、実験場を作り、実演販売も行い、政府から補助金を出すよう整えたり、更には魚が獲れるよう現地の人達に新聞まで作ったという事ですか?粘り強さでもここまで行くと正気の枠を超えていますよ。

 このように海外で製品を売るだけでも新商品の開発、試験問題、現地での宣伝、補助金、技術提供などを様々な事を行う必要がある。もしお前が海外で新商品を売るようになったら先のような取り組みが必要になってくるわけだし、結果を出すまであらゆる手を尽くすような粘り強さが求められるだろう。

「粘り強さ」をアピールする場合、どんな風にアピールすれば良いのか?

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 先輩。今の話は正直レベルが高すぎます。もっと僕でも話しやすいアピール方法なんてありませんか?

 まぁ、先のヤマハの話は1つの分かりやすい例として説明したまでだし、実際、新人にあそこまでの粘り強さを求めたりはしないさ。ただ粘り強さをアピールする以上、何かしらの窮地に陥っても、めげずに乗り越えられそうな人と思わせるようなアピールをしないといけない。その為にもどんな風にアピールしないといけないのか考えてみよう。

 しかしそんな学生時代に企業から「おお!!」と思わせるような何度も試練に立ち向かうような経験なんてありますか?

 例えば学費を稼ぐために友達と一緒にアルバイトしようと思ったけど、勉強一筋の親はバイト先の保護者同意書へのサインに反対。そして友達と離れ離れになり孤立無援状態。何とかアルバイトを開始したけど、今度は仕事が覚えられず、更にバイト先の先輩が役立たずで自分一人で仕事のやり方を見出さないといけない。そして何とかバイトを続けられたけど、今度は103万以上稼ぐと扶養控除がなくなる為、税金を払わなくてはならないし、これ以上アルバイトをすると大学の出席日数が足りなくなる。その為、足りない学費の分をカバーする方法を見つけなければならず、奨学金、または先輩から借りるなどの対応を考えなければならない。など思いつく限りではこんな話があるかな。

 僕はそんな経験はないですけど、学生が粘り強さをアピールする為には、アルバイトやイベント企画などで必要なモノを如何に集め、そしてどう結果を出したかというのをアピールするべきですね。正直どうすれば良いのか分かりませんけど。

 確かに物事を成し遂げる上では人、モノ、金は重要な要素だけど、粘り強い人の特徴としてピンチを楽しむような人が多い。ビジネスでは売れない、企画が通らない、自分の話を聞いてくれないなど色々なトラブルがつきものだ。そんな苦境にもめげず、「ではこの状況をどう乗り越えるにはどうすればよいのか?」そんな風に考える癖を持っている人が粘り強い人として見られる。つまり、学生時代で苦労した経験で、「これを乗り越えられれば、成長する」など何か楽しんでいる雰囲気を面接で出せれば良いと思うんだ。

 しかし先輩。それは粘り強さというより、自信家とか改善力など自分の力で切り抜けられる自負のある人ですよね。粘り強さをアピールする以上、こういう困難があって当初はこんな解決方法を取っていたのですが、そんな時、こんな問題が発生して、その為、今度はこうやって・・・など行き当たりばったりだけど、ちゃんと成果を出す為の手を打っている内気だけど、現実的な考えを持つようなそんな人がアピールするべき内容だと思うのですが?

 確かに「俺は出来るんだぜ!!」みたいな雰囲気を出すのは禁物だな。粘り強さがあり、成果を出す以上、当初は不安だったけど、次第に協力してくれる仲間や、必要なモノが手に入って一気に軌道に乗ったというパターンで言った方が良いと思うな。お前の言うとおり、この粘り強さというのは成果をあげるポテンシャルみたいなモノを言わないといけないから、相手に成果をあげる確率は高いけど、本人はその事に気づいていないみたいな印象を与えないといけない。つまり「こんな問題があったんだけど、皆と相談した結果、道筋が見えてきて・・・」「最初は反対する人も多かったのですが、何故やらないといけないのか、このままこの状態が続けばどうなるのか?など色んな視点であらゆる可能性を説明した結果、相手も納得して頂いて・・・」などそんな言い方で面接に臨んだ方が良いな。

 結局のところ、人、モノ、金が成果を上げるためのパーツだと思いますので、それを集める為にはまず誰かの力を借りないといけない。そしてその人を説得する為にも、先のようなモノの言い方が求められていて、面接で自分の粘り強さをアピールする為には、よそよそしく、「私が働いていたアルバイト先ではこんな事がありまして、その問題を解決する為に色々な人と相談して、結果的にこんな結果になりました。」と試行錯誤で言っているような雰囲気で面接に臨めば良いという事ですね。

 後は自分が解決した問題に対し、どのように取り組んだのか?それを具体的に言えたら良いよな。例えばお前、親にアルバイト反対されたらどうする?

 まずバイトする理由を言いますね。友達と一緒にやるのであれば、ここで断ると仲間外れにされるとか、ゼミで必要な道具を揃える必要があったから、バイトで稼ごうとか、いっその事、就活では平均20万くらいの資金が必要だと先輩に聞いたから、自己PRする内容も含め、バイトをしておくべきだと判断したと言いますね。

 いいね。じゃあ、バイト先で仕事のやり方を教えてもらえなかった場合は?

 まずネットの質問サイトで、どのように仕事をすれば良いですか?って質問を投稿しますね。そして次にその内容を元に同様の悩みを抱えている内容を検索して、解決策を見つけて手当たり次第手を打ちますね。また別の手としてバイト先を思い切って変えるという手もあります。

 ・・・では例えばお前がその店のアルバイトを採用する担当者に任命されたとする。お前はどう仕事をする?

 僅か15分程度の面接でその人の素養を判断しないといけないので、まず何故アルバイトしようと思ったのか?そしてどのくらいバイトしようと考えているのか?この仕事についてどのくらい知っているのか?など具体的に聞きますね。本気でアルバイトする人なら仕事内容についてきちんと事前準備してくるでしょうし、例えやる気のない人が来ても今は人手不足で猫の手も借りたいくらいなので、無断欠勤しないよう対策を取る必要があるので、連絡先が正しいか、また急きょ来れなくなっても連絡くらいはしてほしいなどの確認を面接でします。といいますかね。

 ・・・とりあえず、親に反対されて、でもお前が今言った方法で説得して、更にバイト先では仕事内容を自分で調べたり、急きょアルバイトの採用担当に回されたりしたのですが、先のような方法で乗り越えて、店は今も繁盛していますって言えば、粘り強さをアピールした事に繋がるんじゃないかな。

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