『ブラック企業の見分け方なんてない?』
『転職しているがブラック企業が見分けられない』
『ダメな会社の見つけ方とは?』
など転職活動をしても志望先がブラック企業なのかどうか分からず、立ち往生してしまう事があると思います。実際、求人票や面接の雰囲気が良くても、実際に働いてみるとブラック企業だったケースが良くあります。
その為、転職希望者の中には『実際に転職活動中にブラック企業を見分けて、転職先を見つけられる例が欲しい』と思っている人もいると思います。その為、ここでは実際に転職エージェントがやっているブラック企業を見分け方の情報が手に入った為、その方法について提示しております。
良く言われているブラック企業の見分け方の妥当性
俺は転職会社に勤めるキャリアエージェントだ。ウチの会社では転職サイトに掲載する求人票の選定の為、時折、実際にこの企業に転職希望者として志望したりしている。要は覆面調査だ。俺達、転職アドバイザーの場合、如何に転職者が長く勤めてくれるかどうかが報酬の分かれ目になる。実際、転職者を紹介した結果、1年で辞めてしまい、報酬の100万のうち80万円を返却しないといけない事が多々あった。
だからこそホワイト企業、ならびにブラック企業なのかどうかを見つける必要があり、今回、俺はいくつかの見分け方を説明したいと思う。先ず手始めとして世間的に良く言われている『求人票』『会社ホームページ』『面接』などの見分け方について説明したいと思う。
ブラック企業の見分け方 求人票編
転職サイトに載っている求人票というのは給料や福利厚生など、もしこの企業で働く事になった場合、どんな条件下で働く事になるのか?その内容が書かれている。その為、本来であれば『給料が月20万と書いていれば毎月20万で働ける』『育児休暇があるから育児と仕事と両立出来る』なんて思うかもしれないが、それは大きな間違いだ。
求人票というのは主に会社側から提示される情報を元に作成される。つまり会社側がもし悪い情報を隠していればそれが求人票に反映されない。例えば『月16万だが、残業代4万を前提として月20万と提示しよう』『ウチの会社、育児の理解の少ない奴らが多いから、申請しても許可してくれないんだけどな。まぁ、育児休暇制度があるのは事実だから提示しておくか』という流れになり、可能であるが、事実上不可能な月20万、育児休暇制度有、という求人票が掲載される。
これを聞くと転職エージェントの人は調べないのか?と思うかもしれないが、流石に社内情報となると限界がある。更に掲載の段階で調査はするのだが、調査員の中にはあえて目をつぶる人もいる。
転職は人材紹介ビジネスである為、転職者を紹介して初めて報酬が発生する。その為、転職エージェントの中には仮に会社の悪い部分があっても、転職者がいなければ報酬が発生しないという事で『残業代込みとして書きましょう』とわざわざ悪意のある書き方を勧めてくるアドバイザーもいる。その為、求人票からブラック企業を見分けるのは難しく、別の方法で見分け方を探った方が良い。
ブラック企業の見分け方 ホームページ編
続いての見分け方として志望先のホームページを閲覧する方法がある。これは本当に良い会社であれば、良い部分と悪い部分両方を載せている。場合によってSNSやブログなど書いて、日頃からどんな風に社員達が働いているのか載せている所もある為、そちらで雰囲気を見る事も良いだろう。
ただブラック企業の場合、誤解を招く書き方をしている場合がある。例えば『平均年収は400万円です』なんて書いている所もあるが、実際は20、30代は200万円代が平均で、40代になってから600万になるなど、確かに平均400万だが、30代まで200万円で働かせると言っても過言ではない。
これは年功序列のシステムが生きている企業や経営層が利益を独占している企業の場合がある為、会社ホームページの内容はその会社自身の性善説に頼らざる得ず、鵜呑みに出来ない。
ブラック企業の見分け方 面接編
さて続いては面接でブラック企業の見分ける事が出来るかどうかについてだが、これは確かに1つの見分け方ではあるが、確証を得られる見分け方ではない。
実際、面接官は誠実で仕事をしているが、入社後にまともな働き方をしていない社員は数多く存在している。事実、面接官というのは上司から信頼されて選ばれるケースや、重要なプロジェクトでどんな人材が必要なのか、全体像を誰も把握しているなど、出来る人が選ばれる事が多い。
その為、その面接官は良いが、他はダメ社員の場合が多く、面接官を見ただけで会社の全てを判断する事は出来ない。時折、面接官で悪質な対応をする人がいるが、それは良い面接官が面接の時間を設ける事が出来ず、急遽選ばれたか、そのくらいしか仕事がない人など、その場限りの問題である場合が多い。つまりその会社自身の一時的な問題あり、それで会社がブラックかどうかを判断する事は難しい。
ブラック企業はどうやって見分ければ良いのか?
と、このように会社から提示される情報は確実にブラック企業かどうか見分ける方法としては乏しい。その為、俺達、転職エージェントの場合、別ルートで情報を入手する事をしている。それが口コミサイトだ。
そもそも昔はブラックではなかったが、今はブラックになっているケースもある。実際、不景気の影響でコスト削減や不正に手を染めなければならない企業が多くあり、それが原因でブラック企業に変貌するパターンもある。結局、今の状態がホワイト企業として成り立っているのか?現在進行形の情報の入手が重要になってくる。その1つの方法として俺は転職会議の口コミサイトを愛用している。この口コミサイトは退職がその会社の情報を記載しているコメントが豊富にあり、見てみる非常に面白い。実際、とある有名家電メーカーのコメントにはこんな事が書かれている。
私は大手家電メーカーに勤めるエンジニアです。実際、私が勤めている会社は日本の名だたる大手家電メーカーである為、新卒時、この会社に入れた事は非常に誇りでした。しかし実際に働いてみると、過去4Kの高画質のテレビを打ち出そうとしたが、値段があまりにも高く、更に海外の安い賃金に押されてしまい、経営が徐々に悪化する問題が起こりました。これが原因なのか、その後、不祥事を起こし、取引先が減り、社内の監視体制が強くなった事で、今まで1人で判断して出来た仕事が、上司の許可なしで動けなくなるなどの窮屈な問題が起きました。実際、私も納期の遅れで、ライバルに切り替えられるケースが多々ありました。
信頼の失墜、経営の悪化、納品スピードが遅くなるなど様々な要因が重なり、出来る社員は去り、会社のブランド力でしか生きれない社員が残るようになってしまっています。もう従来の古いやり方ばかり固執する社員しかいなくて、人生100年時代を生き抜く為に必要なスキルを身に付ける職場ではないと思い、転職を検討しております。
というコメントがある。このように口コミサイトには会社内部の事情が赤裸々に語られている部分がある為、不祥事に伴い、具体的にどんな問題が社内で起こっているのか?参考となる情報が書かれている。
というわけでブラック企業かどうかを見分ける方法として口コミサイトを利用する事を俺はオススメしている。実際、日頃から見ていると良い企業と悪い企業の判別がつくようになる。
他にもブラックと思えるコメントが数多く存在する。例えば以下の3ケースもブラック企業になりかけている企業と言える。
大手子会社に勤める営業マンなのですが、取引先が大手だという事で安心していたのですが、取引先が1つしかない為、親会社の言いなりになっているのが実情です。事実、親会社が納期ギリギリまで決めた内容を、更にギリギリな状態で作成しないといけないと言うパターンがよくあり、親会社ありきのビジネスである為、逆らう事が出来ず、親会社の無茶な要求がいつも来るので転職を検討しております。
食品メーカーに勤めている営業マンですが、現在販売先であるコンビニやスーパーが自社で食品を開発しており、弊社の類似する商品を置いてもらえない事が起こるようになっています。その為今、別の食品の開発を行っているのですが、大ヒットすると、そのコンビニやスーパーが類似した食品を作ってしまう為、アンテナショップみたいな状態になっています。もう今はメーカーよりも、販売元のところが強くなってきていると言わざるを得ません。
ITエンジニアとして働いているのですが、システム開発において人員が圧倒的に少ない状態です。現在、我々が開発しているシステムは金融系のシステムなのですが、専門知識が必要で、お客様とは金融知識を踏まえながらシステムの開発を行わなければならないのですが、そのての知識を持っている人材が少なく、必要なITスキルを持っていたとしても、別の会社に転職されるなどと言うケースがよく起こっております。その為人を育てても、すぐ抜け出されるし、スケジュールが間に合わず、お客様から怒られ、上司にも怒られる状態になっています。
取引先が1つしかない場合、その会社の言いなりにならざる得ない場合があるケース。時代の変化で今まで通じていたビジネスが通じなくなりシェアが奪われ苦戦しているケース。そして最後は人材不足で仕事が出来ない問題が生じているケースなど、様々なケースがある。
だから会社内部の経営状況、事業内容、または組織体制など社内内部の情報を取得する為には実際に働いている社員から情報を取得するしかない。その為、俺は口コミサイトこそが、どんなブラック企業なのかを見分ける一番の方法だと思っている。
ブラック企業だと見分けられない人の例
さてあらかたブラック企業なのかどうかを見分ける方法について語ったが、中には間違った形で内容を認識してしまう人がいる。今度はそのケースについて触れてみたいと思う。
長時間労働を苦に定時上がりの会社で働きたいと言ってきた人の例
俺が担当した事がある転職希望者の中に、長時間労働を苦に『定時で上がれる会社に入りたい』と言ってきた人がいる。
まぁ、前職においては終電、または日またぎで仕事をする事が多かった為、長時間労働をしない企業に入りたいと言うのは当然の流れかと、思うが、最終的にこの人はまたブラック企業に転職してしまう。
勘違いしないで欲しいのだが、一応、俺は定時上がりの会社を紹介した。しかし定時で上がれると言っても、それでブラックではないとは言い難い。実際、会社の中にはそれだけタイムマネジメントに厳しい会社であり、納期に間に合わない場合、厳しい処置を取られる可能性がある。と転職する前に念入りに説明した。しかしその人の場合、『長時間で働かないのであれば何でも良い』との一点張りだったので最終的に内定を取った転職先に入る事になった。
しかしその人はわずか1年で退職する事になる。そこの会社は、確かに定時で上がるが、それは仕事の要領が良い人たちの集まりであり、納期に間に合わない場合、仕事を外されるなど社員からひどいバッシングを受ける。実際、その社員の場合、『なんで終わらないんだ!?』『どうしてこんな事に気づかないんだ!?』など仕事のやり方について色々と指摘され、前職では長時間労働で苦しんだが、今ではジタハラで精神的に病んでいると言っていた。
このように単純に労働時間でブラックかどうかは決めない方が良いと思っている。定時上がりといっても、その社員が自主的に提示でタイムカードを切り、定時で上がっていると思わせるケースが多々ある。その場合、自主的にサービス残業している会社でもある為、ブラック企業どころか、ブラックを強要する企業である場合がある為、余計に危ない。実際、口コミサイトでは、サービス残業を強要したり、残業禁止の風潮が出た際は、社員を定時で上がらせて、近くのカフェで仕事を続けるなど悪質なやり方を勧める口コミもあった。
ただ世の中には実際に残業を禁止にした事で、社会業務の改善のきっかけになり、仕事の質が高まったケースだってある。だからこそ労働時間でブラックかどうか判断する事は難しく、転職希望者は情報の取り扱い方について気を付けないといけない。
ブラック企業を見分ける為に必要な事
それ故、ブラック企業の定義と言うのは個人によって異なる。だからこそ志望先の選定の際には自分との相性の良さについても確かめる必要がある。
実際、俺の知っているケースでは不正が横行している会社だったのに『ここで改善すれば俺の知名度があがる』など不祥事が発覚した企業にわざわざ転職し、そして新しい自分のビジネスを作って必要な人材になる人だっている。これは珍しいケースだが、世間的にはブラックでも個人からするとホワイトである場合がある。
最近、良く聞く例では社内の古い体質により『ブラックだ』と言って辞める社員が多い会社があったのだが、自動化業務を行ってきたエンジニアの場合、『業務の改善のチャンス』として社内SEとして働き、働き甲斐のある社員として頑張っている話も聞く。
その為、ブラック企業の見分け方、ならびにホワイト企業の見分け方は個人によって違う。その為、その会社がどういった理由で働きづらいのか?その辺の特徴を探る為にも口コミサイトはかなり参考となる為、もし転職時、自分にとってブラック企業なのかどうかを見分けたいのであれば、口コミサイトの情報を元に判断する事をオススメする。