正社員募集なのに契約社員として採用された場合の対処法

正社員募集なのに契約社員で採用

 

「正社員募集のはずなのに契約社員だった」

「正社員で応募したのに試用期間中は契約社員として働けと言われた」

「正社員募集と書かれていたのに契約社員で採用するのは違法では無いのか?」

 

 求人票には正社員募集と書かれているのに、契約時に『契約社員として採用』と言われてしまい、戸惑ってしまう人もいると思います。求人票をよく見てみると『試用期間あり』と書かれており、その試用期間の間だけは契約社員として採用し、そして試用期間後に正社員として正式採用する2段階形式になっています。

 

 そして企業の中にはこの試用期間制度を悪用し、いつまでたっても正社員にしなかったり、または契約社員だったせいで一方的に解約されてしまう、理不尽な目に遭う場合もあります。その為、契約社員で採用された人は本当に試用期間終了後、正社員として採用されるのか?その辺の見極めが必要です。

 

 もし正社員募集なのに契約社員として採用された場合、具体的にどのように立ち回れば良いのか?ここでは実際に契約社員として採用されてしまった後輩と、労働関係に詳しい先輩の2人の会話形式で、契約社員として採用されてしまった場合の対処法について説明しております。

 

 

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なぜ正社員募集なのに契約社員で採用するのか?

なぜ正社員募集なのに契約社員で採用するのか?

 

「先輩、実はこないだ正社員募集で応募している企業から内定をいただいたのですが、雇用契約内容を見てみると、最初の半年は契約社員として働いて欲しいと言われました。なんで正社員募集で応募しておきながら、わざわざ最初のうちは契約社員として働かせようとするのでしょうか?

 

「一般的な理由としては先ずその社員がちゃんと働けるかどうかを見る為だ。

 

 こう言ってはなんだが、契約社員として先ず働かせるのは正社員だとクビにするのが難しいから、まずは有期雇用で採用する方法を取っている。例えば採用した人が実は暴力団関係者だったり、または勤務態度の悪い人だったり、場合によってはそのまま来なくなるなど、面接では見抜けなかった不当な社員への対策が必要なんだ。

 

 俗に言う経歴詐称なんて聞くけど、世の中には持っていない資格を持っていると言い張ったり、面接で嘘の情報を平然という人がいる。人間性に問題がある人を採用してしまった場合、組織上に大きな支障を起こすから、問題のない社員かどうか見極める為に最初の数か月は試用期間として契約社員雇用で行うんだ。要は健全な人材を確保する為の1つの手段として使われている。

 

 ただ中には残念なことに試用期間の仕組みを悪用し、一生契約社員のままで働かせる企業も存在する。

 

正社員募集なのに契約社員のまま働かせる悪徳企業の例

正社員募集なのに契約社員のまま働かせる悪徳企業の例

 俺の知っている例なんだが、

 とある会社で求人票に「正社員採用、試用期間6ヶ月」と書かれていたのに、実際に契約を結ぶ段階になると「最初の6カ月間は契約社員で働くことになる」と伝えられ、求人票と異なる契約を結ばれそうで困惑しました。ただここで断れば私は事実上無職になる為、これから転職活動を改めて再開するにはリスクがあり過ぎる為、泣く泣く契約しました。

 そして半年後、仕事も順調にこなし正社員になれるのかな?と期待したのですが、当時不景気のあおりを受けて、事実、会社からは契約社員になっていた私を『明日から来なくて良い』と一方的に言ってきて、途方にくれました。

 

 と会社の都合で辞めさせるなんて話をよく訊く」

 

「すいません、いくら契約社員だからってそんな会社の一方的な都合で辞めさせる事なんて可能なんですか?

 

「本来ならあり得ない。契約社員であっても、社員の勤務態度などが著しく問題がなければ一方的に辞めさせる事なんて出来ない。また上記の例は『明日から来なくてよい』とその場で解雇を言い渡しているが、実際に解雇通知を出す場合、解雇する日の1か月前に通告する必要がある。だからそれを知らずに会社の言い分を信じてしまい、素直に辞めてしまう人がいるから、先のような事をされた場合、きっぱり断るのが筋だ。仮に強硬手段として辞めさせようとしても、それは不当解雇にあたるから、裁判を起こせば勝てる。

 

 だが、事前に辞めてしまっていた場合、企業側の言い分としては『相手も承知の上で契約した』という形で徹底抗戦するだろうし、仮に勝ったとしても給料の数か月分の賠償金で済ませる話になるのだろうな」

 

正社員雇用の応募なのに契約社員として採用される違法性について

「採用する初日に望まない契約をさせようとしているのに『相手も承知の上で契約した』という形になってしまうのですか?これは私だけでなく誰だって断れば無職なる状態で雇用を断るなんて考えないでしょう。挙句の果て、裁判で勝っても給料数か月分の賠償金しかもらえないなんてほんと理不尽ですね。一体どうしてそんな事が許されるのですか?

 

「色んな問題が絡んでいるが1つの問題点として求人票に書かれている内容には法的拘束力がない

 

 日本の法律の場合、給料や雇用形態などが書かれた求人票が本来の雇用内容と異なる事が書かれても違法性はない。その理由として求人を出してから雇用するまでの間、数か月のタイムラグがあるから、その間、景気の悪化で業務内容を変更し、異なる内容になっていても問題がない。事実、逆に景気が良くなって給料が上がった場合、求人票と異なる内容だったから違法なんてなれば、ややこしくなるから、応募中の求人票の内容に差異に違法性は認められない。

 

 ただ違法性が認められるとすれば契約の段階で結ばれる雇用契約書の方だ。もし雇用時に求人票と雇用契約書の内容に大きな開きがあれば違法性が認められる。

 

 ただお前の言うとおり、雇用の段階で判明しても応募者側からすれば何も出来ない。断れば無職。しかし受け入れれば『同意の上、雇用契約書にサインした』みたいな話になってしまうから、これはある意味、狙った犯行と言えるだろう。

 

 そして契約社員の立場で働かされると、いざ転職しようとしても契約社員の事実は変わらず『正社員雇用されなかった人』なんてそんな目で面接では審査される事になる。転職でも不利になるし、試用期間制度の悪用は悪徳企業自身がそれを見込んだ上でのやっているんだ。

 

 その上で転職の際、求人票に”正社員登用制度あり”とか書かれている場合があるけど、あれば事実上、契約社員の立場から正社員に登用する方法はありますよ。と言っているだけで実際は試験問題だったり、会社内で何年かキャリアを積んだりなど、正社員になる上で難しい方法だったりする。正直、この手の契約で本当に試用期間後に正社員として採用する企業もあるから見極めが難しい。だから事前に見抜く事も大事だが、仮にこんな悪質な企業にあたってしまった場合、別の企業に転職するなど、ある程度、腹を括った方が良いと思うぞ」

 

 

試用期間後も契約社員にされた場合の対処法

試用期間後も契約社員にされた場合の対処法

「正式に正社員採用する企業も存在するからこの手の契約時の段階で法的に取り締まるのは難しいというわけですか?となれば仮にこの手の契約を結ばされそうになった場合、具体的にどのような対処をするべきなのでしょうか?

 

「先ず試用期間後、ちゃんと正社員になっているか?自分の雇用形態を確認する。企業の中には契約社員の状態なのに、試用期間後も社員に黙ってそのまま契約社員として働かされる場合がある。だから試用期間終了後の段階でちゃんと自分は正社員採用されているかどうか確認しておかないといけない。

 

 その確認方法なんだが、試用期間後『自分の契約状況を確認したいから雇用契約書、または労働条件通知書の中身を見せて下さい』。この2つはお前がどのように会社と契約しているのか?証明する方法でもあるから、ちゃんとそこの雇用形態に正社員となっていれば、ちゃんと正社員採用されたという事で、お前の不安はようやく晴れるという事になる。

 

 ただ未だに契約社員として契約していた場合、『いつか見せる』などと言って誤魔化される可能性だってある。そしてこれ以上会社に無理強いすれば『あいつは切るか』と契約社員の立場を利用され、クビにされるリスクが出てくる。正直、この手の会社から確認する方法としては契約社員の場合、定期的に雇用契約書に捺印を押させる事があるから、その時の雇用契約書を確認して『自分はちゃんとした契約で仕事をしている』と確認するしかないだろうな」

 

「断れない立場を逆手にとって不利な雇用契約を結ばせる悪法ですか。そして国に訴えても違法性を証明する事は難しいし、更に証明できたとしても多額の賠償金は見込めない。無論、そんな企業、ネットで極力酷さを書いて去りますけど、契約社員からの転職って正社員と比べれば厳しいモノでしょうし、恐らくそれで良い職が手に入らないなど悲惨な目に遭う人もいるでしょう。正直、納得いく形で終わらないってのが納得いきませんね」

 

「確かにな、お前が応募した求人票を見る限り、ちゃんと試用期間6ヶ月と書かれているから、正直なところ6ヶ月目にちゃんとお前の正社員として採用してくれるかどうか分からないから、正直、神に祈るしかないかな」

 

 

正社員として採用する企業か見分ける方法

正社員として採用する企業か見分ける方法

 

「では先輩、ウチを採用してくれた会社がその後も正社員採用してくれなかった場合、具体的にどのように対処すれば良いのでしょうか?」

 

「先ずは最初の半年間は様子を見る。どの企業も最初のうちはちゃんとした社員か確認する為に試用期間を設けるから、3か月後か半年いないに雇用契約の見直しの話が来なければ打診して、誤魔化されたら用心した方が良い。

 

 仮に1年経っても契約更新の話がなく、雇用契約を確認させてくれ、なんて言っても何にも音沙汰なしであれば、転職はいつでも出来るようにしておいた方が良い」

 

「しかし先輩、いまだ試用期間中の身である為、出来る事ならこのまま働き続けたいと思っているのですが、そんな周辺の人に気づかれず、かつ転職の準備ってどんな事をすれば良いのですか?」

 

転職の口コミサイトを利用してみるのも良いかもな。例えば転職会議の場合、退職した人達の会社の情報を書き込んでいる。退職した理由や不満、また風通しが良いなど企業内部の情報が書き込まれている。だから俺達が心配している試用期間後もずっと契約社員のままだった場合、その手の不満材料も載っているはずだから、良い企業を見つけるという意味で利用してみるのも良い。

 

 この手の口コミサイトって、閲覧している企業の近くに『現在の求人状況』って載せて、それにお前が応募して始めて転職活動が開始されるから、転職エージェントのような就業中に電話されるなんて心配はない。だから内密にかつ、周辺に迷惑が掛からない形で転職活動の一歩手前の活動が出来る。

 

 また今回の場合、今の会社の待遇を調べる上でも役立つかもな。仮に試用期間を経てもずっと契約社員のままではない、なんてなっていても『社長がワンマン経営で社員は振り回されている』『規模の拡大に伴い中間管理職の人員が足りず、下の人間は何の予告もなしに派遣させられ、サポートも得られずに働かされる』など会社の方針や組織運営の不備などが見えてくる事がある。正社員昇格の心配より、別の問題を心配するべきだった話なんてあるかもしれないから、この会社を信用すべきかどうか、それを知る上でも口コミサイトでも利用して、見識を広げてみるのも良いかもしれないな」

 

 

 

 

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