子供の就活を成功させた親の話

 

「いつまで経ってもウチの子は内定が取れない」

「子供が中小企業に就職しようとしている」

「子供の就活が心配でたまらない」

 

 など子供の就活の行方が分からない為、どう子供の就活に関わっていけば良いのか分からないと悩んでいる親は大勢いると思います。世の中には子供の為にと思ってアドバイスしても逆に足を引っ張ったりして、自分が就活していた頃との現状が違い、なかなかうまくアドバイスする事が出来ない人もいるかと思われます。

 

 子供の為に何が出来るのか?またどのようにしたら子供を大手などの優良企業に就職させる事が出来るのか?ここでは実際に就職活動中のお子さんを持つ2人の親の視点でどうやれば子供を大手などの優良企業に就職させる事が出来るのかについて説明しております。

 

スポンサーリンク
スポンサーリンク

子供の就活の足を引っ張ってしまう親の例

 

「どうしてウチの息子は内定が取れないの?」

 

 と目の前で知り合いのママ友が嘆いている。どうやらお子さんが大手の選考に次々に落ちてしまい、今では新しい志望先を見つけないといけない状態になっている。しかし志望先を巡っては子供と対立し、今では口をきいてくれない状態になっている。『子供の事を思って行ってあげているのに何でウチの子はあたしの言う事を聞いてくれないの?』と嘆いている。ママ友だし、同じ就活で苦労するお子さんを持つ仲間、助け舟を出そうと思い、とりあえずどんな風に就活のアドバイスをしているのか聞いてみる事にした。そして結論として

 

「そんなんじゃ受かるわけないじゃん!!それならお子さんから拒否されても仕方がない

 

「え?どうしてよ?ウチの子なんて学生時代に所属していたサッカー部大した活躍していないのにあたかも自分が活躍したかのように言っていたのよ。もう嘘をついて頑張っている事に腹が立って、書き直すように言っただけよ。それが何処がいけないのよ?」

 

「じゃあ、訊くけど、息子さんの経験で会社に受かりそうな経験って他に思いつくのある?あなたのアドバイスを訊く限り、ダメ出しばかりでお子さんからしたら『そんな社会から評価される経験をしているわけじゃないのだから、受かるわけないじゃないか!!』と言い返して来るに決まっているでしょ?」

 

「じゃあ、あなたのお子さんは一体どんな風に立派な事を言っていたのよ?」

『私は学生時代、居酒屋のアルバイトをしておりました。当時、東京オリンピックの開催に向け、東京都の条例改正により、喫煙愛好家のお客様お店に呼べないという問題が発生しました。従来のお客様を失い、新規のお客様を獲得する必要があった為、バイト先の居酒屋では外国人観光客を新しいお客様を呼び込む方針を立てました。私自身、居酒屋は日本文化の1つである為、日本料理や日本酒の魅力についてお客様に外国語で説明出来るようにパンフレットの作成を行いました。そして外国人がよく利用する世界共通のwi-fi端末も利用出来るようにする為、wi-fi通信のインフラを整えるようにも致しました。結果、クチコミで店の事が広がり、来客するお客様が増え、一時期、1日100人程度の来客数だったのが1日300人以上の来店客が来るようになりました。私自身、必要とされるビジネスを展開する御社のスタイルに魅力を感じ、先を見据えた取り組みが出来る社会人になりたく、この度御社を志望いたしました』

 

 とこんな風に今はアピールしているかな」

 

「立派じゃない!!今はコロナとかの影響はあるけど、こんな風に言えるのなら何処からも内定が取れるでしょうに。ほんとウチの子と比べ立派だわ」

 

「・・・あのね、ネタばらしするけど、これって全部嘘よ」

 

「え!?全部嘘なの!!」

 

「そうよ、確かにバイト先で東京都が定めた東京都受動喫煙防止条例という条例で喫煙家のお客様が呼べなくなったけど、外国人観光客を呼び込む国の方針に従って運営方針を店長が変えようと言い出したよ。息子はそれに合わせただけ。実際、外国人観光客が呼び込めるように提案したのは当時、そのバイト先と契約していたソフトバンクかNTTドコモの営業の社員で、外国人観光客を呼び込む為に必要なパンフレットや店舗インフラもその人が用意したものよ」

 

「ちょっと、それじゃあ、お宅の息子さんが思いついて頑張った事じゃないじゃない!!いったいどうしてそんな事をするの!!」

 

「だって日本の就活ってわずか数十分程度の面接時間で採用するかどうか決めるのよ。つまり真偽を判断するにはとてもじゃないけど時間が足りないし、実際、響きの良いアピールをした就活生が採用される形になっているのよ」

 

「そんなのズルじゃん!!」

 

「ズルでもそういう人が採用される時代なの。実際、選挙を見ても分かるでしょ。選挙で選ばれるのは経験のある人、自分にとってプラスになる事を言う人、ちょっと昔の話になるけど『最低でも県外』『高校授業料無償化』なんて響きの良い言葉を言って日本の首相になった人だっているのよ。不幸な事にこの世の中にはそんな心に響きそうな人を選ぶ人が大勢いるし、あなたの言っている事は確かに正しいけど、大手に受からないやり方ね。あなたの息子さんはそれでは勝てないと分かって反抗しているのではないかと思っているの」

 

「・・・でもそんな事をして良いの?」

 

「逆に私自身、そういう人じゃないと受からないと思うの。ビジネスって結局金稼ぎ、気に入らないお客様でも『これは良いですよ』と本心でもない形で仕事を進めないといけない形になっているし、思った事を直ぐ口にする人って逆に信用出来ないでしょ?」

 

「・・・そりゃあ、そうかもしれないけど、でもそれじゃあ、息子さん、就職した後に嘘つきって総スカン食らっているでしょ?」

 

「いいえ、逆に仕事が出来るって評判よ」

 

「なんでよ!?」

 

「分かりやすく言うと、結局、嘘でも仕事で結果を出せば良い。就活って恐ろしい事に学生時代にどんな結果を出したかというより、就職した後、どんな風に結果を出せば良いのか知っている人を採用したくなるのよ。

 

 実際、ウチの子なんて面接では

『御社の取引先の多くは居酒屋などの飲食店だと思われます。私自身、実際に居酒屋でアルバイトを経験しており、更に居酒屋に来店してきた営業マンの方がどんな風に提案しているのか何度も目の当たりしております。その辺の経験を生かして御社の仕事に貢献したいです』

 と言って、アピールしているわよ。こういうアピールすると『ああ、この子は居酒屋での運営方法知っているし、ライバル店の提案の仕方を知っているんだな』と現場の知識をある程度心得ていると見てくれて、さっき言った内容の真偽なんてどうでもよいでしょ?」

 

「・・・」

 

「おまけにあなたが子供にしている事を聞いて気になる事があったけど、今の時代、親が子供の就活を助けているだけで不採用にされるって知ってる?」

 

親が関わっているだけ子供を不採用にする時代

kuraidennwa

 

「え?どうしてよ?親が子供の就活を助けるのは当たり前じゃん」

 

「それって金銭的なサポートとか、社会人になる為に必要なサポートとかに限っての話ね。でもね、志望先やら、アピールする内容とか、きめ細かに説明していると、そういう子供って親がいないと何も決められない人なのでは?って思われて警戒心を抱かれてしまうのよ。

 

 実際、そういう人を採用して、例えば転勤する話をした際は『親と相談して決めます』など言ってきて、人事部も困るわけよ。それでもし親が転勤に反対したらどうするつもりなのか?と聞くと『親の言うとおりにします』みたいな結論になって、判断は遅いし、そして中には親が転勤に反対して転職する人もいるから『親の干渉が高いと業務に支障が出るから、就活でも親が手伝っている人がいたら、別の人を採用して』みたいな雰囲気になっているのよ」

 

「でも親が関わっている事なんて人事部が分かるわけないわよ

 

「それがそうでもないのよ。例えばあなたの息子のエントリーシートを見てよ。学生時代に頑張った事に簿記の資格試験って書かれているけど、アルバイトの経験はないでしょ?」

 

「それがどうしたのよ?」

 

「つまり面接官は『どうしてこの子は簿記の塾に通っているのに、アルバイトをせずに学費を払う事が出来たのか?』とそんな目で見てくるわけよ。となれば当然、資金元は親が出してくれているのが分かり、親の干渉具合を確かめてくる。実際、親の中には『簿記は就活で有利になるから受けておきなさい』と言って取得する意味を分からないまま取得させるから、就職した後も簿記の活かし方が分からずに終わる子供だっているの。そういう人って教育に手間がかかるから、面接では『何故簿記の勉強をしようと思ったの?』と聞いてきて、就職後の簿記の使い方を心得ているか確かめてくるわけだから、それに答えられないとアウトよ」

 

「そんなの会社のお金の流れを知るのに便利だと思いました。って言えばいいじゃない」

 

「そんな一言で終わらせちゃ、考えが浅いって思われてるわ。そもそも簿記って銀行や証券などの資金的なサポートを行う企業に向いているけど、そこまで金融リテラシーをお子さんは持ってる?じゃなきゃ、ただ時間があったから取っただけの学生と同じだし、本格的に簿記の知識を活用したいのであれば専門家を雇って終わりになるから、どんな風に志望先の仕事で簿記の知識が役立てるのか?具体的に言わないと評価されないわよ」

 

「ちょっと、確かに見栄の為に子供のやる事なす事口にする事はダメと思うけど、でもそもそも何で企業は親が子供の仕事に関わる事を極端に嫌うわけ?

 

「嘘も方便という言葉があるからよ。企業って誠実経営を謳っているけど、でも一番優先するべき点は収益があるかどうか、だから企業の中にはそれほど魅力的ではない商品をあたかも魅力的に宣伝したり、またはグレーな方法で商売をしたりするから部外者がそんな事をしている事がバレたら、会社の信用問題に関わるわけでしょ?」

 

「でもそれってその企業が悪いんじゃ?」

 

「でもあなたのお子さんは機密漏えいの疑いで面接では印象が悪くなるし、実際、面接って些細な言動で不採用になったりするから親の影が見えるだけで危険視される事になるのよ。あなただって親が就活で関与していると不利になるって知った今、企業に黙って子供の意思で簿記の勉強をした。とそんな風にアピールしろって言うでしょ?」

 

「・・・で、でもぉ」

 

「それに今、業務のIT化が進んでいるし、新商品の開発だって行っているところだってあるのよ。もしあなたが当たり前のように子供の仕事にも口をはさめると思っているのであれば、向こうからすればインサイダー取引に触れるかもしれないと警戒するでしょうね。だからあなたは不服かもしれないけど、子供の就活を成功させる為には親の影を感じさせる部分は徹底して排除した方が良いのよ」

 

「・・・じゃあ、とりあえずそのESの内容は書き直すわ」

 

「・・・あなたの話を聞いて気になったんだけど、以前息子さん『あなたはこの面接官会場までどうやって来たの?』って質問されたみたいね。それって何で質問されたか分かる?」

 

「え?勤務地から自宅に近いかどうかを確かめる為なんじゃないの?」

 

「違うわよ。その就活生が自分の足で来たかどうかを確かめる為よ先のエントリーシートで塾に通っているのにアルバイトをしていない所を見ると親が多額の金を援助するほど干渉的な部分があると見ている。そして親の中には車で面接会場まで送り届ける人もいるから、面接会場に来るまでの道順を覚えていないと親が背景にいるって思われるの。だから面接での質問対策も徹底する必要があるわ」

 

「・・・そこまで親の干渉を気にかける面接官がいるの?」

 

「さっきも言ったけど、やはり会社の機密情報を外部に漏らさないという意味では親の命令ばかり従う子供ではない方が良いと思っている。だから親の力を借りず、極力自分の力で難関を突破したと思えるようなアピールが、子供の内定を取る上で不可欠な要素となるの。

 

 だから就活で本当に大手に受かりたいのであれば、やっぱり志望先の仕事はどんな風に結果を出せば良いのか?そのノウハウを如何に心得ているかどうかアピール出来るようにする事が大事なの。だから子供の事を思って取り組みたいのであれば、仕事で活躍している人の情報を集めるのが大事なのよ」

 

子供の就活を助ける事が出来る親の例

 

「じゃあ、あなたはどんな風にそんな情報を集めたわけ?」

 

「ネットでそれなりの人達からアドバイスをもらったわよ。例えばスキルシェアサービスのココナラを私は利用していたんだけど、そこにはESの添削や実際に大手で面接官を担当していた人達がいるから、その人達と相談したりしたわよ」

 

 とスマホを取り出して、そのWebサイトを見せてくれる。確かに見る限り、リクルートで面接官を担当した事がある。ESを1万件も見てきたと豪語する人もいる。しかし

 

「しかしそれって自己申告でしょ?怪しくないの?」

 

「まぁ、こういうモノって詐欺師のような人がいるのは確かよ。でも本物もいるし、さっきも言ったけど私としては子供が成果を出せるのであればアドバイスする人が誰であろうと関係ないし、逆に本物でもダメな提案する人はお断りだから、やっぱりこういうのは迷っていると何も出来ないし、子供の為にも親が苦労した方が良いでしょ?」

 

「それで実際にどんなアドバイスを貰ったのよ?」

 

「例えば、食品業界を志望していた時に書いてもらったESの添削内容なんだけど

食品業界の場合:

食品業界は志望先の食品メーカーが開発した食品をコンビニやスーパーに置いてもらうよう頑張っている仕事です。その為、卸売り先の責任者を説得させる為に食品の栄養面を強調して『健康意識の高いご高齢のお客様に向け、こんなレシピがあります』と提案し商品を置いて貰えるような人材を大手食品メーカーは求めております。更にその提案内容を元に高齢者の需要に合わせ、食べやすくする食材を開発したり、また人々の食生活で求められる情報を上に報告出来るスキルも食品業界は求めておりますので、それをアピールするべきです。

その為、お子さんがアピールするべき点は食品に関する知識、そして市場を調べる事が出来るマーケティング能力、そして責任者と話す事が出来る交渉術やプレゼンテーション能力となります。私が知っている食品業界に受かる学生というのは学生時代のサークル活動で調査、プレゼンテーション、企画などを練った経験がある人なので、もしお子さんにその経験があるのでしたら、それを強調したアピールをしてみてください。

 

 とこんなアドバイスを頂いたわ。恥ずかしい話だけど、私、食品業界って『御社の食品を毎日食べています』なんて食べる事が好き、御社の商品を利用している、なんてアピールすれば十分って思っていたのよ。でもそれって誰でも思いつきそうな事だからダメと言われちゃって、もし受かりたいのであれば『例えばスーパーの責任者に向かって、ウチの商品をこういう風に置いてもらえばお客さんに喜んでもらえます』と提案出来そうな交渉術がある雰囲気を面接で出せた方が良い。と言われたの。その結果が上記の内容。やっぱりプロに相談すると何を提案すれば良いのか分かるから、これ以降、息子もあたしの言う事に耳を傾けるようになったの」

 

「なるほど」

 

「でも私個人としてお金に強くなって欲しかったから金融業界を志望する際のアピールの仕方を教えてほしいとお願いしたよ。そして以下のような返事が来たわ。

金融業界(銀行)の場合:

銀行員の業務はお金を企業に融資して、その利子から利益を取るビジネスを行っています。その為、銀行員は企業にお金を貸すだけでなく、ちゃんと返済出来るかどうも判断出来る様にならないといけません。その為、銀行員の業務として①融資を欲している企業を見つける。②融資額や企業価値などを審査。③その審査内容を銀行に提出し、承認を貰えるよう説得する。の3ステップが必要です。それ故、数字に強く、更に経営の行方について判断出来る力が求められますので、面接では経営や簿記などの資金管理のスキルをアピールするべきです。

また金融業界は信用第一ですので誠実さが求められます。その為、自己PRは誠実に一生懸命取り組んだ経験を述べてください。

また志望動機についてですが、本来であれば各銀行ごとの違いを説明して『御行が一番です』と言えれば良いのですが、銀行の場合、他行が新しい事をして成功すれば他が追従して行う為、正直、三菱東京UFJ、三井住友、みずほ銀行などの大手メガバンクと比べても違いが私自身、未だに見いだせないでおります。

その為、志望動機を魅力的にさせる方法として『○○さんに頼もうよ』と指名してもらえるほどの銀行マンになりたい。とアピールするべきだと思っております。なぜなら他行の差別化が出来ない以上、個別の魅力で勝負するスタイルを銀行は行っております。他行より信頼される銀行マンになる為にどこまで誠実に仕事を行い、どこまでお客様の要望に応えていくのか?、それが問われる仕事を銀行では行っており、それを考えられる人が採用候補となります。その為、ボランティア活動などで人の為に頑張った経験、そして感謝された経験を述べ、人から感謝されるような人になりたい、とアピール出来るような経験があればそれをアピールするべきだと思っております。

 

 とこんな風に説明してくれたわ。銀行の内部事情は知らなかったけど、志望先の仕事を踏まえた上で求められる人物像を説明してくれると、ほんと『なぜ』このようにアピールしないといけないのか推測がつくのよ。

 

 だからプロの人の意見を聞いて、子供にどのようにアピールすれば内定が取りやすくなるのか?その辺のアイデアを集める事が親がすべき事だと思うの。子供って学校に行っているから社会の厳しさ知らないでしょ?でも私の場合、専業主婦だから、今の社会の厳しさが分からないという意味では同じで説得力がないのよ。だから子供を説得させる方法として『プロの人がこんな風に言っていたわよ』と言うようにする事が大事だと思うの」

 

「なるほど。じゃあ、ちょっとネットなどでプロの人の意見が訊ける就活サポートビジネスを探してみるわ。私自身、子供の幸せの為にも大手には入ってほしいし、その為にも頑張るのが親だもの、いくらでも頑張ってやるわ」