「長所・短所の書き方が分からない」
「短所を聞かれた際の答え方ってどんな例がある?」
「何故、就活では短所を聞くのか?」
など就活では履歴書やエントリーシートの欄に『あなたの長所・短所を答えてください』という質問があります。
本来であれば自分の悪い部分をさらけ出さず、難なく過ごせれば、と思いますが、就活では就活生の悪い部分を見つけて、追及してくる事がある為、この手の質問に頭を抱える人はいると思います。
『短所について訊かれた場合、どのように答えれば評価されるのか?』
この疑問に答える為、ここでは実際に短所の答え方が分からず苦戦している就活生が、大手の面接官を経験した事がある先輩、2人の会話形式で、短所の答え方について説明したいと思います。
就活で『短所』について答えられず苦戦する就活生
『あなたの短所について教えてください』
またこれか。俺は一番苦手な質問がまた大手のESに載っている事にイライラしていた。俺は学歴はそんなに高くなく、だからこそ大手に就職する為には何の悪い部分を見せずにやり過ごす事が唯一の手だと思っていた。
しかし就活ではなぜか自分の短所について訊いてくる質問が多く、俺はこの質問に答えられるようにならなければ、内定が取れないと思っていた。その為、俺個人として短所を訊かれ場合の対策を練って、その取り組みの結果、どうなったのか述べておきたい。
短所対策によくある『短所を長所に言い表す言い方』を実践。
その為、俺は1つの対策として『短所をどちらかと言えば長所とも言えるアピール方法』を実践してみる事にした。分かりやすく言うなら『自我が強い』を『リーダーシップがある』とか『楽観的』を『ポジティブ』と言うなど、短所を長所にも言えるように持っていく話だ。
確かにこれなら短所について訊かれても話の後半で長所としてアピールする事が出来る。だから俺は当初、これで勝負しようと思っていた。しかし
『君の、この短所、短所と本当に言い切れるの?』
と面接官から指摘される。要は『自我が強い』ではなく、率直にリーダーシップと言い表すべきだったんじゃないのか?使う言葉が不適切さを指摘されたのである。実際、就活生が良くやっている事として長所を悪いように言い表し、短所をアピールする人がいる。その為、面接官は選ぶ言葉が間違っているのではないか?と指摘され、そして短所は言葉の選定力、または質問に答える力がなっていないなどそんな雰囲気に持っていくのだ。
短所対策で人気の『優柔不断』を実践
このような指摘をされた為、次にとったのは短所を『優柔不断』にする方法だ。この優柔不断を選んだ理由はどの失敗体験でも使え、当たり障りのない短所だからだ。
前回、短所の妥当性について確認された為、ならどんな失敗談でも使える短所が良いと思い、優柔不断にした。例えばガクチカでバイトの話をする場合、『何をすれば良いのか分からず覚える事が大変でした』と書いていれば『判断に時間がかかり優柔不断』と言えて、ガクチカの結論に書いている打開策へと結ぶ事が出来る。
優柔不断のメリットはどんな問題でも結び付けやすく、ガクチカや自己PRでアピールする内容に結び付けやすい点だ。実際、俺はこれで『判断に時間がかかりましたが、先輩方から色々と訊いて、問題を乗り越えました』とコミュニケーション能力の高さや協調性へと結び付けてアピールした。まぁ、それが正解なのかは分からないが悪い雰囲気はなかった為、及第点なのだろう。だから短所について訊かれた場合、優柔不断と答えようと俺は考えていた。
しかし面接官の中にはこんな質問をしてくる人がいる。
『他に失敗した経験なんてない?』
と、これは俺の推測だが、同じエピソードでつまらないから、他の失敗したエピソードをあげて、どう解決したのか教えてくれ、と訊いてくるのだろう。確かにガクチカや自己PRと同じだと二番煎じとなり、つまらない。
更に優柔不断だけにとどまらず、短所をアピールする以上、自分の人生において大半がその短所で悩んだのかどうか見てくる為、『他に何かその短所で苦労した経験がある?』と訊ける。要は失敗のネタをたくさん用意した方が良いという事だ。
『短所はありません』と返事する
とこのように考える事が多すぎて、思い切って『短所などありません』と言ってみた。無論、これはESの質問にはなく、面接で訊かれた場合の対処法だが、もうどうにでもなれ、と思い、試しに短所がない事をアピールしてみた。すると
『では仮にお客さんから値引き交渉された場合、どんな風に乗り越える?』
と質問してくる。他にも
『日本企業は今後どのようなビジネスを展開するべきだと思う?』
など営業のテクニックや企業戦略について質問され、こちらのビジネスセンスについて確かめる質問をされる。要は短所はないと言ったのだから、今後のビジネスにおいてもちゃんと考えて行動できるよね?と面接にて証明してくるのである。そして答えられなければ自分の未熟さが露呈し、短所はあるよね?と指摘されてしまう。
だから『短所はありません』と言ってしまうとSDGsや不景気など、恐らく答えがない社会課題について質問され、その反応が見られる事になる事になる。だから『短所はない』なんて一番答えてはいけない短所対策なのかもしれない。
就活で短所をアピールする難しさ
このように就活で短所をアピールする為には、悪い印象を与えない他の対策として
① 短所の選定の妥当性
② ガクチカ、自己PR以外の失敗談を用意
もする必要がある。
正直、もう考えるのが面倒になったので、俺は大手に就職し、かつ面接官の経験がある先輩社員とコンタクトを取り、そして短所をアピールするべきコツについて教えてもらおうと会う事にした。
就活で短所をアピールする上で意識すべき事
「というわけで先輩、色々と短所の答え方について考えたのですが、正直、どのように答えれば大手から内定を取れるのかイメージがつきません。一体どのように短所をアピールすれば内定を取る事が出来るのか?面接官の経験者として何かしらアドバイスを下さい」
「短所の答え方についてだが、企業側がなぜ短所について訊いてくるのか?、これを理解しないと答え方が見えてこない。だから短所を訊いてくる理由について説明しよう。
なぜ面接官は短所について訊いてくるのか?
俺の会社では短所について確認する理由として
① その就活生が物事の悪い部分を正しく判断出来るか?
② その悪い部分をどのように解決すれば良いのか判断出来るか?
③ その解決策について上司や部下を説得する事が出来るか?
この3つを見てくる」
「どうしてこの3つを見てくるのですか?」
「分かりやすく言うと、世の中には自分の悪い部分を隠す人がいる。例えば入力ミスをしても『言わなきゃバレないだろう』と修正せずに放置する人がいる。そしてそれが耐震強度や医療器具など生命にかかわるものであれば人の命を落としかねない問題へと発生する為、ちゃんと自分の非を認められる力がないと社会で生き残っていけない。
他にも他人からの批判を認めない人もいる。例えば俺の勤め先に『部下が言う事を訊かねぇ』と人事部に『クビにしてくれ』と頼み込んだ人がいたんだ。しかし話を聞いてみると営業の際、自分のやり方ばかり押し付けて、それ以外のやり方は認めない方針を取っていた事が分かった。その結果、部下はそのやり方が合わず、自分で成果をあげる為に編み出した方法を実践した結果、上司がそれが気に入らず『言う事をきかない部下』と非難したらしい。
ちなみにどんな違いかと言うと、上司が商品の魅力を全面的にアピールする方法だったのに対し、部下は相手の話を聞いて一言二言、返事して提案するというアプローチの仕方の違いだった。
だから上司は『そんな言葉足らずで契約なんて取れるわけないだろ!』と言って、自分のやり方を強要してきて、結果、パワハラに該当するとしてその上司は子会社に送られた。要は自分の成功体験に対し、それ以外を認めない姿勢に出たせいで不評を買ったケースだな」
「なるほど自分の非が見えない、または認めない人は社会の雰囲気を壊して、何かしらのトラブルに発展するリスクがあるわけなんですね」
「ああ、そして短所を述べられるという事は人から信用を得る事にもつながる。例えば俺の会社の取引先は高い確率で『なるほどメリットについて分かりました。ではデメリットは?』など必ず短所について訊いてくる。
ビジネスというのは信用が第一だ。だから大抵は悪い部分を見せずに良い部分ばかりを強調してくるけど、相手の力量を図る為にも『では悪い部分は何なのか?』『そしてその悪い部分を克服する方法としてどんな事を考えているのか?』などあらゆる問題に想定しているか確かめてくる事が多い。
そしてそれは就活でも同じだ。自分の悪い部分を極力隠し、そして良い部分ばかりを強調する。これだと自分の悪い部分を判断しつつ、そして克服する事が出来るのか見えない。故に自分の短所につて確認し、それをちゃんと確認できるのか?それを見ているんだ」
就活で短所をアピールし内定を取る就活生とは?
「なるほど、要は自分の悪い部分を認識してちゃんと改善しているか?それを就活で見てくるわけなんですね。となりますと短所のアピールの仕方というのは、短所を隠すというより、持っている短所を如何に克服したのか、そのリカバリー力を言わないといけないわけなんですね」
「その通りだ。正に企業が求める人材は間違いを認め、そして改善出来る人かどうか、それが分かる人が就活では有利になっていく」
「となりますとどんな短所をアピールし、そしてどんな風にアピールすれば良いのでしょうか?」
「俺なりに一覧を用意したから、それを参考にアピールの仕方を見れば良い」
就活の短所の一覧
短所 | 言い換え方 | アピールのポイント |
優柔不断 | 「ハイパフォーマーの方を参考に相談しております」 | 自分で判断する力が弱い為、その仕事が出来る人に聞きながら、弱点を克服している。と強調した方が良い。 |
せっかち | 「行動に移す前に一呼吸してから取り組むようにしております」 | 物事深く考えずに行動してしまう問題を解決する為に、行動する前に考える癖をつける、または自分の行動を見返すなど自分の習慣を直そうとする姿勢を見せた方が良い。 |
心配性 | 「先輩方が去年、大変苦労したた為、その対策を徹底しました」 | 心配性の場合、リスク管理能力をアピール出来れば、あらゆる問題に対し想定できる力があると見てくれる可能性がある為、様々なリスクを取り除いた経験があれば良い。 |
緊張しやすい | 「場数を踏んで自信をつけております」 | 精神的な不安定さというのは場数や成功体験を踏んでいけば治っていく部分がある。その為、何度も挑戦し、成果をあげた例があれば良い。 |
めんどくさがり | 「基本、他の人でも出来る仕事は他人に振り分けております。そして手が空いた場合、こんな事をしておりました」 | めんどくさがりの短所をアピールする場合、「面倒なので作業効率をこうあげました」「簡単な仕事は他の人に振り分けました」など言い、手が空いた分、別の事に挑戦した話が出来れば良い。 |
視野が狭い | 「○○という新しい事に挑戦したのですが、自分にはこんな部分で至らない事があり、その為、以後はこんな事をしています」 | 視野の狭さをアピールする場合、新しい事に挑戦し失敗した原因、または苦労した経験があれば良い。そして自分の考えの足らなさで苦戦した事を述べ、まともな対策をした事を述べられれば良い。 |
忘れやすい | 「メモ帳を常備しております」 | 忘れやすいのであれば記録する癖をつける。という風にアピール出来れば良い。 |
とこんな感じかな」
「いや~、先輩、助かります。どんな風にアピールすれば良いのか迷っていた為、こんな風に一覧にしてくれると助かります。ありがとうございます」
「短所をアピールする場合、その短所に紐づける経験があれば良いと思っている。例えばバイト経験がある場合、実力のある人を参考に頑張ったのであれば『優柔不断』『視野が狭い』など言い張れる。俺自身、就活の際は自分の経験に基づいてアピールする短所を決めたよ」
「ちなみに先輩、仮にあんま大した経験がない場合、どんな風にアピールすれば良いのでしょうか?」
「もし俺に何の経験もなくて、かつ面接官から『短所はなに?』なんて訊かれたら、
「視野の狭さですね。私は今まで大学で勉強だけしていればいいや、とそんな気持ちだったのですが、就活を行い、企業側が求める人材が見えるようになってくると『俺は大学時代何をやっていたんだ?』と努力を怠っていた事を悔いるようになりました。その為、私はこんな風に改善していく予定です」
と学生気分から抜け出し、その抜け出し方として『御社の仕事は・・』と志望動機に繋げたり、またはガクチカではこんな努力をしました、と繋げていくかな。
ESが提出済み短所を修正出来ない場合の対処法
「先輩、色々と使える短所の言い回しありがとうございます。ただ今、思ったのですが、私、もうESを提出済みで短所の内容を変える事が出来ないのですが、この場合、何か対策なんてありますか?」
「まぁ、面接官と話しているうちに自分のアピールの仕方に問題がある、というのは良くある話だ。だからこの場合、

就活で面接官と話しているうちに、アピールするべき部分が明確になりました。ですのでちょっとアピールの仕方を変えさせてください。
と正直にアピールできれば問題は無い。そもそも端子の部分をアピールするのだから、自分の非を素直に認められる部分を出した方が逆に良いのかもしれん。
志望先ごとにアピールする短所を変えていく
と他にも短所のアピールって志望先毎に向き不向きがあって、業界毎に短所のアピールの仕方を変えてみた方が良いと思うぞ」
「例えばどんなのがありますか?」
「例えばIT業界の場合、人の仕事をITが代わりに出来るようにするわけだから『作業効率を上げる為に機械化しました』と作業が面倒くさいと思っている人がある意味向いている。だから短所でめんどくさがり屋をアピールし、しかし『作業負担を減らす為、色々と頑張ったので自分は作業を効率的にしていく仕事が向いているのでは?と思い、IT業界を志望しております』なんて言える」
「なるほど」
「他にも不動産業界やインフラ業界の場合、現場を見たり、更に1つのミスで大惨事を招く業界の場合、責任感や徹底力が問われる。だからアピールすべき短所として『細かい』なんてアピールする人がいる。要はインフラの隅々まで見渡す、お客様の要望を細かく聞くなどの仕事ぶりが求められる。
だからもし短所についてアピールしたいのであれば
① 自分の悪い部分を見出し、改善出来る事をアピールする
② 自分のガクチカや志望先毎にアピールするべき短所をここ得る事
この2点を意識してアピール内容を練った方が良いと思うぞ」