
「やっと就職したのに、もう辞めたいって言ってる…」「転職を考えているみたいだけど、また失敗しないか心配で眠れない」――そんな思いを抱えている親御さんは、決して少なくありません。せっかく長い就活を乗り越えたお子さんが苦しんでいる姿を見るのは、親として本当につらいものです。このページでは、同じ失敗を繰り返さないために親御さんが今日からできることを、具体的にお伝えします。
お子さんが「会社を間違えた」と感じるのは珍しくない

入社からわずか半年で「もう辞めたい」と打ち明けてくるお子さんが増えています。第二新卒(入社後3年以内に退職した若者)向けの転職支援の現場では、毎年多くの若者が「最初の会社選びを間違えた」という悩みを抱えて相談に来ます。
親御さんからすれば「もう少し頑張れないの?」「せっかく大手に入れたのに」と思うかもしれません。でも実は、お子さんが辞めたいと感じること自体は、意志が弱いからでも、甘えているからでもありません。会社と本人のミスマッチが原因であることがほとんどです。
大切なのは、「なぜミスマッチが起きたのか」を親子で正しく理解し、次の選択で同じ失敗を繰り返さないようにすることです。
会社選びを間違えてしまうお子さんに多い共通パターン

転職支援の現場で多く見られる「会社選びを間違えてしまう」お子さんには、いくつかの共通したパターンがあります。親御さんが把握しておくと、サポートのヒントになります。
パターン①「憧れ・知名度」だけで会社を選んでしまった
ある転職希望者は「大好きな鉄道会社に入れて最高に嬉しかった」と話していました。しかし鉄道業界は体育会系の社風が強く、飲み会・関連部署との交流会が非常に多い職場です。さらに1分1秒のミスも許されないプレッシャーの中で、日々乗客対応もこなさなければなりません。「鉄道が好き」という気持ちと、「鉄道会社で実際に働く」ことは別物だったのです。
「憧れ」「給料」「安定性」「知名度」だけを基準に就職先を選ぶと、入社後にこのようなギャップが生まれやすくなります。業界の実態を知らないまま入社してしまうのが、早期退職の大きな原因のひとつです。
パターン②「嫌なことがない場所」を探すだけで転職先を決めてしまう
一度会社を辞めて転職を考えるとき、「前の職場で嫌だったこと」を軸に次の会社を探してしまうお子さんがいます。「体育会系が嫌だった」→「じゃあ個人プレーができる会社を」という発想です。
しかしこれだと、次の職場で「今度はノルマがきつい」「孤独で相談できない」という新たな問題が出てきます。「嫌なことを避ける」だけの転職は、問題が変わるだけで根本的な解決になりません。転職支援の現場でも、このパターンで2回・3回と転職を繰り返してしまう若者は少なくないのが実情です。
パターン③「自分がどんな仕事をしたいか」を言語化できていない
転職エージェントが「具体的にどんな職場を求めていますか?」と聞いても、「前みたいな体育会系でなければ」としか答えられない若者がいます。やりたいことが曖昧なまま就職・転職活動をすると、紹介される仕事も的外れなものになりやすく、結果として「また失敗した」という悪循環に陥ってしまいます。
これはお子さんの責任だけではありません。日本の学校教育では「働き方」や「キャリア設計」についてほとんど教わらないため、いざ社会に出たときに自分のやりたいことを言語化できない若者が多いのです。
お子さんへの声のかけ方(NGワード→OKワードの対比)
❌ 親御さんがつい言ってしまいがちなNGワード
- 「せっかく入れた会社なのに、なんで辞めるの?」
- 「もう少し頑張れないの?根性が足りない」
- 「転職なんて失敗するに決まってる」
- 「あなたが会社をよく調べなかったのが悪い」
- 「また転職したら履歴書が汚れるよ」
✅ お子さんの心に届くOKワード
- 「それはつらかったね。話してくれてありがとう」
- 「何が一番しんどかった?ゆっくり聞かせて」
- 「次はどんな仕事が向いてると思う?一緒に考えようか」
- 「辞めることが正解かどうかより、あなたが元気でいることが大事」
- 「一度立ち止まって、自分に合う仕事を探し直すのは悪いことじゃないよ」
お子さんが「辞めたい」「失敗した」と打ち明けてくれたとき、それは親御さんを信頼しているサインでもあります。まずは気持ちを受け止め、責めずに話を聞いてあげることが、次の一歩への最大のサポートになります。
転職でも同じ失敗を繰り返さないために親御さんができること

「また転職先も間違えてしまうのでは」と心配な親御さんも多いと思います。転職支援の現場では、次の転職でも失敗してしまう人には共通の理由があります。それは「自分がどんな仕事をしたいのか、言葉にできていない」ことです。
転職エージェントは、求職者がどんな仕事をしたいかを明確に伝えられないと、条件の合う求人を機械的に紹介するしかありません。なかにはエージェント側の都合(紹介料目的)で条件の悪い企業を勧めるケースもあります。だからこそ、お子さん自身が「自分のやりたいこと・向いていること」を言語化できるよう、親御さんが対話の機会をつくってあげることがとても重要です。
難しいことではありません。「どんな瞬間に仕事が楽しいと思った?」「どんな環境なら力を発揮できると思う?」と、ご飯を食べながら自然に聞いてみるだけで十分です。
✅ 親御さんが今日からできること(チェックリスト)
お子さんが「会社を間違えた」と感じているとき、親御さんにできる行動リスト
- ☐ まず「そうか、つらかったね」と一言、気持ちを受け止める
- ☐ 原因を追及したり責めたりせず、話を最後まで聞く
- ☐ 「次はどんな仕事が向いてると思う?」と一緒に考える姿勢を見せる
- ☐ 転職エージェントの利用を検討しているなら、複数のサービスを比較するよう伝える
- ☐ 「やりたいこと」「向いていること」「生活のために必要な条件」を整理するよう促す
- ☐ 早期退職・転職を「失敗」と決めつける言葉を使わない
- ☐ 求人票の読み方や面接対策など、具体的なサポートが必要なら一緒に調べてみる
- ☐ 親自身も「完璧なアドバイス」をしようとせず、話し相手になることを優先する
よくある親の悩みQ&A
まとめ|親御さんにできる最大のサポートは「一緒に考える姿勢」
お子さんが「会社を間違えた」と感じているとき、親御さんが一番してあげられることは、責めることでも、答えを出してあげることでもなく、「一緒に考えようか」と寄り添うことです。
会社選びのミスマッチは、お子さんの努力不足でも、親御さんの育て方の失敗でもありません。日本の就活の仕組みや、業界の実態が見えにくい構造的な問題が大きく関わっています。
今のお子さんに必要なのは、失敗を責める言葉ではなく、「次はどんな仕事が向いているか、一緒に考えてみよう」という親御さんの一言かもしれません。
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子どもが「入る会社を間違えた」と言ったとき最初に見ること
子どもが入社後すぐに「入る会社を間違えた」「もう辞めたい」と言い出すと、親御さんは強い不安を感じます。せっかく内定を得たのに、ここで辞めたら経歴に傷がつくのではないかと考えるのも自然です。
ただ、この場面で最初に必要なのは、辞めさせるか、続けさせるかを親が即決することではありません。まずは、体調、労働環境、仕事内容のミスマッチ、次の選択肢を分けて確認することです。
| 子どもの状態 | 親が先に見ること | 次の動き |
|---|---|---|
| 体調不良、眠れない、涙が出る | 働き方の我慢ではなく、心身の安全を優先する状態か | 家族だけで抱えず、医療・労働・大学/公的支援など相談先を使う |
| 仕事内容が思っていたものと違う | 情報不足なのか、配属や業務との相性なのか | 何が合わないのかを具体化し、次の会社選びの軸に変える |
| 知名度や安定だけで選んだ後悔 | 企業名ではなく、働き方・仕事内容・評価制度を見ていたか | 既卒・第二新卒支援や無料相談で、選び直しの条件を整理する |
今の状態が危険かどうかの判定
- 体調悪化、極端な長時間労働、ハラスメントの訴えがある場合は、根性論で続けさせる段階ではありません。
- 「嫌だから辞めたい」だけで、何が嫌なのか言語化できていない場合は、次も同じ失敗をしやすいです。
- 辞める理由、続ける場合の条件、次に避けたい環境を分けて話せるなら、立て直しの準備に入れます。
親が今日止めるべきNG行動
- 「3年は続けなさい」と、状況を聞く前に結論を押しつける。
- 「会社を調べなかったあなたが悪い」と責めて、相談しにくい空気を作る。
- 親が転職先や退職時期を勝手に決めてしまう。
今週やる現実的な3手
- 子どもに「何が一番つらいか」「いつからか」「体調に出ているか」を短く聞き、責めずにメモする。
- 辞めたい理由を、労働環境、仕事内容、人間関係、条件、本人の準備不足に分けて整理する。
- 卒業直後・既卒・第二新卒として動く可能性があるなら、無料支援や公的相談先を確認する。