転職時に話が違うと気づいて辞めるのに直ぐ再就職出来る人の例

「転職の際、提示された条件と違っていた」

「面接時と話が違う。退職理由はどうすれば良い?」

「正社員応募したが面接の時と仕事内容が違う。辞めたい」

転職の面接で魅力的な話をしていたにもかかわらず、実際に入社してみると話が違う事に気づき、辞めるかどうか迷う人もいると思います。

事実、世の中には求人詐欺と言って、研修ありと面接時に言っておきながら、市販されている本を渡されるだけの自主学習レベルの研修だったり、育児休暇制度が充実していると言っておきながら上司が許可を出してくれないなど制度が形骸化している場合があります。

このように面接で言っていた話とは違う労働条件だった場合、今すぐ辞めてその条件に見合う企業に転職する事が理想ですが、転職してすぐ辞めると早期退職になってしまう為、転職を再開しても退職理由の説明や、今回と同じように労働条件が異なる企業にまた転職してしまうリスクなどで、どのように次の行動に移せば良いのか?分からない人がいます。

その為、結局、諦める人もいるかもしれませんが、同じような状況になっても、直ぐ自分の求める企業に転職出来る人もいます。

転職時に聞いていた内容と違う企業に転職してしまった場合、早期退職のリスクを背負わずに直ぐ転職出来る方法としてどんなモノがあるのか?

ここでは、実際に条件が異なっていたことで困惑する後輩と、労働法に精通している先輩の二人が会話形式で、約束と異なる転職先での対処法について解説しています。

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転職時に聞いた話と違う場合、辞めるべきか?

「先輩、実は最近転職したのですが、転職時には正社員採用すると言っていたのに、いざ契約内容を確認したら、最初の数ヶ月は契約社員として働いてもらうと書かれていました。

面接で聞いていた労働条件とは違うと思ったので、今すぐこの会社を辞めるべきか迷っています。

先輩ならこのような転職時に聞いていた話とは違う会社に入社してしまった場合、どのように対処しますか?

「もし転職時に聞いた話と違う場合、法的に訴える事が出来るが、その場合、証拠集めが必要になってくる。

まず転職時に聞いた話と違う点として雇用形態が最初の数か月のみ違うという部分のみで、更にその数か月が経っていない認識で良いかな?

もし仮に数か月後に契約社員から正社員へと雇用形態を変えずに働かせ続けた場合、それは「契約違反」または「不当労働行為」に該当する。

つまり現時点では違法性を訴えるのは難しいが、その数か月後に契約社員として不当に働かせ続けたのであれば、それは労働基準監督署などに相談して、雇用契約書や労働条件通知書との内容と異なる旨を話して、裁判で訴えた方が良い

日本ではこの手の試用期間後に正社員への転換を拒否された労働者が会社に契約違反として、損害賠償や未払い賃金の支払いを求めて勝訴した事例がある。

だから辞めるのであれば、ただ辞めるのではなく、不当な働かせ方をさせたとして裁判に挑んだ方が今後の転職活動で有利になるぞ。

面接時に聞いた話が違っても会社側に問題がない例

ただお前の話を聞く限り、それは企業が設けている試用期間制度で、最初の3か月程度は契約社員とて働かせる仕組みをどの企業でも設けていて、契約違反とは言い難い。

事実、雇用においては嘘をついて応募してくる人もいるから、それを見抜く上でテスト期間として辞めさせやすい契約社員として働かせる措置をどの企業でも取っている」

「ああ、先輩、その手の話は聞いた事があります。

例えば英語を話せる人を募集しているのに嘘をついて応募してきた人がいて、真偽を確かめる為、数か月は働かせた結果、ネイティブの人達とろくに話す事が出来ず、嘘だとバレ、解雇された話を聞いた事があります。

私自身、転職は初めてだったので気づかなかったのですが、面接時、正社員採用と言っていたのに契約社員として働かせる事はどの企業でもやっていて、雇用形態を騙す詐欺ではない、との事なんですね」

転職時との話と違っても問題なしと判断されてしまう例

「ただ転職時に聞いていた話と違っても会社側に落ち度がないケースも結構ある。

例えば面接で「うちは実力主義だから」と実力に伴う評価制度と聞いていたのに、実際に転職したら年功序列だった、というケースは正直、違法性は認められづらい。

なぜなら転職してから入社するまでの間、長いタイムスパンがあり、その間に評価制度を変えてしまった場合、全ての企業に対して違法性が認められる事になってしまうから、労働市場の流動性の観点から違法性は認められない事になる」

「先輩、要は企業が評価制度などの組織運営の詳細を変更する自由は労働市場において重要な要素であり、それが継続的に更新される事は、企業が時代や市場のニーズに適応し続ける為に不可欠。だから転職希望者が入社するまでの間に制度が変更されても、それを理由に違法性を問うことは難しい、という意味で合っていますか?」

「その通りだ。他にも違法性が認められない例として

1,勤務地の変更

俗にいう配属ガチャに外れるパターンだが、これは企業がビジネスの必要に応じて勤務地を変更する事があり、面接時に特定の場所での勤務を想定していても、入社後に他の地域への異動がある場合がある。不幸な事にこれも市場の需要や事業の拡大に応じて勤務地が変更されるから、労働市場の柔軟性を維持する上で勤務地の変更は違法性が認められない。

2,求められるスキルの変更

まぁ、IT業界の場合、Javaで開発すると言っていたのにPythonで開発する事になったなど使用する言語が聞いていた話とは違うっていうケースがよくある。ただこれは技術の流動性と言って、IT業界の場合、常に技術は変化しているから、転職時に聞いていた話と入社する時までの間に求められるスキルが変わってしまう事などよくあるからこれも違法性が認められづらい。

3,配属先の変更

また他にも面接時に聞いていた配属先が異なる場合も違法性が認められづらい。AIの導入や上層部の判断でそのプロジェクト自体がなくなる可能性だってある。だから当初、○○部に配属されると聞いていたのにRPAの自動化により部署が解散になり、営業部に所属する事になった、という話も流動性の観点から違法性が認められづらい。

と、上記のような問題もある。他にも

「残業なしと聞いていたけど、無理な業務を定時で終わらせろと、ジタハラが起こっている」

「育児休暇制度があると言ったのに、上司の許可が必要で許可が下りない」

「託児所があると聞いたけど、正社員のみ利用可能で契約社員は無理なんて聞いていない」

など、嘘はついていないけど、事実上形骸化しているケースもあり、これも嘘をついていない以上、違法性が認められづらい。

だから違法性があると訴えるべき点は「給料」「労働時間」「雇用形態」「安全性の虚偽」「健康保険や社会保険が未加入」など雇用契約書や労働条件通知書に書かれている内容と実際の働き方が異なっている場合だから、訴えて辞めるべきかは証拠集めや契約内容を見て判断した方が良いだろう。

聞いた話と違う場合、直ぐ辞めて転職すべきかの判断について

「なるほど、先輩、色々と法律的な観点から貴重なアドバイス、誠にありがとうございます。ですので、数ヶ月後に、ちゃんと正社員採用されるかどうかで今後の方針を決めたいと思います。

ただ念の為、正社員採用しなかった場合に備え、すぐ会社を辞められるようにしておきたいと思っています。

その場合、転職後に直ぐ早期退職したなど次の転職に悪影響が出ない立ち回りが必要なのですが、先輩ならどのように立ち回ってこの状況を乗り越えますか?」

「俺が知っている中で一番良い例としては例えばお前がその企業に転職した際に転職エージェントを使っていたら、不当な労働が行われている事をエージェントに伝えて、内定辞退した別企業に問い合わせて、内定が取るパターンがある。

転職エージェントサービスって、知らなったとは言え、違法性のある企業を紹介してしまった場合、そのエージェントやサービスも業務上の過失や職業紹介業法に違反する行為になる。

その場合、行政指導や業務停止命令が下される可能性があるから、俺の知っている例として、実際に正社員採用しない事を伝えると、謝罪した上で、事態を収拾する為、内定辞退した企業に問い合わせて、再度内定を出す事は可能か?と確認してくれた。

だから運が良ければ内定辞退した企業から選考の再開、または内定を再度出してくれて、直ぐその企業に転職する事だって可能だ」

「へぇ~、確かに転職エージェントを使っている時、アフターケアサービスがあるって聞いていましたが、そんな裏技があるのですね。でしたら3か月後にエージェントサービスに問い合わせて選考再開が可能か?確認してみようと思います」

「まぁ、エージェントを説得させる上でも、結局、証拠集めが必要だから、労働条件通知書と雇用契約書を手元に確保しておいて、転職先の責任者が「ずっと契約社員」などの発言をボイスレコーダーで録音しておくなど証拠を確保しておいた方が良い」

仕事内容が違う企業を転職する前に見抜く方法

「しかし先輩、まだ試用期間中ですし、出来ればこの企業で働き続けられればと思っています。ただまたダメな企業に転職するリスクがあるので、それを防いだ上での転職活動を周囲に気付かれずにする必要があります。どのような手段があるのでしょうか?」

「なら転職の口コミサイトを活用すると良いだろう。

例えば転職会議では退職者が前にいた会社の事ついて書き込んでいる。退職理由や不満点、社内の雰囲気などが明記されており、試用期間が終わっても契約社員のままだった場合のような不満も掲載されているはずだ。

またこのタイプのサイトは、閲覧しているだけで現在の求人状況もわかるし、実際に応募して始めて転職活動がスタートする。

だから転職エージェントのように就業中に電話がかかってくる心配もないから内密に、かつ周囲に迷惑をかけずに転職活動の準備が出来るだろう。

転職で一番難しいのは志望先の企業がちゃんと良い労働環境になっているかどうかだ。

この転職活動においても給料、福利厚生、雇用形態など様々な点で確認しないといけないが、それに気づくのは入社した後。

それだと遅すぎるし、入社前に良い企業がどうか判断する為には実際にその企業で働いた事のある人達から意見を聞いた方が効果的だ。

それ故に今回は試用期間後の正社員採用についてだったが、他にも『社長が独断で会社を運営し、社員が振り回されている』『企業規模の拡大に伴い中間管理職が不足しており、下層の社員への適切なサポートも受けられずにクレーム対応に追われている』など違法ではないが、ブラックな労働環境も知る事が出来る。

だから今すぐに転職活動を始めるわけではないのであれば、良い企業を見つける為にも口コミサイトを利用して情報を集め、視野を広げると良いだろう。」

 

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