「採用される人」と「採用されない人」の違い

 

採用される人と採用されない人の違いって何?

採用される人の特徴って?

採用されない理由が分からない

 

 世の中には採用される人と採用されない人、2種類の人がいます。そして多くの人達は採用される側になろうと必死に頑張るのですが、近年では高学歴でも大手に入れなかったり、また特に努力もしてなさそうな人でも大手から内定を取ったりなど、どうして採用される、されないのか見えづらい状態になっています。

 

 その為、就職活動においては「採用される理由」だけでなく、「採用されない理由」についても心得たいという人もおり、両方の視点で考えられるようにしておく必要があります。

 

 その為、ここでは採用される人と採用されない人はどんな人達のなのかを、就職活動を行う後輩と人事斡旋会社で働く先輩の2人の会話形式で、就活で役立つ採用されない、採用される人の違いについて説明したいと思います。

 

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典型的な採用される人と採用されない人の違い

 

 先輩、実は私、来年から就職活動を行うのですが、世の中には同じスペックでありながら、採用される人と採用されない人の2つに分かれるみたいですね。私自身、採用される側に入りたいので、採用される人と採用されない人って一体どんな違いがあるのでしょうか?

 

 採用される、採用されない人との違いは人によって違うけど、参考になるモノとしてはやっぱり志望先が欲しいと思わせる言い方が上手い人と下手な人に分かれると思う。例えばここに簿記の資格を持っている就活生がいて、1人がこんなアピールをしたきたとする。

 

「簿記は会社の財務状況を判断出来る要素があります」

「簿記でお金の流れを見れるようになりたいと思いました」

 

 このように資格の良さをアピールする事は間違っていないんだけど、「ならその手の専門家の人を雇えば良いよね」と言われてしまい、何も話せなくなってしまう。だから資格などをアピールする場合、その手の専門性だけで勝負してはいけない。その為、別の切り口で勝負する必要があんだけど、例えばこんなアピールの仕方がある。

 

「将来は会社に提案出来るITコンサルタントになりたいと思い、その意味を込めて金融業界で財務改善を提案出来るよう簿記の勉強を行いました。」

「銀行員は融資先の財務状況や資金繰りについて把握する必要がある為、融資の妥当性を審査する上でも簿記の知識は必要だと思い、資格取得に励みました。」

 

 このように「志望先の業務を正しく理解している」、「その資格をどのように仕事で生かせば良いのか理解している」、「事前知識がある」など志望先で役立ちそうなアピール内容を見つけてアピールするのが効果的な方法だ。

 

 就活生の中には「自分は学歴や資格をもっているし、いずれ採用されるだろう」と思っている人がいるけど、それは間違っている。何故なら企業というのは例えライバルがいなくても採用しない方針を取る所が多く、その理由は就活では1人採用するのに100万円かかり、適当に採用すると企業が損をする構造になっているからだ。

 

 就活サイトに求人広告を載せる場合、月に100万円かかるとされていて、それは予定の人数が募集されたからという規定はなく、0人応募だったとしても100万円を払わないといけない。更に採用した人が戦力化されるまでおおよそ3年と1500万円の費用がかかるとされているから、もしこれで直ぐ辞められたり、別の会社に転職するような事が起これば、企業側は多大な損を被る事になる。つまり人手不足の時代だからと言って、適当にアピールしても採用されなくて、だからこそ就活では志望先が欲しいと思えそうなアピールをする、これが絶対条件になっているんだ。

 

 就職活動というのは自分という商品を売り込む場だから、志望先の業務知識を多少持っていますとか、どんな風に働くか分かった上で志望していますなど、使えそう、やる気がありそう、直ぐ辞めなさそうなど感じさせるアピールが必要だ。だから先のように資格の魅力だけ終えていると、その資格の魅力しか伝わっていないから、もし他の人が2つ、3つ以上アピールをしていたらそれだけで採用されなくなってしまう。それ故に採用される為には1回のアクションで複数の魅力を伝える事が大切だ。

 

採用される人になる為の情報収集

 

 先輩、言っている事は分かりますが、そんな志望先の業務知識なんて学生の立場からすれば手に入れるのは非常に難しいと思います。先輩の言っている事は確かに就活を有利に進める方法だと思いますが、現実離れしていると思っちゃっています。学生がそんな志望先の役に立つ知識なって手に入るモノなんですか?

 

 先ず第一に就活というのは相対評価で、他の人と比べられて採用するかどうかが決まってくるから、確かに手に入れるのは難しいけれど、裏を返せばその情報が手に入れば、高い確率で採用されやすくなる。

 

 就活というのは一種の情報戦だ。志望先の業務がどんなもので、それに対し、どんなアピールをすれば良いのか?事前の情報を持っていればいるほど有利になっていく。だからOB訪問でも、親から聞くなど仕事に携わっている人に出来るだけコンタクトを取り必要な情報を確保するべきなんだ。

 

 例えば俺が食品業界のOBと会った時の話なんだが、食品業界の場合、大抵はコンビニやスーパーの責任者に「ウチの商品を置いてくださいませんか?」と交渉して、そして時たま自社製品の前で試食コーナーを設けて、商品の魅力を伝えたりする。その人は言っていたよ。

「食品を売る以上、お客さんのニーズに応える事をしないといけない。それが栄養面なのか?調理法のものなのか?それとも仕入れ元の安全性なのか?答えないといけないことは沢山ある。もはや医療レベルの知識を手にするようなもので、その辺の勉強ができるかどうか見られる」

 

 他にも料理の味の良さは人それぞれ違うから、様々な味の違いを理解しておかないといけない。例えば薄味、濃い味も勿論、様々な食材と組み合わせて、合うか合わないかなども日常的に調べる習慣をつける事も大切だ。だからそんな味の良さを追求する為、日頃から研究に没頭するような姿勢を持っているかどうかも評価の対象となる。とも言っていた。

 

 こういう風に実際に現場で働く人の意見を聞くと、自分がどんな事に力を入れないといけないのかが見えてくる。もし何も調べずに食品業界に臨めば「私は食べる事が好きだからです」など、食べているだけが食品業界の仕事ではない。どうやって食品を売り込むかが必要だから君はどうしてそれをやりたいの?とそんな事を訊かれて、何も思いつかず終わってしまう。それ故、評価されるようになる為にも、OBに会う事はせずとも志望先の業界で働く大変さについてはネットや書物などで予め理解しておいた方が良いだろう。

 

採用される人と採用されない人との話し方の違い

 

 先輩、今のお話で如何に志望先の業務知識を持っているかどうかが重要なのかは分かりました。ただ個人的に業務知識の有無だけで、採用される、されないかが決まる訳ではないと思います。他にもどんなものがありますか?

 

 そうだな、今みたいに業務知識を正しく理解していない、的外れな事を言う以外では、やはり相手に不快を感じるようなアピールをしているか、していないかという違いがある。

 

 自分をアピールする以上、当たり前だが、自分が一番活躍した話を話さないといけない。しかし話し方によっては相手が不快に感じる話し方をしてしまい、折角、企業から注目を浴びる実績をあげても不採用になってしまう人がいる。例えば先の簿記の例で言えば、

「将来は会社に提案出来るITコンサルタントになりたいと思い、その意味を込めて金融業界で財務改善を提案出来るよう簿記の勉強を行いました。」

「銀行員は融資先の財務状況や資金繰りについて把握する必要がある為、融資の妥当性を審査する上でも簿記の知識は必要だと思い、資格取得に励みました。」

 

 と言っていたけど、中にはこんな風にアピールしてしまう人もいる。

「簿記の資格を持っているので金融業界の財務を改善するような提案が出来ます」

「簿記の資格を皆3ヶ月かかるところを、私は1ヶ月で終えました」

 

 資格を取って仕事が出来ますと言い張ったり、他の人より早く終わったと自分の優位性をアピールする人がいるんだけど、正直まだ実戦経験が無いのに「出来ます」なんて人によっては仕事舐めてんの?と思われたり、早く出来ても仕事として成果を上げないと評価されないよなどマイナス面のイメージしか感じられない場合がある。

 

 要はアピールする上で役に立つ、活躍出来ると成果が必ず結び付くような言い方は良い印象を与えない場合が多いんだ。お前だってこれから一生懸命働いて、仕事を覚えて、そして試行錯誤の末、やっと客から評価されるようになったって言うのに「活躍出来ます」なんて新人に言われたら良い印象を持たないだろ。これは面接の場だけではない。取引先と一緒に仕事をする上で「私なら出来ます」なんて言いきると「自分の存在を否定された」なんて思われかねないから、言い切る言い方は極力使わない方が良い。

 

 だから就活で自分をアピールする上では「頑張ります」「目指します」など不確定だけど高い目標に向かって頑張るみたいな言い方が無難だ。就活生の中には自分の一番活躍した事をアピールして自慢話になったり、偉そうな話し方をしたり、中には他人を見下すような発言までしてしまう人がいる。要はアピールと自慢話の違いを心得ていない場合があるから、評価される為にも、相手が不快に感じない話し方をしないといけないんだ。

 

採用される人と採用されない人の動機の違い

 

 なるほど要は話し方も採用されるかされないかの分岐点になっているわけですね。

 

 まぁ、それもあるけど、他にあるといたら動機かな。例え学生時代、イベントを成功させたとか、難易度の高い資格を取ったとしても不採用になる人がいる。その理由の1つが「何のためにそれをやろうと思ったの?」と動機について訊かれた場合だ。

 

 一見、イベントや難易度の高い資格を取得する事は働く上でも重要な要素だが、就活生の中には「このイベントを成功させれば就活で有利になる」「この難易度の高い資格があれば他の就活生と差がつけられる」など、見栄や差をつける為に頑張っているケースがある。これだといざ面接で「どうしてそんな事をしたの?」と訊かれたら「え~っと」と、見栄の為にやっていた事が分かり、結局採用されないパターンに流れてしまう事がある。

 

 無論、難易度の高い業務をこなす事は社会人から見て評価される要素だ。しかし難易度が高いという事はそれだけ失敗する確率が高く、安易にやってはいけない事でもある。世の中には自分の出世の為にわざと難しい課題に挑戦し、多大な損失を出す人がいる。だからそんな人を採用しない為にも何故それをしようと思ったのか?不純な動機がないかどうかを探る面接官がいる。だから面接官の納得いく動機を言う上では「このままだと部活が潰れてしまう」「このイベントが成功すれば○○になる」など問題の深刻化を訴えたり、悪循環から脱却するなどをアピールすれば印象が変わってくる。

 

 大事なのは動機を説明する上では自分だけの理由で語ってはいけない。何かしら世の中の為、皆の為など社会的にプラスになるかもという動機の方が良い。何故それが良いかと言うとビジネスというのは大抵は会社の為だけど根本的な部分を言えば、客の悩みを解決してそのお礼としてお金を貰うというサイクルが存在する。だから人にとってプラスになる事が出来てこそ初めてビジネスとして成立する面があるわけだから、人の役に立つ事が出来るようアピールする事は評価の対象となる。

 

 だからこの手のアピールをする場合、「学園祭でイベントが成功すれば部員が集まって部が存続する」「知名度が上がって、結果を残せれば次の大会の出場枠を確保出来る」などそんな部活に関して言う人がいたり、ゼミの場合、人を呼んでその手の専門分野の人と話しあったりして知見を深めたい」というのも1つの動機になるだろう。

 

採用される人になる為の必要な考え方

 

 先輩、今までの話をまとめますと採用される人になるには、面接官が欲しいと思えるようなアピールを考える事、相手が不快に感じない話し方をする事、そして不純な動機を見せない事の3点を意識しないいけないという事は分かりました。ただやっぱりこの3つだけでは足りませんよね?正直やらないといけない事は山ほどあると思うのですが、これを簡単にまとめる方法なんてありませんか?

 

 要は自然と採用される人になる為には?という意味合いなら、やっぱり成功している人を見て真似る。これが一番だと思う。というのも今までの3つはお客さんから評価されるための段取りともいえる。商品を欲しいと思わせたり、相手が不快に感じない話し方をしたり、そして不純な動機を見せないなどは全てお客さんから評価されてのモノだ。だからお前は面接官から評価される以前に、お客さんから評価されるためには?と面接官は考えているわけだから、お前自身が「この人からなら商品を買おう」と思わせるような存在はいったい誰なのか?そう考えていけば改善点は自ずと見えてくる。

 

 先の簿記の話は如何に簿記の資格を活用するか?、そして食品業界や学園祭の話でも全て自分が商品を買う立場になった場合で考えると見えてくる改善点である。だから俺の話以外でアイデアを練りたいのであれば、日頃の商品を売る為に店の人はどんな事をやっているのか?また他人から尊敬される人はどんな事をしているのか?その要素を探して自分にアピール内容へと変えていけば自ずと結果はついてくると思うぞ。