『インターンに参加して有利になる企業や業界ってどんな所?』
『インターンシップに参加すると就活で有利不利が変化するのか?』
『インターンシップではどんな課題が出て、どんな風に有利になるのか知りたい』
などインターンシップに関心を持つ学生からするとインターンに参加するとどれだけ就活で有利になるのか?気になると思います。しかしインターンの中身自体が秘密にされている為、自分で判断する事が出来ず、その上、ネット上では『インターンに参加しても有利にはならない』という文言まであり混乱すると思われます。
しかし世の中にはインターンシップに参加して就活で有利になる人もおり、それはインターンで優秀な成績を収めた人だけに限りません。インターンであまり良くない成績を出した人でも今後の立ち回り次第で有利に持っていける人もいます。果たしてその人はどんな人物でどんな事をしたのか?
ここでは実際にインターンシップに参加しようか迷っている就活生と、実際にインターンシップの準備を手伝っている斡旋会社で働く先輩社員の二人の会話形式で、インターンシップに参加するとどんな風に有利になるのかを説明したいと思います。
インターンシップに参加すると有利になるのか?
俺は大学3年の夏の終わりごろ、中間テストがひと段落し、夏休みをどうするべきか考えていた時だった。友人が『来年就活だから少しでも有利になる為にインターンシップに参加する』と言って夏休みの遊びをパスしていたのだ。俺も来年就活する立場だが、全く就活に関して考えていなかった。だから友人の事前の準備に驚き、『なぜそこまで?』と友人に尋ねてみた。すると就活では学生時代に頑張った事と自己PRと2つ話せる内容を用意しないといけないらしく、バイトしかやった事がなかった友人はもう1つアピールネタとしてインターンシップを選んだようなのだ。
更に「就活では他にも『なんでウチで働きたいと思ったの?』と訊いてくる為、働きたくない俺からすれば『インターンシップで御社と同業界の仕事を体験して、この業界で働いてみたいと思いました』と簡単に志望動機を作りたい」と言っていた。要は大義名分が欲しいようなのだ。
そして友人は去っていく。この夏休み、友人と一緒に遊ぶ予定だったので予定が空いてしまったから俺もインターンシップに参加してみようと思っている。だが別の友人はインターンシップに参加しても有利にならないと言ってくるのだ。
インターンシップに参加しても有利にならない人の例
知り合いの先輩の話なのだが、長期インターンに参加すれば単位が貰えるという事でインターンシップに参加したのだが、行った仕事は書類整理やデータ入力。要は雑用しかせず誰でも出来る仕事しかしなかった。職業体験とは良く言ったもので、要は人手が足りないから学生で補おうとする企業に当たってしまったのだと言っていた。
『1か月間が無駄になった』
とその先輩は愚痴をこぼしていたらしい。実際、やった内容がやった内容だけに就活でも大した事のないアピールとして見られ、就活で有利にならなかったらしい。更にインターンの場合、バイトより給料が低く『こんな事なら1か月間、バイトしていれば良かった』と言ってインターンシップは役に立たないと言ってきたのだ。
どうやらインターンシップには当たり外れがあり、外れの場合、大した事のない仕事を1か月間、安い賃金でやらされる。ただ俺自身、バイトしかやった事がなく、就活で2つ別のアピールを用意しないといけないのであればインターンシップに参加してアピール内容を用意しておきたい。つまり当たりのインターンシップに参加したいのだ。
そして俺自身、インターンシップの中には内定直結を兼ねた選考まで行っている所もある。だから俺自身、数か月もかけて内定を取る就活よりも、1か月で決着がつくインターンシップで勝負したい。色々なツテを頼りに、なんとインターンシップの運営会社に所属しているOBと会う事が出来、その人からインターンシップに参加して有利になる為にはどうしたら良いのか?攻略法を教えてもらう事にした。
インターンシップに参加しても有利になるわけではない
という訳で俺は先輩OBに、どうやったら当たりのインターンシップに参加する事が出来るのか?その方法を教えて欲しいと懇願した。しかし先輩は先ずインターンシップに参加すれば採用される事を否定する。
「インターンシップに参加しても採用されないよ。なぜならインターンシップの主な活動理由は宣伝目的で、採用は経団連によって禁止されている。だからインターンシップで内定直結も兼ねている所は経団連に所属していない企業、要は外資系だ。そして外資系の仕事とは当然、海外の人達と一緒に仕事が出来る人達で、世界をまたにかけて活動出来る人になるからレベルが高い。つまり内定直結のインターンシップで内定を取るのは世界レベルの実力がないとダメって事だ。お前にはそれがあるか?」
当然の事ながらそんな実力などない。英語すら喋れないからな。
「だから内定直結のインターンシップで内定を取る事は諦めて、お前の友達が言った『インターンシップに参加して、この業界に興味を持ち、この業界を志望しています』と志望動機を作ったり、学生時代に頑張ったアピール内容を増やした方が良い。だからお前がもしインターンシップに参加するつもりであるなら、インターンシップでどんなプラス要素を得られるのか?その辺の理解をするべきだと思っている」
インターンシップに参加して有利になるとはどういう意味か?
「では先輩、仮にインターンシップに参加したとして、その経験がどんな風に有利になるのか?教えてください」
「例えばお前が就活解禁時、恐らく様々な企業の説明会に参加して『何でこの企業を志望したの?』『あなたが学生時代に頑張った事が仕事でどんな風に役立つと思う?』などそんな質問をされる。その為にも志望先の仕事について理解しないといけないのだが、お前、金融業界やIT業界の仕事って具体的にどんな仕事をしているか知っているか?
就活というのは難しく、仮にお前がバイト先で売上を倍にした経験があっても『それが金融とIT業界でどんな役に立つの?』と質問されたらどう答える?この業界がどんな仕事をするのか分からないせいで撃沈される人は多く見た。だから大手から内定を取る為には志望先の仕事について理解する事が何よりも大事になるんだ」
「先輩、となりますと色々な1dayインターンシップに参加して、各業界の仕事の内容を理解する方法を取っていた方がある意味有利になるのでしょうか?」
「確かにインターンシップに参加して業界分析しろみたいに言ったけど、ただ参加したからって理解出来るわけではない。事実、IT業界の仕事を説明すると要件定義、詳細設計、開発、単体テスト、結合テストなどのステップを踏んで行う。金融業界、特に法人営業では損益計算書や貸借対照表などを見て、融資の判断を行い、審査にかけて了承を得る。今の話、一体何の話なのか分かったか?1dayインターンシップは2時間ほどしか説明しないし、今言ったように専門的な言葉も飛び交うから、初めて聞く人からすれば眠くなる内容だ。実際、説明会でも寝ていた人もいたし。だから1dayインターンシップで各業界の仕事について調べても正直分からないのがオチだろう」
「先輩、混乱してきたのですが、では一体何をしたら就活で有利になるのでしょうか?」
「では結論から言うけど、インターンシップに参加して有利になる為には大きく分けて2つ。
① 就活解禁後の就活で志望先の仕事を理解して、妥当なアピール内容を心得る。
② 1dayインターンシップではなく、1か月以上の長期インターンに参加して就活でアピールする内容を作れるようになる。
上記になる。
インターンシップに参加すると就活ではどんな風に有利になるのか?
やっぱ、分かりやすく説明する為にはインターンシップに参加した経験で成功する就活生を紹介した方が良いだろうね」
「では先輩、先ほど①で『就活解禁後の就活で志望先の仕事を理解して、妥当なアピール内容を心得る』と言っておりましたが、これはどういう意味なのでしょうか?」
「就活生の中には志望先の仕事について正しく理解していない人が多い。例えば食品メーカーを志望している場合、『食べる事が好きです』なんて志望動機を言ったり、IT業界だと『自分のホームページを作りたい』とか言って不採用になってしまうケースがある。これを聞くと就活生の中には『何で食べる事が好きはダメなんですか?食品メーカーでしょ?』と怒りたくなるかもしれないが、食品メーカーの仕事って自社が開発した食品を売る仕事をしないといけないんだ。
例えばお前がキッコーマンのような醤油を販売している食品メーカーに就職出来たとしよう。すると新入社員はスーパーや料理店などに連れていかれ『醤油はこういう風に売るんだぞ』と先輩社員の交渉を見ながらどのように店に売り込めば良いのか学ぶ。要は『醤油は今の時期、鍋物が良いですよ』とか『新しい醤油が出たのでこんな使い方が出来ますよ』と醤油の魅力を伝えて、スーパーの販売担当者や料理店の店長に『では君の商品を買わせてもらおうか』と言わせないといけない。なのに就活で『食べる事が好きです』なんて言われても『君は醤油でも飲むのかい?』と思われてしまう。つまりアピールの仕方としてはしょぼいのだよ」
「なるほど。要は志望先の仕事について理解しておかないと、的外れなアピールをしていて、それを自分がしている事に気づかない。だから就活生はインターンシップなどに参加して、業務理解を深め、正しいアピールを心得ないといけない。という訳なんですね」
「まさにその通りだ。ちなみに『自分のホームページを作りたい』なんてアピールについてもだが、ホームページなんてIT業界に就職すれば1時間あれば簡単に作れる。更にIT業界の場合、業務の効率化、要はリクナビやマイナビのような簡単に応募出来る企業を見つけるシステムを作ったり、社員の行動をデータ化して見える化したりなど『どんな便利なシステムを作りたいの?』という質問に答えないといけない。なのに『ホームページ(画面だけ)作りたい』なんて言っても『そうですか』としか思われない。だから正しいアピールが出来るようになる為にも志望先の仕事について正しく理解しないといけない」
各業界のインターンシップに参加して有利になる就活生
「では先輩。先輩は確かIT業界、金融業界、そして食品業界の3つのインターンシップを手伝ったんですよね。差し支えなければその業界でどんなインターンシップをして、そしてどんな就活生が注目を浴びたのか?教えていただけないでしょうか?」
IT業界のインターンシップに参加して有利になる就活生の例
「では先ずIT業界のインターンシップの時の話をしよう。俺の知っているIT業界のインターンシップでは主に空港に売るシステム開発を議題に『自分で考えて開発して提示して欲しい』と依頼された。IT業界というのは元請けやクライアントから『こんな風に作ってね』なんて指示される事もあれば、自分で考えてクライアントに提案する仕事もある。今回は後者の会社にあたり、正に『空港にもしシステムを売るならどんなモノ?』という議題でシステムを開発する事になった。
そして最優秀者が作成したシステムなのだが、空港業務の場合、荷物を飛行機に載せないといけないのだが、それを均等に置く方法を出力するシステムを開発していた。要は重い荷物を左側に偏って載せると当然、飛行中、飛行機がバランスを崩して、それだけ燃料を多く消費させる事になるだろ?だから均等に荷物をおいてバランスよく飛行する為にはどうするべきか?と考え『荷物の重さを表示し、均等にバランスよく置く順列を表示するシステムを作ってみては?』と思い、開発したようなのだ。
何でこれが評価されたのか?というと他の参加者が開発したモノと言えば混雑を見える化したり、また飛行機を自動操縦にしてパイロットの負担を減らそうなどアイデアが出た。しかし審査員は『本当にそのシステムが混雑を解消出来るの?』『自動操縦の技術はもうあるけど、それと何が違うの?』とシステムの有効性と既存システムの差分について指摘され、参加者はその辺を説明する事が出来ていなかった。システム開発を行う以上『売れるシステム』を開発しないといけない。その最優秀者の場合、航空業界になかったシステムを思いついて売り込んだから評価されたんだ。
これによりその最優秀者はその後の就活でもその手の情報が面接官に情報連携され内定を取る事に成功した。ただこの最優秀者以外の参加者も『システム開発を行うIT業界に就職する為には市場のマーケティングや既存時ステムの差別化が必要なんだ』と思い、面接での例え話として今回最優秀賞を受賞したシステムを例に説明し、システム開発業務の理解力をアピールした。まぁ、このインターンシップの参加者は的外れなアピールする事が少なくなったわけだ。だからこれが1つのインターンシップに参加して有利になった就活生の例といったところだな
金融業界のインターンシップに参加して有利になる就活生の例
このようにIT業界ではシステム開発における発想力というのが問われたが、今度紹介する金融業界、もとい銀行のインターンシップでは提案力が問われる内容になっている。
銀行の仕事というのは100万貸して、110万円で返してもらい、その差額分で利益を生むビジネスを行っている。そして銀行員は如何に多額の金を貸し、そして返して貰えるか?それを問われる仕事をする。それが1億円であれば1億1000万円で返ってくるからな。だからインターンシップでは融資先の企業に対し『このくらいのお金が必要です』と説得し、そして銀行に『このくらいの多額のお金でも返済出来ます』と説得する説明力が問われる」
「ちなみにその銀行のインターンシップでは具体的にどんな人が最優秀賞を獲得したのでしょうか?」
「専門用語が多くて俺なりに分かりやすい言葉で置き換えるが、システム開発を推奨し、銀行から開発資金を借りる方法を提案した人がいた。まぁ、簡単に言えばさっき話した航空業界を例に説明するなら『航空業界に売り込むシステムを開発するのに1億件かかるようなので銀行から融資が必要ですよね?』とシステム開発を理由に融資を募るアピールをした就活生がいた。
銀行で多額の融資が発生する案件として『大きな建物を建てる』『会社を買収する』『新しいモノを作る』の3つが主な例になる。だから参加者のほとんどが『今の時代の変化に合わせて新しい事に挑戦するべき』と謳って新規融資を募る提案をしていた。1人はDX(デジタルトランスフォーメーション)を謳って、テレワークを実現する為のデータセンターの設立を推奨したり、もう1人はコロナ禍によって旅行業界が衰退しているので、地元客を呼び込む為のホテルのリフォームを推奨する人もいたりした。
要は銀行というのは新しい事に挑戦する人達を説得して、資金的なサポートをするのが仕事なんだ。そしてそれは金融の知識だけでなく、店を作る為の不動産やIT業界のシステム開発の知識も求められたりする。その結果、金融のインターンシップではチームを組んでお互いの得意分野を駆使して提案内容をまとめないといけない。だから金融業界のインターンシップでは専門知識の情報共有も必要だし、集まった情報をまとめて最適化する力も問われる。だから最優秀賞を獲得したチームは航空業界に詳しい人がいて、そしてどんなシステムが今求められているのか知っていた為、航空業界に精通した情報を持っていた為、評価に至った。
だからその後の他の参加者達は銀行で働いていく為にはどんな提案をしないといけないのか?例え話として説明出来るようになる。そして就活では銀行業務を行う上で航空業界のシステム開発における融資提案例を面接で話し、『どんな風にアピールしないといけないのか分かっている』と思わせて内定までこぎつける人もいた。だから金融業界という専門的知識が問われる業界を志望する場合、インターンシップなどに参加して『どんな風に提案しないといけないのか?』その辺の情報を仕入れる上では非常に役立つ体験と言える。
食品業界のインターンシップに参加して有利になる就活生の例
「なるほどそうやって金融業界のインターンシップであれど、IT業界のインターンシップの体験談を駆使してアピールする事も出来るですね。ただ先輩、IT業界や金融業界など、専門知識が問われる業界では、やはり事前にある程度必要な知識を持ち合わせておかないといけないみたいですね。正直、私にはハードルが高いなと思いました。もっと楽に、かつ参加しただけで就活で有利になりそうなインターンシップは無いのでしょうか? 」
「なら営業のインターンシップをやってみてはどうかな。今までの話はシステム開発や融資などその業界ならではの仕事と言っても過言ではない。だからそのインターンシップに参加しても、IT業界はIT業界、金融業界なら金融業界などその手の業界でしかアピール内容を練る事が出来ない。幅広く業界を志望する為にも、各業界が応募している営業職、そのインターンシップに参加して、営業職でアピールするべき情報が分かるようになるだろう。だからお前には悪いが、俺の知ってるのは食品業界だから、食品業界の営業職のインターンシップの説明をさせてほしい。
食品業界に問わず、営業の仕事は商品を売り込み、買ってもらう事をなりわいとしている。だからインターンシップの主な課題は『どのように商品を売り込むのか?』という議題で行われる。そして審査員は『この子はどのように商品を売り込むのか?』『商品はどういう風に企画を練って新商品を作り上げるのか?』『この子は一体どうやって出た商品を大量販売出来るように売り込むのか?』と商品をただ売り込むだけではなく、新規開拓や新商品を開発したり、最終的には大規模な商品販売を実現出来るかどうか?そのポテンシャルを見てくる。
仮にお前が小麦粉を販売している食品メーカーに就職出来たとしよう。すると新入社員はスーパーや料理店などに連れて行かれ『小麦粉はこういう風に売るんだぞ』と先輩の交渉術を見ながらどのように売り込んでいくのか学んでいく。具体的には『この小麦粉はカロリーが何%も抑えられている』と低カロリーをアピールして、ヘルシー志向のお客様向けの商品販売を展開したり、実際に特定の小麦粉を使ったクッキーを持っていって『歯ごたえがある』『手で持ってもベタつかない』など実演販売のような形をして売り込むパターンもある。
インターンシップに参加した就活では、まさに自社商品の魅力をどのようにスーパーや料理店にアピールし、売り込むのか?その辺の実演販売を行う。だから営業系のインターンシップに参加した就活生というのはその後、面接で『商品知識を生かして、売り先に役立つビジネスを提案致します』と言って、営業とはどういうものなのか?その理解を伝えていく」
「なるほど、そして1番多く商品を売れた人が、そのインターンシップでの最優秀者として賞賛されるわけなんですね」
「いやそれは違うぞ。確かに1番多く商品を売る事も大事だが、営業の仕事というのはただ商品を得る事が仕事ではない。なぜなら既存のお客さんにいくら商品を得る事が出来ても、時代の変化に伴い、自分の商品を改良したり、または様々な提案が出来るようにならないといけない。つまり理想論かもしれないが、取引先が個人経営店だったとして『ウチの商品をこう利用して頂ければ更に客を呼び込む事が出来ます』と言って店を大きくする。そしてその後、2店目、3店目と店を増やしていき、更に取引量を増やしていく。そんな取引先のビジネスを成長させる提案が出来れば良い。
まぁ、今のは理想論かもしれないが、フランチャイズを考えている店舗があった場合、その店との取引をこぎつけたり、またスーパーが大規模イベントを行おうとしている場合、その仕入れ元として自社が選ばれるなんて事をしないといけない。だから将来は大規模な取引が出来るよう他社と協力して企画を練る事をしないといけない。
だからインターンシップ後半では商品の売り方だけではなく、新しいニーズを見つけ出して商品を売り込む事が出来るのかどうか?マーケティング能力や提案力も見てくる。実際、インターンシップの後半では『どのように販売を拡大していくの?』『では今度は新規のお客さんを見つけてきて』と新たな課題を出されて、就活生を試す事をしていた」
「ではそんな新たな課題を出された後、最優秀賞を貰えた就活生は具体的にどんな事をしたのでしょうか?」
「俺が担当したインターンシップの場合、個人経営店からフランチャイズ店へと発展させた就活生が最優秀賞を貰えたよ。お前は知らないかもしれないが、世の中にはおいしい料理店を作り、かつその料理のレシピを様々な人に売って、多店舗経営を実現する実業家もいる。
そしてその最優秀賞の人の場合、もともと実家がどうやら地元の漁業を運営している会社らしく、どのようにフランチャイズ形式で販売していけば良いのか知っていたようなのだ。だからその売り込んだ先の料理店が展開していない地元名産のウニとパスタを組み合わせた料理レシピを教え、そして地元のウニを仕入れ、これが大ヒット。結果、来客数が増え、2店舗目を開くまでに至ったわけさ。
偶然だったかもしれないが評価される営業マンというのは、このように卸売先であるスーパーや料理店に新たなレシピや企画などを提案し、新たな顧客層を作る事が出来る。顧客が増えていけば、それだけ卸売量も増えて、売り上げも上がっていくわけだから、卸売先のニーズを最大限活かす方法を見つけて、販売網を拡大する事が出来れば評価される。
販売網の拡大は現在の食品メーカーの急務を言われている。なぜなら今まで卸売先だったスーパーやコンビニは自分で商品を作る事をしていて、しかもプライベートブランドだから食品メーカーより安く売る事が出来る。だから今、商品を作っても置き場所がないと食品メーカーは頭を抱えていて、新たな販売網を見つけるのが課題となっている。
とある食品メーカーではその会社の商品だけを使った飲食店を開いたり、他のメーカーでは地元の名産品を使って地域活性化の名目で売れる商品開発をしている所もある。だから食品メーカーに応募する場合、『最初は商品知識を覚えて売り方を覚えていき、その後は新たな客層を増やしたり、新たな店舗を出せるほどのビジネスマンになりたい』と感じるアピールを言えるようにした方が就活で有利になると思うぞ」
インターンシップに参加出来るようになる為にどうしたら良いのか?
「先輩、今までの内容を振り返るに限り、2つ目の学生時代に頑張った事を手に入れる上でも、そして志望先の業務を正しく理解する上でもインターンシップは非常に役立つモノだというのが分かりました。試しに受けてみたいと思います。ですので聞きたいのですがオススメのインターンシップを見つける事が出来るサイトなんてありませんか?」
「ならOfferBoxのようなスカウト型の就活サイトを利用してみてはどうかな?実は俺自身、学生時代、何度もインターンシップに参加しようと思っていたのだが、アルバイト経験しかなく、参加する為に必要な選考に受かる事が出来ないでいたんだ。
今までの話は当たりのインターンシップだ。そしてクオリティーの高いインターンシップというのは面接や選考課題を設けているからそれに受からないといけない。しかし居酒屋のアルバイト経験しかなくて、『どうしてこのインターンシップに参加しようと思ったの?』と訊かれては『ではそれを裏付ける経験がある?』と訊かれて不採用になる日々が続いたんだ。まぁ、どのようにアピールすればアルバイト経験しかない自分でも採用してくれるインターンを見つかるのか?そんな方法を模索していた」
「それがスカウト型就活サイトって事なんですね」
「そうだ。正直、バイト1つしかやっていなくてもクオリティーの高いインターンに参加する事は可能だ。
例えば俺の例だけど、そのスカウト型就活サイトって言うのは自分のアピール内容を掲載し、それを読んだ採用担当者がこちらにオファーをかけるスタイルになっている。まぁ、俺のような『居酒屋のバイトしかやっていない人はお断り』なんて思っている企業を避けられるってわけさ。
そして掲載してから翌日、通信会社のインターンシップから『参加してみませんか?』とオファーが来たんだ。なんで?と俺は最初思ったが、居酒屋って海外から見ると日本特有の文化でもあるから、外国人から結構人気のある店なんだ。そして俺の時は東京オリンピックが開かれるって事で、東京都では『飲食店は全面禁煙にする』という条例が発令されていた。要は今まで喫煙者の客層を頼りにしていた飲食店のビジネスが壊れる問題を抱えていて、新たな客層を見つける課題を抱えていた。だから新たな客層としてその通信会社では『外国人観光客を集めてみませんか?』と居酒屋に宣伝し、外国人が使っている世界共通のWi-Fi端末や世界共通のクレジット端末を決済する端末を配備する事で新たな客層を捕まえようとしていた。そして俺の場合『君は居酒屋のバイトに売り込むノウハウを心得ているのではないか?』と思われ、オファーがかかったんだ。
驚いたよ。居酒屋のバイトをしているだけで通信会社のインターンからオファーがかかるなんて思わなかったし、その後もビールメーカーや銀行のインターンからもオファーが来て、居酒屋はお酒を売っているからビールメーカーも分かるけど、銀行からは『バイト先が個人経営店だったからフランチャイズの可能性があるかどうか?』という意味でオファーが来たと後から知った」
「なるほどそうやって学生時代に頑張った事とインターンを結び付けて『だから私は今後こんな風に働いてみたいと思いました』なんて繋げるですね」
「ああ、だから居酒屋のバイトをしていた。だから今後その店を大きくするような仕事をしたいって面接でアピールしまくったら長期インターンに受かる事が出来た。だからこれからインターンシップに参加するのであれば、スカウト型就活サイトでも利用して、自分の経験がどんな風に企業から魅力を感じるのか知り、そしてアピール内容とを練っていけばお前に似合う長期インターンシップに参加する事が出来ると思うぞ」