新卒未経験でシステムエンジニアになる就活生の例

 

『新卒でシステムエンジニアを目指す場合、どうアピールをすれば良いのか?』

 

 IT業界の説明会に参加するとSE(システムエンジニア)になる事を求められます。しかしIT業界どころか、システム開発未経験である為、システムエンジニアとして働くのがどういう意味なのか分からないと思います。

 

 しかし文系で、しかも未経験でありながらIT業界に採用される人がいる以上、アピールの仕方次第で未経験でも評価される方法があると思われます。では具体的にどんなアピールをすれば良いのか?

 

 そんなIT業界の採用側の気持ちを理解したい就活生向けに、ここでは実際にシステムエンジニアになろうと思っている就活生がIT業界から内定を取るまでのストーリー形式で、新卒未経験でもシステムエンジニアになる為の方法について述べたいと思います。

 

 

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新卒未経験でもしシステムエンジニアとして働く場合、どんなキャリアを歩む事になるのか?

『IT業界って何で新卒未経験でも採用してくれるのか?』

 

 俺は今、ITスキルを身に着けたいと思い、IT業界を中心に就職活動をしている。しかし会社説明会に参加しても『こんなシステムを開発している』程度の話しかしない為、具体的にどんな人材が求められているのか見えてこない。その為、エントリーシートに志望動機やガクチカを書こうとしても何を書けば思いつかず白紙のまま放置している。

 

 そんな無駄な時間が刻々と過ぎていき、俺は思い切ってIT業界で働いている知り合いの先輩に会いに行き、どのようにアピールすればIT業界から内定が取れるのか?その辺のコツについて色々と教わる事にした。

 

新卒未経験でもIT人材として採用してくれる理由とは?

「IT業界が新卒未経験でも採用してくれる理由は単純だ。それは未経験の人を育てる事をしないと人が集まらないからだ。

 

 なぜなら日本の教育の場合、ようやくプログラミング教育を学校で行われる事になったから、今のご時世、まだITスキルを持ち合わせている就活生は少数と言わざるを得ない。『理系の人を採用すれば?』と言う人もいるかもしれないが、理系の人達が心得ているのは化学や物理などの研究関連のスキルでITとは別分野だから、結局1から教えないといけない。だからITの人材を採用する上でも、まず新卒採用でそれなりの就活生を採用して、教育し、そして使えるIT人材として成長してもらなければならない。だからお前はIT経験が全くないと嘆いているかもしれないが、気にする事は無いぞ。

 

もし新卒未経験者がシステムエンジニアとして働く事になった場合、どんな風に働く事になるのか?

 

 ただ俺が見る限り、お前はIT業界ではどんな風に働き、どんなスキルが求められるのか?それがイメージ出来ずに立ち往生している印象だ。俺自身も学生時代、IT業界についてあまり詳しくなかったからその悩みはよく分かる。だから俺なりにもし仮にお前が新卒未経験でシステムエンジニアになった場合、どんな仕事をするのか?その辺についてシミュレーションしてみようと思う。

 

 分かりやすい例としてお前が使っている就活サイト『リクナビ』を開発しているIT会社に就職したとする。

 

 すると入社初日に『君は開発経験が無いから、まずは開発したモノが正しく動くかどうかのテスト業務に携わってもらう。そして横で開発を行っている先輩の仕事を見て、どのように開発していくのかを学んでもらう』と言われるだろう。

 

 要はリクナビのシステム開発の場合、入力項目に仮に金融業界と入力すれば、金融関係の会社のみが表示されるかを調べたり、またIT業界を入力すればちゃんとIT企業のみが表示されるのか?、そんな動作確認を行う。そして大抵の場合、高い確率で不具合が見つかるから、そのエラー内容を先輩に報告し、そして先輩がそのエラーをどのように修正するのか横で見る。そんなやり取りを続けていくだろう。

 

 システム開発と言うのは作業が膨大だ。1つ修正しただけで、すべての画面が正しく動くかどうかを確認しなければならない。だからリクナビのサイトといっても、マイページだったり、ログイン画面だったり、また検索画面だったりと色々とあるから、これら全てがちゃんと動くどうか動作確認を行わなければならず、どのシステム会社でもこの作業は行う。だから大抵この仕事は新人に任せられる事になるし、その傍ら、ベテラン社員の仕事ぶりを間近で見て、自分のノウハウとして身に着けていく。そんな学習をIT業界では求められる。

 

 そしてそんなやりとりを数年繰り返していると、今度は自分1人でどんな風に開発するべきか任せられる事になる。恐らくだがお客さんからどんな風に作って欲しいのか、要件定義をまとめる事をしたり、そしてその内容を元にどのような設計をすれば良いのか決める事になる。その後、その詳細設計書を元に開発やテストを行い、メンバーと進捗管理しながら開発を進めていく事になる。要は開発だけでなく、プロジェクトの管理も将来任せられるようになるってわけだ。

 

 だからシステムエンジニアのキャリアとして、最初はテスト業務。その後、設計や開発業務を断片的に行い。最終的には開発プロジェクト全体の管理を行っていく事になる。だから『将来どんな風に働いてみたいですか?』と訊かれたら、

将来はプロジェクトマネージャーとしてクライアントが求めるシステムを構築出来るようになりたい。またはプログラミングスキルを高め、様々なエラーなどに対応出来るスペシャリストになって開発に貢献出来るエンジニアになりたい。

 などをアピールする。

 

システムエンジニアに向いている人

 では具体的にどんな人がシステムエンジニアに向いているのか?俺が思うに

 

① 物事を論理的に考えられる問題解決能力が高い人、

② コミュニケーション能力に長けている人、

③ ITスキルへの習得意欲が高い人。

 

 この3点がシステムエンジニアに向いている人だと」

 

「先輩、その手の求める人物像についてですが、それはIT業界にとどまらず、どの業界でも同じような事を言っています。正直ありきたりすぎて、IT業界においてなぜその3つが求められるのか?かが分からず、アピール出来ません。申し訳ありませんが、もっと深掘りしてなぜその3つが求められるのか教えていただけないでしょうか?」

 

「その理由としてIT業界で退職してしまう人の特徴というのが上記の3つが出来ない人なんだ。

 

システムエンジニアに求められる人物像【問題解決能力】

 お前はまだ現場を知らないだろうが、実際に仕事を任せられると、大抵はどんなエラーが起こっているのか見つけて修正する作業の繰り返しになる。だからエラーを見つけないといけないのだが、しかしそのエラーがどこから発生し、何が原因で起こり、そしてどんな風に解決すれば良いのか見出せない人がいる。

 

 また別の例としてシステムが正しく動かないからといって、その場しのぎの解決で済ませる人もいる。

 

 これの何が問題かと言うと、そんな風に矢継ぎ早に解決しているだけでは、その時はシステムが正しく動いても、後にその部分を含む修正が起これば、どんな風に修正しないといけないのか考えないといけない。しかもそれ1回きりであれば良いが、修正すると不具合が発生して、更にその不具合に為に、その場しのぎの修正を行い、また別の部分で不具合が生じと、矢継ぎ早に不具合が発生する状態に陥る。

 

 そんな継ぎ接ぎだらけの改修を進めていけば『一体どうやってこのシステムは動いているのか?』と依頼主から問われた場合、答えられなくなり『ちゃんとしたモノを作って下さい』と今までやった不適切な部分を全部見つけ出して、その度にテストを行っていく事をしないといけない。場合によってプロジェクト全体を見直す事になりかねないから、IT業界にはそんな出戻りを防ぐ為、本質的な問題解決が出来るIT人材が求められる。

 

 だからもし自己PRなどをアピールする場合、原因不明の問題に直面した時、どんな風に君はその原因を見つけ出して、そして解決したの?と妥当な調査や解決方法を確かめてくるから、相手が納得出来る方法を用意しておく事が大事だ。

 

システムエンジニアに求められる人物像【コミュニケーション能力】

 そしてこの手のエラーと言うのは誰が修正し、そして限られた時間のどの部分で修正作業を行うのか?テストも含めて時間の割り当てを行わなければならない。つまり問題発生時の情報共有が必要でチーム同士の情報連携が欠かせない職場だと言える。

 

 実際、開発現場を覗いてみるとエラーを見つけたらその見つけた人が修正すると言うよりも、開発改修専門のチームに修正を依頼し、発見者はどんなエラーを見つけたのか?その報告をするスタイルになっている。さっきも言ったが適切な修正が出来ないと継ぎ接ぎだからのシステムになってしまうし、システム全体を見通せない人が修正すると不具合が発生しやすくなる。だからIT業界では開発修正専門のチームを用意し、テストはテストする人のみで構成する役割分担形式で開発作業を進めている。

 

 だから情報連携も必要なんだが、それを疎かにする人がいる。

 

 実際、現場では別チームが修正の為にサーバーを止めた結果、その情報連携が出来ていなかったせいで、他のチームの仕事が滞る事になる場面によく遭遇する。そして遅れた分をどのように取り戻すんだと責任問題に発展し、責任の押し付け合いになるから、如何に遅れを取り戻すのかが課題になる。

 

 更にIT業界ってお客様の要件に沿ったシステム開発を行わないといけないから、お客様が求めているモノを正しく把握しないといけないから、チーム同士だけでなく、顧客のニーズについても把握出来るスキルが求められる。

 

 その辺の情報連携を疎かにした結果、進捗が更に遅れる、今まで作ったモノを1から作り直さないといけないなど良くあるし、最悪の場合、プロジェクト自体無くなるなんてケースが良くある。だから就活で情報連携の良さをアピールする場合、報連相の徹底や、不具合で遅れが生じた場合、どのように巻き返すのか?その辺のノウハウについて語れれば良いだろうね

 

システムエンジニアに求められる人物像【IT業界への関心】

 そしてITスキル取得に関しての強い意欲。これもIT業界で働いていく上で必要なスキルと言っておく。どうしてかと言うと、恐らくお前はシステム開発をしていく上でJavaだったり、SQLだったり、Linuxコマンドなど様々なプログラミング言語を覚えていくだろう。新卒未経験者の時は『プログラミングって1つの言語覚えれば動くんじゃないの?』と考えている人もいる。しかし実際にシステムを動かしてみると、複数の言語を覚えないといけなくて1つや2つの言語だけを覚えていれば良いという話にならないと知る。

 

 つまりこの業界は常に勉強が必要なんだ。更に恐ろしいのはこの手の言語は一定期間ごとにバージョンアップされ、今まで使えていたコマンドが使えなくなる事象も起こる。だから新しくなった仕様に対し、どのように対応すれば良いのか?その辺の柔軟性がIT業界では求められる。

 

 俺の知っている人の中にこれが出来ない人がいる。いきなりバージョンアップされ『あれ、何でエラーが発生するの?』と言ってきて、他の人はバージョンアップを疑って、公式サイトを見て対応するけれど、その人は勉強不足で公式サイトに書かれている専門用語を理解する事が出来ずに問題を放置。更に1度や2度だけでなく定期的に変わる為、その度に変化した内容が理解出来ず、周囲を困らせる事が起こる。

 

 だからIT業界の場合、スキルの習得も大事だが、スキルを習得する為の情報収集力も問われる。だからもしお前が就活でアピール内容を練る場合、資格取得などもアピールするのも良いかもしれないが、他にも様々な作業をしていたら思わぬ問題が発生し、対応しなければいなくなり、乗り越えた経験も話せれば良いだろうね。

 

新卒未経験でもシステムエンジニアに向いていると思われる自己PRの例

 さて今までの内容を振り返るにあたり、IT業界で働いていく為には四六時中発生するエラーを見つけて正しく解決出来る力、複数のチームと情報連携出来る力、そしてIT環境が変わった際に正しく対応出来る力が必要だと説明した。

 

 しかしこの手の経験は新卒未経験者の立場からすれば当然ない。だからアピールする経験として『初めての作業で、かつ外部的要因で問題が発生し、どのようにチーム一丸となって解決したのか?』そんなイメージが湧く経験があれば良い。

 

 1つの例として飲食店のアルバイトの話がある。東京オリンピックが2020年に開催されると思われていた頃、飲食店では全面禁煙の条例が発令され、喫煙者の利用客が減る問題に直面していた。だから居酒屋では新たな顧客を見つけないといけなくなっていたのだが、その時、たまたま働いたアルバイトが喫煙者ではなく外国人観光客を新たなターゲットとして取り込む店舗方針に協力する事になる。そして外国人観光客を取り込む為に世界共通のWi-fiやpaypalを利用出来るようにしたり、英語の書かれたパンフを外注で依頼し用意した。その結果、居酒屋は日本文化の1つであり、努力の甲斐あり、人気になりました。と、日本の法律で問題が発生しつつ、新たな顧客確保という初めての作業で、無事結果を出したという話は、様々な問題を解決するITエンジニアからしたら面白い話に聞こえる。

 

 更にここで重要なのが問題解決の為にITシステムを活用した話になっている。もしこれがチラシ配りや優秀な人材を採用するなど古典的な方法であればITに強いかどうか分からない。だから通信端末や決済システムなどのインフラを新しく導入したとなれば『ITの活用方法を理解している』と見てくれる。

 

 更に英語が出来るのも良い。なぜなら日本って海外と比べるとIT後進国と言われていて、実際、日本語で書かれた説明文が少ない。だからエラーが発生し、検索をかけても見つからないし、エラー内容も英語で書かれているから原因特定が難しい。だからエラー発生時、英語やgoogle翻訳などで検索し、無事原因を特定するスキルが結構現場では重宝されるから、英語で海外の情報を元に問題を解決したと話せれば更に良い印象を持つだろうな」

 

新卒未経験でシステムエンジニアになる為の志望動機の書き方

「先輩、先輩のおかげでシステムエンジニアとしてどんな風に働かないといけないのか見えてきました。ただ申し訳ないのですが志望動機の作成も手伝っていただけないでしょうか?IT業界ってSESやSierだったり色んな業種があるんだなと思いました。ですので志望動機と書く以上『なぜSES?』『なぜSier?』と応えられないといけないので、どう書けば良いのか教えていただけないでしょうか?」

 

「確かにIT業界に応募する為には各業種ごとに志望動機を変えた方が良いと思っている。ただ話を聞く限り、IT業界にはどんな業種があり、各々どんな風にアピール内容を練った方が良いのか分からない、そんな印象をお前から感じる。だから俺なりにIT業界にはどんな業種があり、そしてどんな風にアピールした方が良いのか?説明してみようと思う。

 

自社開発系IT企業の志望動機

 IT業界には大きく分けて3タイプの業種がある。1つは自分自らシステム開発を行いIT企業。会社概要欄に自社開発、受託開発と出てくればこの類に該当する。そしてこの手の企業の場合、未経験でも採用する理由は『規模の拡大を狙っている可能性がある』からだ。

 

 この手の自社開発系企業の場合、無論ITスキルを身に付けている人材が欲しいと言うのが本音だろうが、それだと本当にITスキルを身に付けている人しか採用出来ない会社になってしまう。

 

 日本の場合、プログラミング教育はまだ始まったばかりだから、ITスキルを身に付けている人材など極少数としか言いようがない。だから競争社会で生き残る為にも、人材の確保が重要だろうし、その為にも会社自らIT人材を育てあげる。そんなインフラ作りを進めなければならない。だから未経験でも採用する理由と言うのは全く無知な人を採用してもちゃんと優秀な人材に育てあげられるそんな会社にしようとしているからだと言える。

 

 だからこそこの会社に入る為には、世の中を良くしていこうと規模の大きい何かしらの目標を持っている事が望ましい。つまり地元のビジネスだけで良いと考えているのではなく、日本全国にこのサービスを広げていこうと言うようなそんなスケールで考えている人が良い。

 

 だから志望動機を作成する上では、志望先のIT企業が具体的にどんな分野に力を入れていて、その分野が今後どういう風に成長していくのか?その辺について調べた上で『私もその中の一員になって世の中を良くしていきたい』みたいな内容にした方が良いだろう。

 

 ただ上記の場合、学生時代にがんばった事として、単なるアルバイトからから店長補佐に任命され、店舗運営を任された位のスケールアップが欲しいところだ。要は働いている最中、様々な問題を見つけ出して、どのように改善すれば更に上のステップに進める事が出来るのか?その辺の思考を持っていると分かるような経験があれば良いね。この手の自社開発企業の場合、自分でプログラムの問題を見つけ出して、最適な解決方法を見つけ出したり、提案したりしないといけないから、更に良いモノを作る為の行動力を志望動機などに含めれば良いだろうね。

 

 今の話を聞く限り、自社開発企業はかなりレベルの高いスキルを求めているのだな。と感じるだろう。だから大抵の未経験者は比較的入りやすいIT企業に就職し、実績を積んでから自社開発を行うIT企業に転職するステップを踏む。だから未経験者の就職先の候補として比較的に入りやすいSES企業というのがある。

 

SES系IT企業の志望動機

 SES(システムエンジニアサービス)企業と言うのはお前を正社員として採用し、そしてお前を色々な企業に派遣させて開発経験を積んでいくスタイルを取っている。

 

 なぜこのSES企業は新卒未経験でも入りやすいIT企業なのかと言うと、最初のウチは誰でも出来るような仕事しか渡されないからだ。

 

 前にも話したと思うが、システム開発においては、システムが新しく動くかどうかをテストしないといけない時がある。更にそれは1部分の修正であっても、システム全体の動作確認を行わないといけないわけだから、テストの段階で大量のエンジニアが必要になってくる。だから大手IT企業は、その時にだけ下請け企業から人材を派遣してもらい、テスト業務をやってもらう形を取る。

 

 SESと言うのは、まさにそんな下請け業務を請け負うIT企業と言えて、大抵のテスト業務はシステム画面を動かして、ちゃんと要件通りに動いていますよと画像を撮って残す作業の繰り返しだ。正に誰でも出来る仕事と言え、だからこそ新卒未経験者であっても採用してくれる企業と言えるだろうな。だから仮にお前がそのIT企業に就職した場合、テスト作業を行う傍ら、エラーを見つけて、先輩達がどのように修正するのかを見て開発スキルを磨いていく事をしないといけない。

 

 そしてこのIT企業に就職する為にも志望動機は『様々な業界で働いてみたい』と言う言い方が望ましい。この仕事で求められるのは、派遣先で任された仕事の業務の効率化や、クオリティー向上になる。だから様々なニーズに応える為にもITスキルを身に付けてみたい。と思っていて、かつお客さんのニーズに応えたり、または様々な作業の効率を上げてみたいと言った志望動機が妥当になってくる。だから学生時代の経験として様々なアルバイトを掛け持ちして、その仕事の質を上げていき、それが楽しかった、みたいな内容にすれば良いだろうな。

 

スタートアップ系IT企業の志望動機

 さて自社開発系と人材派遣系のIT企業について紹介した。だから大抵の就活ではこの2つのどちらかに行く事になるだろう。ただその上でもう一つ紹介しないといけない業種がある。それはスタートアップ系のIT企業だ。

 

 これはIT開発と言うよりもその会社が作っているシステムを販売する営業マンとして働く企業の意味合いが強い。だからIT企業で働いてみたいと思っているお前からすればニーズに合わないかもしれないが、ポテンシャルの高い人からすれば、どんなシステムが世の中に受け入れられ、そんな個人レベルで開発したシステムをどのように宣伝、販売すれば1つの会社と成り立つのか?を知る事が出来る。要は将来、自分の開発したシステムで食べていきたいと思っているなら、そのシステムをどのように軌道に乗せるか?知れる企業だと言え、1つの就職先になっている。

 

 実際、スタートアップ系の企業で働くと営業として様々な企業に訪問するのは勿論だが、システムの理解を深めたいといけない為、エンジニアの人達と色々と相談して、その傍ら、プログラミングについて否が応でも心得ないといけなくなる。だからスタートアップ系IT企業に就職すれば独立する為の必要なスキルを身に着けられる。

 

 最初の2つで紹介した自社開発やSESは開発スキルを身に付けても『どうやって販売すれば良いんだ?』と言う事になって、エンジニア一筋の人生を送るリスクがある。だから本格的な販売方法について心得たいのであれば、どちらかと言えばこのスタートアップ型企業をオススメする。

 

 仮にお前がこのスタートアップ系企業を志望するのであれば、志望動機は『自分で考えて時代を切り開き開いていける人間になりたい』と言う内容が良い。

 

 スタートアップ系企業の場合、大抵は少数精鋭で活動するわけだから、自ら考えて行動する人材が求められる。そしてそういう人達は大抵、自分の考えた事柄が世間に受け入れられる事を喜びに感じたりするから、独りよがりと思われるかもしれないが、そんな個人プレーが許される場所でもある。だから志望動機に書く内容としては学園祭の店舗運営を自分一人で企画した、地方の店の食材の仕入れから販売まで全て自分で行ったなど、ビジネスを0から立ち上げて成功した経験があれば良いだろうね。

 

新卒未経験でもシステムエンジニアになれる確率を上げる方法

 

「先輩、ありがとうございます。これでどのように志望動機を書いて、アピール内容を練れば良いのかイメージが付きました。後は自分の経験をもとにどのようにアピールするか考えたいと思いますので本日は本当にありがとうございました」

 

 「そう言ってくれるとこっちも助けた甲斐があるってもんだ。せっかくだからもう少し今後の就活に対してのアドバイスをしようと思う。

 

 なぜなら結局のところ、俺が今まで説明した内容は単なる仮説に過ぎず、その年によって企業によって求めるニーズやアピール内容は異なってしまう。だから仮に俺の言う通りアピール内容を練っても『未経験の人は採用しない』企業に出くわす可能性が出てくる。

 

 そうなると大変だ。無駄な時間やお金、そしてなんで落ちたんだろうとそんな精神的にも嫌な思いをする事になるだろう。だからこそ今後の就活においては、ちゃんと新卒未経験でありながら、採用しようとする意思がある企業と面接出来るようにしておく必要がある

 

「そんな事可能なんですか?私の知る限り就職活動と言うのは、面接に行って、初めて向こうが求めている人材が分かるようなシステムになっているので、面接を受ける前の段階でそんな事が分かるなんて思わないのですが?」

 

「俺が学生時代にやっていた方法なのだが、俺の場合、OfferBoxというスカウト型就活サイトを利用していた。このスカウト型就活サイトと言うのは、リクナビやマイナビのようにこっちが企業に申し込むのではなく、俺が掲載した内容を見て企業側の方からアプローチをかけてくれるスタイル、要はスカウト採用型の就活サイトだ。

 

 大抵のIT企業って、未経験者歓迎って書いておきながら、内部事情によって採用を控える場合もあるから、正直にあてにならないところがある。リクナビやマイナビの場合、一度金を払えば13カ月間求人広告を継続して載せられるから、 13ヶ月前の古い情報が平気に掲載されていたりする。更に継続募集の場合、もっと前の内容がそのまま載せてあるケースもあるから、採用情報しか頼りにならない就活生からすればリスクのある就活と言える。

 

 だから今でも、未経験の人でも採用する意思がある企業を見つけ出す必要があるのだが、そういうのはお前の言う通り面接に行くまで分からない状態にある。しかしスカウト型就活サイトであれば、実際に何かしら頑張った事を書けば、自分の知らない魅力に気づいて「この子と会ってみようか」と言う形となり、無駄な面接や時間をなくす事につながる。

 

 実際、俺のケースだけどもともとIT経験なんて持っていなかったから、どんな部分を見て評価してくれるのだろうと不思議に思っていた。だからスカウト面談の段階で『アルバイトを掛け持ちして、各どんな風に評価されたのか』『店長補佐にも任されたり、また全面禁煙条例を発令されて今後飲食店ではどんな風な働きぶりが求められていると思う? 』などを尋ねられて、正に俺が今まで説明した志望動機の作り方にマッチしているだろ?

 

 IT業界の仕事ぶり心得ていない人からすれば、なんでそんな質問をしてくるのだろう?と思うかもしれないが、このスカウト型就活サイトと言うのは『なんでその質問をしたのでしょうか?』と訊ける。だから採用側の人達の思いや、そしてどんな人材を求めているのかどうかその時初めて知り、そしてなんでそんな質問をされたのかこの時に初めて分かったんだ。

 

 だから俺が今まで説明した内容は、俺が就活をやっていた時に通用した内容でもあり、だからこそこの時期にお前はどんな風に評価されるのか、 蓋を開けてみないと分からない。だから俺のオススメとして、この手のスカウト型就活サイトを利用して、IT企業の人達と出会い、今どんな人材を求めていて、お前のどんな部分に期待しているのか?その辺を知る上でも、結構役立つのではないかと思っている。