「採用する気がないのに書類選考を通過させ面接までする会社ってどんな会社?」
「何のために面接に呼ぶのが理解できない!」
「採用する気がない企業を避ける方法なんてある?」
世の中には空求人と言い採用する気がないのに求人を出す企業が存在します。そして中には書類選考で落とさず、面接にまで呼んで落とし、時間や交通費が無駄にする企業も存在します。
なぜそのような事が起こるのか?その主な理由として『本当は残り1枠だけど優秀な人材を確保したいから10人呼んでその中の一番優秀な人を採用する』など残枠より過剰な人数を応募したりするケースだったり、『満員になったけど求人掲載取り消すのが面倒だから放置しよう』など採用する気が無いのに掲載を取りやめない所もあります。就活生、または転職希望者からすれば『せっかく履歴書を書いたのに初めから落とすつもりなら書類選考で通さないでほしい』と思うかもしれません。
しかしこの手のやり取りは1社2社だけでなく、多くの企業で行われている為、時間や資金を無駄にしたくない就職希望者からすればこの手の企業を避ける方法を身に着けたいと思われます。ではこのような空求人の被害を避ける為にも、具体的にどのように回避すれば良いのか?ここでは実際に空求人の被害に遭った就職希望者が人材斡旋会社で働く先輩社員との会話形式で、空求人の対策について説明したいと思います。
採用する気ないのに面接に呼ばれる例①
「先輩、どうして企業の中には採用する気が無いのに面接まで呼んで受けさせる企業が存在するんですか!?」
「・・・一体どうして初めから採用する気がないって分かったんだ?」
「実はこの間、面接を受けたんですが、なんか面接官が嫌々入ってきて『では面接を始めます』とぶっきらぼうに言ってきたんです。はじめは圧迫面接で自分のメンタルでも見ているのかな?と思ったんですが、こちらの顔を見ず、ずっと無愛想の表情でこちらに向かずにずっと話していました。
そして『・・・が出来ます。どうでしょうか?』と尋ねてみたのですが、『え~、ではあなたが頑張った事はなんでしょうか?』とこちらの質問に答えず、次の質問をされました。明らかにこちらの話を聞いていなくて、形式的に面接をしていた事が分かりました。しかも本当は面接は1時間の予定だったのですが、15分足らずで終わり、そして後日不採用の結果を貰って、面接の前の段階で合否が決まっていたとしか思えませんでした。一体どうして初めからこちらの話を聞くつもりがないのに面接まで呼んだのでしょうか?はっきり言って理解不能です!!」
「・・・よくある空求人って奴だな。採用枠は残り1つしかないのに、優秀な人材を確保するために、人数を多めに求人に書いて、実際に多く来てしまうケースがある。恐らくだが残り1枠しかないのに相当数の人数が来て、不幸な事にお前は落とされる側に入ってしまったのだろう。日本ではこんな理不尽な事がある。人手不足と言われている今、多くの人材を集められた方が優秀な人材は確保しやすいし、こんな酷い事をしている企業の方が逆に生き残れる確率が高くなるからね。必要悪という奴もいるだろうが、振り回される就活生からすればたまったもんではない」
「そんなのふざけんな!って思いますね。こちらからすれば履歴書を書いた時間や、その企業に行くまでの交通費や時間を無駄にしているわけです。初めから採用する気がないのであれば、書類選考の段階で落としてくれれば良いのにどうして企業は面接をしてまで就活生を企業に呼ぶのでしょうか?」
「お前を不採用にするかどうか決まったのは書類で通過した後だったのだろう。例えばお前が面接に来る前に何人か面接を受けていて、その中から採用する人物が決定したのだろう。そして面接に来たお前を適当にあしらった。というのが1つの仮説だ。まぁ、他にも『面接に来て貰って悪いが実は採用する人間が決まって君を採用する枠がなくなった』なんて正直に言ったら就活生の中には『ふざけんな!だったら必要以上の人数枠を設けるな!』なんてクレームを入れられ、ネットに書き込まれるリスクがある。就活生の適当なコメントが企業のブランドイメージを下げる事に繋がるかもしれないし、そんなリスクをするくらいなら『厳選な審査の結果』という形で理由を提示せずに終わらせた方が無難だろう」
「ひどいですね。自分たちの都合で、内定が欲しくてたまらない就職希望者の気持ちを疎かにするなんて」
「まぁ、時間もお金もあまりない就活生の立場からすれば怒りたい理由も分かる。ただ残念な事にこの手のやり口は社会に出てからよくある事だから、理不尽さを訴える事よりも、もはや必要悪として受け入れて、回避する方法を見つけ出した方が利口だ」
「・・・まぁ、訴える事よりも、先ずは内定という考えは分かりますが」
「それにこういう事は入社してからもよくある。例えば仮にお前がある企業に訪問して自社商品を紹介する営業マンになったとする。そうなれば当然様々な企業に訪問する事になるのだが、商品の魅力や市場動向など散々説明された挙句、最後には『残念ですが、御社の製品ではなく、B社の製品を採用致しました』と断られる事なんてざらにある。
要は始めの段階から採用する気がないのに市場分析させて調べる手間を省かせる酷い人達も沢山いる。だから腹立たしいが社会に出るとこの手の事は良くやられるから、ある程度、腹をくくった方が良いぞ」
採用する気ないのに面接に呼ばれる例②
「ただ先輩、他にも『君を採用するから待っててね』なんて言っておきながら後日不採用の連絡をよこす企業もありました。採用するって言っておきながら不採用にするって一体どういう事でしょうかね」
「多分それは面接官に採用する権限がなかったパターンじゃないかな。お前がどういうアピールをしたか知らないが、面接官の中には自分が面接の裁量権を全て握っているなんて勘違いしている人がいる。
どういう理由で採用しようとしたかは知らないが、共通の趣味があったとか、または英語が話せるなんて一部分の魅力だけで採用しようとする人がいる。しかしその後、更に上の上司に採用する意思を伝えると『英語が話せても、ウチで英語を使う場面なんてあるか?』と指摘されてしまい、採用許可が下りず、結果、不採用になった例も良く見たよ」
「なるほど、確かによくよく考えれば面接官だけど会社の今後に関わる重要な人事で面接官一人で決めるなんておかしな話ですよね。採用理由については人事や上司に報告しないといけない関係上、面接での雰囲気だけで全て決まるなんて考えてはいけませんね」
「そう、このように人事採用においては社員同士の連携がうまくいっていないケースも多々ある。俺の知っている他の例でせっかく優秀な人材が来たのに社長が勝手に自分のお気に入りを採用して、なくなる優秀な応募者を手放すなんて事もあったよ。だから面接の段階で採用の是非が決まっても絶対大丈夫なんて思わない事だ」
採用する企業の見分け方や対策
「色々とお話を聞く限り、面接の段階で合否が決定するなんて事は逆に考えない方が良いみたいですね。しかし面接に来る前に既に不採用と決まっている企業の面接は避けたいですね。先輩なら、どうやってそんな会社を見極めて回避しますか?」
「俺の場合だったらスカウト型の就活サービスを利用するね」
「スカウト型就活サービスってなんですか?」
「わかりやすく言うなら、リクナビのような応募型とは違い、事前に自分の載せたプロフィールを見て、その内容に関心を持った企業からのスカウトされるスタイルの就職サイトだ。これだと始めから採用する気のない就活生に声をかける可能性は低くなるし、差別の要因とされる性別、顔立ち、学歴などの被害から免れる事が出来るサービスとも言える」
「先輩、今の話を聞いて思ったのですが、そんな学歴や性別などで採用したい人材が決まっているのであれば『男性のみ』『高学歴のみ』なんて書けば良いのでは?そうすれば私が応募すべきではない企業は見分けられますし」
「そんな簡単な話ではない。なぜなら日本の法律では差別的な表現を広告に書く事は禁止されているんだ。例えば『健康な人』と書けば障碍者に対する差別になるし、男性のみという表現も男女雇用機会均等法という『男性と女性は同じ人数採用する』という法律違反に該当する。
だから男性のみの採用は社会的に許されていないのだが、企業の中には『求人票には男女制限がないように書くが、実際に女性の応募が来た場合、面接で落とそう』と考えて、採用する気がない女性を書類提出や面接来訪で落とす企業もいる。だから就活では自分を採用する気のない企業を事前に見抜く。そんな事が必要になってくるんだ」
「ああ、だからスカウト型就活サイトを利用しろ、って言っているわけですね。求人票で判断するのは難しいから、自分のプロフィールを見てオファーが来るスタイルであれば差別されにくいと」
「その通りだ。更にお前、落とされたという事はこれから新しい企業を見つける段階なんだろ。このスカウト型就活サイトのもう一つの魅力として『どうして自分を採用しようとしたのですか?』と聞ける点だ。
従来は新しい企業に応募する段階で『どんな企業なのか調べなきゃ』って業界分析をしないといけなかったけど、中小企業となると情報が少なすぎて何をアピールすれば分からない事があるだろ。だからプロフィールに自分の強みのみを書いて、そしてそれに興味を持った企業に対し『どうして自分をスカウトしたのですか?』と聞いて、自分の魅力を確かめたり、この会社がなぜ自分を採用しようと思ったのか?働ける可能性について聞き出せばアピールの仕方が見えてくる。
実際、俺の場合、居酒屋のアルバイトをしていた際、『居酒屋のアルバイトであればビールなどのアルコール商品の販売について知っているのではないか?と思い、声をかけた』とビールメーカー企業から声がかかったり、他にも居酒屋などにIT端末を販売するIT企業からもオファーがあり、畑違いの業界からオファーがある事で、自分のあらゆる可能性が見えてくる。
新卒採用の人の場合、さっき言った学歴や性別で差別されないようにする為、予め分かった上で面接案内を出してくれるOfferBoxというのがあるし、既卒や早期退職者だと分かった上で審査してくれるマイナビジョブ20’sスカウトというのがある。今の時代、リクナビではなく、別のアプローチで内定を取る人がいるから、やはり他の人とは違うやり方をしないと内定は取れない。
だからこれから就職活動をやり直すのであれば『なぜ自分に興味を持ってくれたのですか?』と聞ける就活サイトを利用すれば、空求人に被害に遭わず、自分の強みを再認識し、そして自分を求めてくれる企業を見つける事へと繋がると思うぞ」
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