やりたいことがないのに内定を取る就活生

 

『やりたいことがないせいで志望業界が決まらない』

『なりたいものがないせいで、どの業界も興味ない』

『やりたいことがない。病気?わからなくなってきた

 

 就活生の中には、やりたいことが見つからず、志望先を決められない、興味のある業界がないなど、何がしたいのか分からなくなっている就活生はいると思います。

 

 その為、必死でやりたいことを見つけようとするが、就活と言うのはやりたいことがあっても内定が取れない現実があり、就活ではやりたいことを見つけるだけでなく、面接官に本気だと思わせる言い方も心得なければなりません。

 

 では具体的にどうやってやりたいことを見つけて、アピール内容を練っていけば良いのか?ここでは実際に新卒採用の裏側を知っている面接官の視点でやりたいことをどうアピールすれば良いのか説明したいと思います。

 

スポンサーリンク
スポンサーリンク

やりたいことがない場合、どうすれば良いのか?

 

『やりたいことが見つからないです』

 

 俺のところにはそんな悩みを抱えてやってくる就活生が多くいる。俺は大手人材派遣会社に勤めているが、就活の繁忙期には俺自身、各企業の面接官として駆り出され、大手面接の新卒採用活動を行っている。更に俺は副業として、就活生のエントリシートの添削サービスで稼いでいる為、内定を取る就活生がどんなアピールをしているかも知っている。だから俺は大手面接の裏側や内定を取る為のノウハウを知っており、今回は『やりたいことがない』と悩んでる就活生向けにアドバイスしてみたいと思う。

 

 やりたいことがない。就活では志望動機や熱意の高さを求められ、更に自分が本当にその企業で働きたいのか、自分のやりたいことを明確にして、志望先を決める就活生がいる。しかし中にはやりたいことが見つけられず、それどころか働きたくない気持ちが本心だと分かり、真面目な人だと『俺はなんてダメな奴なんだ』と責めてしまう。

 

 ただ俺から言わせれば大手から内定を取る就活生というのは本心からやりたいとは思っていない。実際、労働とは辛いモノで、それをあたかも心の底からやりたいなんて矛盾した言い分と言える。実際、俺の相談相手の中に『働きたくない』と言っている人が数多くおり、最終的にはやりたいことではないが、このままだと無職になっちゃうから、とりあえず内定を取ったという人ばかりだ。つまり大半の就活生は心の底からやりたいことを見つけずに内定を取っている。

 

 その人はどうやって内定を取ったのか?その理由は色々とあるが、その人達は本音と建前の使い分けが上手く、面接官にとって響きの良いアピールをしている人が目立った。更に言えば、就活生の中にはやりたいことを見つける為には自己分析を始める人がいるが、俺個人の見解として『やりたいことを探し出しても就活では成功しない』と思っている。

 

 なぜやりたいことを見つけても就活では成功しないのか?それは就活ではやりたいことを本気で見つけようとすると内定が取れないという構造的な欠陥が存在するからである。

 

やりたいことを本気で見つけようとすると内定が取れない問題

 

 例えば仮に『野球選手になりたい』と言っている人がいたとして、更にその人自身が野球自体やった事がないと分かると多分ほとんどの人が『君は本気で野球選手になりたいの?』と思うだろう。要はやる前からやりたいなんて言っても説得力がないのだから、先ずは色々と経験してから言うべきなんじゃないの?と思われる。

 

 そして思い出してほしいのだが、就活生の殆どは働いた事のない人達ばかりで、なのに自動車業界や石油、化学など就活生が経験する事が出来ない志望先に対し、『御社で働きたい』と言わない。そしてそう言えば、当然、『未経験者なのに何でやりたいと言い切れるの?』『君は弊社で働く為に何かしてきたの?』と答えづらい質問されてしまう。

 

 このように就活では未経験者であるにもかかわらず『御社で働きたい』と言わされる為、説得力のないアピールをされてしまうのである。まぁ、だから就活生の殆どはこの事実を知った後、自己分析などを行って『自分は過去、こんな事をやってきたので、だから御社で働きたいと思っています』と無理やり自分の経験に紐づけてアピールするが、成功しない。要はそんな取って付けたかのようなアピールをしてもその場しのぎの言い分としか思われず、本気度が見えづらい。

 

 俺自身、おかしいと思っているが、就活というのは未経験者である就活生達に対し『やりたい』と言わせて、本気度を見てくる。そして学校や大学で学ぶ内容は会社で働く為に必要な実践的な内容ではない為、あまり印象に残らない。その為、『やりたい』と本気を思わせたいのであれば小さい頃からコツコツ頑張ってきた話をしないといけなくなるが、そんな頑張った経験がある人は少数で、だからこそ、未経験者でも内定が取れるアピール方法について模索しないといけないのである。

 

やりたいことを本気でも内定が取れない問題

 

 では小さい頃から頑張ってきた人が報われるのか?と言われるとそんな簡単な話ではない。例えば仮にあなたの面接で『将来、こういう事をやってみたいと思い、その為に私は小さい頃からこんな事をしてきました』と言えたとする。しかし面接で『では仮に希望通りの部署に配属されなければ君はどうする?』と本気度が逆に足かせになる質問をされる。

 

 なぜこんな意地悪な質問をされるのか?日本にはジョブローテーションと言って、3年に1度部署替えを行う。要は3年に1度は専門外の仕事をさせられ、総合力のある人材を育てようとしてくる。だから仮に本気でやりたいことがあったとしても、結果、自分の興味のない部署に配属させたらこの就活生はどうするのか?と面接官に思わせてしまうのである。

 

 実際、想定外の壁にぶつかり、結果『こんなはずではなかった』と退職してしまう人が全体の3割もおり、就活ではやりたいという気持ちが本物でも採用されない壁がある。

 

 よくある代表的な例として『鉄オタなのに鉄道業界を辞めるのはなぜか?』という話がある。鉄オタであれば当然鉄道に関心があり、JRなどの鉄道業界に就職するのが当たり前、と考える人がいる。しかし実際に鉄オタがやりたいことと、鉄道業界でやらないといけない事は違い、それが原因で鉄オタでも辞めてしまう事が続出している。

 

 その理由として鉄オタの場合、各地方の鉄道を写真に収めたり、または記念品を買ったりするが、鉄道業界の実際の仕事は酔っぱらいの相手だったり、満員電車への対応、または人身事故の対応もしないといけないなど、鉄オタ時代の活動とは異なる。

 

 おまけに鉄道業界というのは電車を1秒単位で動かす関係上、社員同士の連携や、またミスや体調不良などの管理不備も許さない社風がある。要は自分一人で自由に活動出来た鉄オタ時代とは違い、人間関係に合わせないといけなければならず、更に大好きな鉄道の趣味に費やせる時間が少なくなってしまい、やりがいを感じず辞めるパターンに陥る。その為、このように同じ鉄道でもそれがやりたい仕事とは限らないのである。

 

就活で求められるやりたいこととは具体的にどんなモノか?

 

 では具体的に就活で求められるやりたいこととはどんなモノか?

 

 先ほどの鉄オタの例では辞める人を例に説明したが、当然、鉄道業界で働き続けられる鉄オタも存在する。その人はどんな事をしたくて鉄道業界に就職したのか?

 

 その1つの例として

『鉄道業界は大勢の人が使う関係上、多くの人生を支える仕事だと思っています。その為、そんな大勢の人達を支えられる鉄道業界の人達に憧れており、その中の一員になりたいと思いました』

 

 と、鉄道業界で働いている人達や仕事に対する憧れから働ける人が目立つ。実際、鉄道業界の面接をしていた際は『なぜインフラ業界を志望しているのか?そこを重点に調べてくれ』と依頼され、志望動機を調べていた。

 

 鉄道業界とは電気やガスと同様に社会インフラの1つである。その為、毎日、安全運航が出来るよう毎日同じ仕事を繰り返し行う事になる。その為、人によっては新しい事に挑戦しない為、物足りなさを感じ、鉄道だけでなく、インフラ業界の採用担当者からは『毎日同じルーティングでもやりがいを感じる就活生なのか調べてくれ』と言われている。

 

 鉄道業界のようなインフラ業界というのは、仕事の終わり『今日も何の問題なく終わりましたね』と何の問題もなく終えた事に誇りを感じ、毎日そんな仕事を続けていく事にやりがいを感じる人でないといけない。それ故に、新しい事に挑戦する仕事というより、毎日当たり前の事を当たり前にこなす責任感の強い人材がこの業界に向いている事になる。

 

 このように就活で求められるやりたいこととは

『仕事で苦労する事で得られる”やりがい”に興味がある』

 

 というパターンでないと内定が取りづらい。

 

 就活生の中には『食べる事が好き』だと言って食品業界を志望する人もいるが『弊社は自社の食品を飲食店やスーパーに卸す仕事をしているんだ。だから君はなぜ自社の商品を飲食店やスーパーに卸したいの?』と言われてしまう。

 

 要は好きな料理を食べ続けるのが仕事ではなく、特定の食品を使って、飲食店やスーパーの責任者と話し合い、どんな食品をどのくらい卸してほしいのか?相談する仕事である為、『食べる事が好き』というやりたいことは的外れなのである。それ故にやりたいことをアピールするのであれば、志望先の仕事を正しく理解した上で『やってみたい』と言わないといけない。

 

 ちなみに食品業界の志望動機の模範解答として

私は小さい頃から料理を作るのが好きで御社の調味料もよく愛用しておりました。そして御社では飲食店に食品を卸す仕事をしている事を就活で知り、私自身、今まで自分の作ってきた料理の経験をもとに飲食店のオーナーとどんな料理をお客様に提供すれば良いのか?と一緒に考えられると思い、御社を志望しました

 

 と、卸売り先の飲食店のサポートや、食のニーズに答えていく仕事に面白みを感じている。と言って”やりたいこと”をアピールするパターンがある。

 

 その為、やりたいことが見つける為には先ず、志望先の業界ではどんな風に働き、その上でどんな風にやりがいを感じるのか?その辺を調べていけばアピール内容を練られると思っているので、次はそれをどのように見つければ良いのか説明したい。

 

やりたいことがないのに大手から内定を取る就活のアピール

 上記のようにやりたいことがないと悩んでいたとしても、未経験者の立場なのだからやりたいことが分からないのは当然で、そして本当にやりたいことを見つけても『では君の希望する仕事が出来ないと分かったらどうするの?』と質問され、やりたいことが分からなくなってしまうパターンに陥る。

 

 その為、仮に希望通りの部署に配属されなくても

『例えやり方が違えど、お客様の為に頑張る事には変わりがなく、○○部署も○○という形でお客様に貢献出来る素晴らしい仕事だと思っております。その為、予定通りではありませんが、○○でも頑張って、お客様から信頼を得られる人になりたいと思っております』

 

 と言えるようにした方が良い。

 

 このように就活では本気だと思わせる『モノの言い方』が求められる。

 

 就活ではこのように面接官に本気だと思わせる『モノの言い方』と心得た就活生であればあるほど内定が取りやすくなる。実際、各業界の面接では志望先の仕事について詳しかったり、成果をあげる為にどんな努力をしないといけないのか、を言える就活生であればあるほど内定が取れる。

 

 就活と言うのは情報戦であり、その情報を持っていた人が有利になっていく。では具体的にどうやって内定を取る為に必要な情報を入手出来たのか?ここからはやりたいことがない状態から、無事、内定を取るまでに必要なノウハウを得る事が出来た就活生の例を紹介してみたいと思う。

 

やりたいことがない状態から内定を取るまでの例

 

 やりたいことない状態から内定を取る就活生は何をしたのか?色々と方法があるが、誰でも出来る方法として『待ちの姿勢』で勝負するパターンがある。

 

 就活サービスの中には、リクナビとは違い、自分の頑張った経験を載せて、それに興味を持った企業がオファーを出してくれるスカウト型就活サイトがある。

 

 要はやりたいことがないのであれば、先ず自分が学生時代に頑張った事を載せて、それに興味を持った企業がオファーをかけてくれるスタイルに変えれば、例え興味のない仕事でなくても、興味を持つきっかけになりうる。

 

 実際、やりたいことがないと悩んでいた就活生がいたのだが、スカウト型就活サイトに変えてから、自分には無理だと思っていたIT業界からオファーが来た。その就活生は文系で、ITの知識は全くなかったが、居酒屋のアルバイト経験があり、居酒屋向けにシステム開発を進めているIT企業だった為、居酒屋の働き方について知っている人が採用候補になっていた。

 

 なりたいものがなかったが、IT企業で働けるのであれば、将来、自分のホームページを作成し、独立出来るのでは?と思うようになり、やりたいことを見つけるきっかけになった。

 

 その為、やりたいことがないのであれば、先ずは自分の出来る事をアピールし、そして志望先を絞り込んでいくやり方をしていくのも良い。スカウト型の場合『なぜ自分にオファーを出してくれたのですか?』と聞ける為、自分の経験が志望先にどんな風に役立つのか聞け、働ける業界を見つける事にも役立つ。今回の場合、居酒屋のシステムに関してだったが、他にもコンビニのバイト経験であればマーケティング関連の企業だったり、アニメ関連の趣味であれば娯楽系の企業からオファーが来たりする。

 

 その為、自分のやりたいことを見つける上では、自分に出来る事が分かってから、見つかるパターンもある為、向こうから声をかけてくれるこの就活サイトを利用して、やりたいことを明確にしていけば、少なからずやりたい事が見つからずに立ち往生する事は避けられると思うぞ。