求人が大卒以上ばかりで『なぜ?』と嘆く20代就職者の例

 

『求人に大卒以上が多いのはなぜなのか?』

『最終学歴が高卒のせいで求人に応募出来ない』

『なぜ大卒ばかり優遇されるのか?』

 

 大卒しか取らない企業が多いせいで職に就きたくても就けない人は沢山いると思います。高卒であっても自分はもう20代で更にバイトなどでそれなりの経験を積んでいる。だから大卒と高卒との違いにそれほどの差があるわけではありません。

 

 しかし求人票を見てみると、ほとんどの応募条件が大卒となっていて、学歴で判断される事にショックを受けるかと思われます。なぜこんな理不尽な目に遭うのか?そんな疑問を拭えずに困惑する人はいると思います。

 

 その為、ここでは実際に求人が大卒以上ばかりのせいで就職に苦労する20代男性が、人事採用の仕事についている先輩と相談しながら『なぜ企業は大卒ばかり求めるのか?』その理由について高卒で求職中だが、応募条件が大卒で困っている人の体験談形式で正社員採用される為のノウハウについて紹介しております。

 

応募条件に『大卒』と書かれているせいで苦労する高卒求職者の例

 

「何で正社員採用の応募条件には”大卒”と書かれているものが多いんだ」

 

 そう嘆く俺は高校卒業後、一度は就職したが、人間関係に恵まれず直ぐ退職。今日までの10年間、アルバイトや派遣を繰り返しながら稼い出来た高卒者だ。

 

 もともとこのままフリーターでも良いかなと思っていたが、大学卒業後3年以内に再就職する人が多かったり、また30歳以上になるとバイト先を選べないと愚痴をこぼすバイト仲間をたくさん見て、年を取れば働きづらくなる現実を目の当たりにする。

 

 だから人生初めての就職活動をしてみたのだが、求人情報を見てみると応募条件に大卒と書かれていて俺が応募出来ない所が殆どだと知る。俺はもう20代後半、確かに大卒と比べれば経済学部や法学部と比べ専門知識は劣るのだろうが、バイト先で大卒の後輩を何人も育て、会社された事だってある。大卒と比べ劣ると思えない

 

 だから俺自身、何で20代後半になっても高卒という学歴で差別されるんだ!と腹立たしく思った。

 

 その為、俺は求人雑誌にめぼしいモノは見つからなかった為、俺は人生初のハローワークを利用してみる事にした。しかし面接では

『なんで大学に進学しなかったの?』

『その歳になってまで就職しなかった理由は?』

 

 など言われ、最後にはため息混じりの返事をされ、採用する気がなくなったと見えた。最早、支援というより、自分の人生を馬鹿にされたかのような対応をされた。

 

 本来であれば俺のような求職者に対し、職に就けるようにするにアドバイスするのがあんたの仕事だろうに、何で『あなたは仕事が出来ない』みたいな事を言って終わりにするんだよ。これだから成績関係なくクビにならない公務員って言うのは逆効果なことをしてもお咎めなしで、助けにならない。本当に腹が立つ。

 

 そもそもあんなヤツの言い分が通じるのも、全てがハロワに頼らざる得ないシステムになっていて、大半の応募条件に大卒と書かれているのが原因だ。

 

 もう20代後半となった大人なんだから、18歳の高校生と同じと考えず、 1人の大人として見てもらいたいものだ。

 

 世の中は人手不足や売り手市場だと言っているにもかかわらず、いまだにこの国はバイトで十分に働いてきた経験があるのに、学歴だけで判断してくる。どちらかと言えばこんな働きたい意欲の溢れた若者に対し、十分な仕事斡旋が出来ないシステムの方に問題があると言わざる得ない。

 

 だから俺は高卒で就職に成功したバイトの先輩、しかも人材採用の会社に就職したと聞いたもんだから、なぜほとんどの応募条件に大卒と書かれているのか?その辺の理由について詳しく聞いてみようと思う。そして先輩から高卒の状態から、正社員になれる方法について詳しく聞いてみようとも思う。

 

応募条件で『大卒』と多く書かれている理由

 

「と言うわけなんです先輩、ハローワークに行っても門前払い、さらに高卒と言うだけでどこの求人サイトも、大卒しか受け付けないと言うことで、就職出来ないです。なんでほとんどの求人は高卒者を受け付けないところが多いのでしょうか?

 

「まぁ、落ち着け。確かに求人募集の中には大卒と書かれているものが多いが、俺が人事の仕事に就いた際、大卒を指定するのは本当に18歳の高卒の学生が来る場合もあるから、それを避ける為にあえて大卒にしている節が大きい。

 

 18歳というのは日本で言えばまだ未成年の扱いだから、口座やスマホなどは親の許可が必要だし、車の送り迎えやお酒などの接待も出来ない。更に不正に手を染めても責任能力がないから、泣き寝入りせざる得ない場合もある。つまり未成年者は企業からすれば扱いづらい人材とも言え、だから未成年の可能性がある高卒者が来るのを避ける為に、あえて20歳以上の大卒にしている所が多い」

 

「あー、本物の高卒者が来ないようにフィルタをかけてるってことですね。なんとなくですが大卒にする理由は分かりました。となれば高卒の俺でも20代後半だと電話で説明すれば採用してくれるのですかね?」

 

「そんな単純に考えない方が良い。無論、経験や熱意があれば採用してくれるところもあるだろうが、ただ不幸なことに、人事部と言うのははっきりってあまり権限がない部署と思っている。

 

 実際、俺のところに来る求人掲載希望者というのは社長や上層部の人ばかりで、電話窓口の担当者が来る事はない。

 

 つまり大卒にしている理由を知らない訳だから、お前が仮に電話しても『応募条件には大卒以上と書かれているのに、なんでこの人は応募しに来るのだろう?』と思われて、取り合ってくれない可能性が高い。

 

 だから高卒だけど20代後半なんて説明しても電話担当者の勝手な判断で『応募資格には大卒と書かれているので受け付けておりません』と言われるくらいは覚悟しておいた方が良いぞ」

 

高卒求職者が就職する為には?

「チッ、確かに人事部って営業などで成果を出せない人材の墓場みたいな印象がありますからね。となればそんな人たちが正しい判断なんて下せるわけないでしょうし、郷に従えのごとく、恐らく先輩の言う通り、マニュアル対応されて終わりになるでしょうね。ただそうなれば高卒者は一体どうやって正社員の職を目指せば良いのでしょうか?

 

「高卒で正社員を目指す方法としては色々とあるが重要なのは

 

1.大学に進学しなかった理由

2.卒業後、直ぐに就職しなかった理由

 

 上記の2つを答えられるようにしておくのが大事だ」

 

「先輩?私の話訊いていました?私はハローワークでその手の質問されて凄い不快な気持ちになったんですよ。それにそんな質問で良い答え方なんてあるのですか?」

 

「まぁ、ハローワークの人の話を訊く限り、配慮がないな。これでお前が活躍しても『あの時、あえて厳しい言葉を言わなければ君の為にならない』と言い出すだろうし、腹が立つよ。ただこの手の質問に答えられるようにしておくのは大切だ。

 

 正直、大学に進学しないリスクというのはあまりにも大きい。仮に高卒のままで生きるとなれば転職の際『大卒』ばかり求める企業が多いし、結婚相談所への登録条件にも大卒かどうか問われる。つまりブラック企業に就職しても更に良い転職先を見つけるのが難しくなるし、結婚したくても良い相手を見つける手段が限られてしまうってわけだ。

 

 それだけ高卒のままで生きる事は自分の人生を大きく狭めてしまう事と言える。だから面接では『なぜ大学に進学しなかったの?』という質問が高い確率で聞かれる。

 

 これは俺からのアドバイスだが大学に進学しなかった理由として納得いくモノが思いつく限り3つある。

 

大学に進学しなかった理由①:親の収入減

 高卒になってしまう人の例としては、当初大学に進むつもりだったが、在学中に親が降格、またはリストラや派遣切りになってしまい収入が減り、就職活動を始めたが、就職先に恵まれず、大学進学の為のお金が足りないという理由で高卒になったと話す。

 

 最初から高卒就職を目指していたのであれば『では何故就職に強い高校に入らなかったの?』と訊かれてしまう。在学中に大学進学をあきらめる程の大きな問題が起きたという話でないと納得いく説明にならない。

 

 今の時代、少子化の影響で大学の連中は維持費を稼ぐために1人当たりの授業料を増やしている。つまり進学における学費は年々増加し低収入の家庭では到底払えきれない金額になっている。そして家庭の収入は個人情報の対象だから詳しく向こうは聞いてこない。

 

 だから大学に進学する事はそれだけお金がかかるし、生活難に陥るリスクがある。だから大学に進学するよりも高卒で就職して家族を楽にさせたいという言い分は1つの通じる言い方でもある。実際、大学に進学する為に奨学金で多額の借金をして就職に失敗して生活難に陥る人がいる。

 

大学に進学しなかった理由②:奨学金返済のリスク

 奨学金。大学に進学する為に日本学生支援機構からお金を借りるのだが、卒業する為の間に200万以上の借金を背負っている人が多い。その結果、就職で失敗したり、または奨学金って人によっては40歳になるまで返し続ける場合があるから、その間、病気や事故で失職。または低収入になって返済出来ない人も出てくる。

 

 奨学金って支払いを停滞させると延滞金と言って更に金を多く払わないといけないシステムになっているから、それが原因で自己破産に追い込まれるケースをよく聞く。つまり200万モノ借金を返済するまでのリスクが高く、その結果『リスクを背負うより、高卒で就職した方が良い』という風になる。

 

大学に進学しなかった理由③:ブラックバイトに引っかかる

 まぁ、奨学金返済のリスクもそうなんだが、他にもブラックバイトに引っかかり、勉強する時間を確保出来ず、単位を落として大学留年、または中退する理由も通じる。

 

 奨学金のリスクを知っていれば当然『バイトなどをして少しでも負担を減らす』と考える。ただ不幸なのはその稼ぎ方としてバイトを選び、そしてバイト先がブラックバイトでバイトを辞めさせてもらえず、長時間拘束され、講義に出席出来ず、単位を落とすなんて事もある。

 

 バイトなんて直ぐに辞めてしまえば良いと考える人もいるかもしれないが、人によっては店長に逆らえない人もいるし、先輩からの誘いで来ている場合があるから断りづらい。まぁ、そうでなくてもバイトをしないと学費が払えないし、勉強とか忙しく、疲労困憊状態で正しい判断が出来ない状態だったというのが良いだろう」

 

高校卒業、直ぐ就職しなかった理由

「なるほど、何となくですが、大学に進学しなかった言い訳の仕方というのは分かりました。ただ先輩、先ほど言いましたが『高校卒業後、直ぐに就職しなかった理由』は一体どんな風に言えば良いのでしょうか?」

 

もともと正社員で採用される予定だったのですが雇用先の経営が悪化して――という言い方が無難だろう。今の時代、求人詐欺と言って、正社員で雇用と書いておきながら、いざ契約の場に向かうと『先ずは契約社員で働いて結果を出してから』と言って、何時まで経っても採用せず『君、契約切れだから明日から来ないで』なんて言われて辞めさせるケースだってある。だからバイト先や派遣で正社員の道を目指していたが、向こうの都合で辞めざるえなくなったと言えれば今の時期になっても採用されない理由になりうるだろう」

 

高卒採用をしてくれる高卒就職サービスとは?

 

「なるほど”大学に進学しない理由”や”この歳になっても就職しなかった”言い訳については分かりました。ただハローワークでは門前払いを食らったので、正直どうやったら自分が就職出来る企業を見つければ良いのか分からないのですが、高卒者が就職する場合、どんな風に就職活動をすれば良いのでしょうか?

 

「俺個人として民間企業での就職を目指せ。ハローワークの場合、民間とは違い、求人をただで載せる事が出来る。

 

 つまりお金があまりない企業でも求人を載せる事が出来るから倒産寸前の企業も掲載先に載っている。

 

 しかし民間の場合、信じられないかもしれないが1か月掲載するのに3万以上、そしてその後、80万円ほどの報酬を支払わないといけない。

 

 つまりそれだけ大金を積んでいるわけだから人材に対する覚悟が違う。そういう企業って人を採用したら『どうして採用したのか?』と考える企業でもあるから、ハローワークの求人とは違い、真剣に採用を考えられる企業だ。だから少しでも良い企業に入る為にも民間の就活サービスを利用した方が質の高い企業に就職出来る。

 

 30代になると求人を紹介してくれるところが少なくなるから、20代のうちに正社員として仕事についていた方が良い。

 

 高卒の場合、人材の使い捨ての企業に入らないようにする事が求められる。まぁ、本当に人材の使い捨てを考えている企業であれば契約社員などで採用するからな。

 

 日本の場合、正社員だとクビにするのは難しいし、早期退職者、既卒、高卒、フリーターなどの人材を紹介されると分かっていながら、正社員として採用する企業が良い」

 

「なるほど、まぁ、確かに俺らのように新卒で就職出来なかった人達って何かしらのデメリット持ちって見られますからね。それを分かりながらクビにしにくい正社員採用するって勇気いりますからね」

 

「んで比較的良い企業を紹介してくれる就職サービスって言うのは、比較的3年以上、この手のサービスをやっているサービスが良い。なぜなら2018年の職業安定法により職業紹介事業者は厚生労働省に6か月以内に離職した人数を知らせないといけないようになっている。

 

 そして職業紹介事業者って3年以内に紹介した人材が辞めた場合、報酬の半分以上を返済しないといけない形になっている為、ブラック企業の排除が以前より徹底している。

 

 まぁ、仮にお前が6か月以内に辞めるような企業に紹介された場合、その職業紹介事業者は大損するし、更に3年以内に辞める企業を紹介しても儲からない。だから少なからず3年は普通に働ける企業を紹介してくれる人材紹介ビジネスを利用した方が良い。

 

 ただやっぱりその場合でも『高卒?』と面接で分かった瞬間、門前払いを食らう事になる。やっぱり大卒募集が多い中、高卒でも採用してくれる企業を見つける為には、あらかじめ高卒だと分かった上で面接してくれる企業を見つけるやり方をした方が良いだろう。

 

 例えば1つの方法として事前に自分のプロフィールを載せて、高卒だと分かった上で審査してもらうスカウト型就活サイトがある。

 

 これも便利で高卒だと分かっても『一応見ておくか』とお前のバイト経験やどんな仕事を成し遂げてきたのか?面接以外の時間で見せる事が出来る。

 

 実際、ハローワークでは『高卒ですか?』と受付の人に言われる事が多いのだが『高卒ですが、1つ加えて、私は29歳です。そしてバイト経験があります』と言ってください。と付け加えるようお願いすると意外と面接の返事が来る。

 

 要は高卒=未成年みたいな感覚が今のところあるから『実は29歳です』と事前に言っておけば印象が変わったりする。

 

 だからもし高卒として働きたいのであれば、事前に自分の凄みをアピールするやり方をした方が内定は取りやすくなるだろう。

 

 世の中には低学歴や女性だから、という理由で、採用せず、面接官の意向で潰される事がある。だったら最初から差別しない企業から声をかけてくれるスタイルでやった方が手っ取り早いし『なぜ自分にオファーを?』と質問すると自分の強みを知れる機会を得られる。

 

 やはり高卒は悪い印象を与えるけど、それを悪く見せないアピールをした人が結局報われると思っている。だからもし就活をするのであれば、あらかじめ高卒だと伝えた上で就職活動した方が空振りが少なくて、入れる企業の特徴も掴みやすくなるから、頑張ってみると良いぞ。