『面接で受かったと思ったのに落とされた』
『面接での手ごたえあり。しかし落ちた』
『面接はうまくいったのに祈られた』
など面接でうまくアピール出来たのに不採用の結果が出て、それに落ち込む人はいると思います。この結果で『自分の何が悪かったのか?』と悩み、そしてどのように対策を取れば良いのか?納得いく答えを見いだせず、自分を追い込んでしまう人もいると思います。
しかし世の中には面接で落ちたにもかかわらず、その就活生に問題がないケースも存在します。果たして面接で落ちた結果、就活生はどのように受け止めれば良いのか?ここでは実際に面接官など人材採用の裏側で仕事をする社会人が、面接で良い印象を出せても落ちる現実を目の当たりにしながら、就活生はどのように立ち回れば良いのか?ストーリー形式で説明致します。
就活生が知るべき『面接で受かったと思ったのに落ちるパターン』
「本日は貴重なお時間、誠にありがとうございました。選考のお知らせ楽しみにしております」
「おう。期待していてよ」
と弊社の面接を終えたばかりの女性就活生が面接担当者と明るい会話し、見送られている。俺はその隣で頭を下げ、その子が乗ったエレベーターの扉が閉まるのを確認してから頭を上げた。「いや~、いい子だったね」と隣の面接担当者は笑みを浮かべ、多分だが採用する気満々なのだろう。しかしその笑みは数分後に消える事になる。
「君、一体どういう基準でこの人を審査したの?」
と面接官は当初は次の選考の知らせを送るつもりだったが、ウチの会社の場合、面接終了後、弊社では直属の上司と共に採用有無を決める会議を行う。この面接官は事前に打ち合わせがあるとは聞いていたが、この面接官は上司から受かった理由を尋ねられ、その返答に対し、上司は待ったをかけたのだ。
自分の意見を否定されるとは思わなかった面接官だったが、実際、俺自身、あの面接の流れではいけないと思っていた。というのも面接の流れを大まかに説明すると
① 出身地が同じだと知り、当地の魅力について就活生と意気投合になる。
② 話が盛り上がり、ガクチカや自己PRも全て『いいね』と返事をする。
③ 中国進出の話があり『私は中国語と簿記があります』と言い、面接官はそれを聞いて『採用だな』と言ってしまう。
と出身地が同じだった事で親睦を深めてしまい、肝心の審査を甘くしてしていた印象だった。だから向こうからしたら『面接での雰囲気は良好。そして”採用”と言ってくれたので合格確実』と思っただろう。まさかその後、自分達のこの面接のやり方に異議を唱えられ、合格が危ぶまれているなんて思いもしていないだろう。
実際、その面接官は上司から以下のように怒られている。
「し、しかし多少の中国語も話せますし、簿記の経験があります。今後、中国ビジネスを視野に会計の人材が必要だって社長が言ってたじゃないですか?」
「だったら採用するよりも日本語を多少理解出来る中国人会計士に外注した方が良いだろ?」
「あ!・・・」
と、このように面接官の中には会社に必要な人材か?または面接官の経験が無い為、安直に判断してしまうケースがある。今回の場合、この面接官は現場で活躍している営業マンだが、面接経験は今回が初めてで1次面接官として駆り出されたのだ。そして上司は俺に声をかけ、採用の是非について尋ねてきたので答えた。
「正直なところ、中国語を学んだのはただ近場の塾が新しく開校され、人集めの為に無料レッスンを行っていたのがきっかけのようです。特に中国に関心があるからとは言っていませんでした。またこの会社に応募したのは自社の商品を使った事があり、愛着があったからという理由でした。ただ1つの商品しか関心がなく、特にこの商品を世の中に広めていきたいとか、世の中を良くしたいなどは言っておりませんでした」
と俺なりに正直に答えた。
俺は一緒にいた面接官よりはるかに年下だ。だから就活生からしたら上司がうなっているのだから、部下(俺)も了承していると思っているかもしれない。と俺の意見を聞いて、海外進出への関心が不明で、かつ商品への愛着はあるが、営業として頑張る理由は聞いていなかったという結論となり『これでは採用するべきか分かりませんね』と言って、上司は判定不能という事で不採用通知を出すようその面接官に言った。
面接官はこれを聞いて落ち込んでいたが、就活生に言いたい事は採用の有無を決めるのは何も面接官だけでない、という事だ。ウチのように別社員や社長など面接にいなかった人の意見を踏まえて決めるところもあれば、複数の面接を同時並行に行い、一番良かった人物のみを採用するケースだってある。つまり目の前の面接官の評価がいくら高くても総合的に見て判断される可能性があるから、面接官の一存で面接の合否が決まるわけではないのだ。
これは他の企業でも同様だ。俺は人材派遣業務の一環として他社の面接に駆り出されている為、様々な採用の裏側を見た事がある。ある大手では面接を初めて行う新人が面接では実力を評価していたけれど、いざ上司にそれを報告しようとすると『なぜその経験が会社にとってプラスなのか?』を説明出来ない。結果、無難な学歴や資格などで判断し落とす。他にも就活後半からありがちなのが『もう採用枠が埋まっているけど、求人広告って一度出すと停止する事が出来ないから、余計な就活生が来るんだよね。だから君、適当に相手しておいて』と求人票を停止出来ず、初めから採用する気がないのに、応募しに来た就活生を面接に呼んで落とす企業が存在する。
まぁ、そんな会社側の都合で就活生に問題がないにもかかわらず落とされるケースがある。ただ大半は『他の面接官が担当した就活生と比較した結果』または『面接官が自社が求める人材を正しく把握していない』という理由が9割がた占める。ただ俺自身、何が言いたいかというと、面接官の中には自分に人事権があると勘違いし、安易に就活生に合格を伝えてしまっている人がいる。
また逆に安易に不合格の雰囲気を出してしまい、しかし合格を出すという逆パターンもある。まぁ、俗に言う『面接で落ちたと思ったのに受かった』というパターンだな。
就活生が知るべき『面接で落ちたと思ったのに受かったパターン』
分かりやすい例として以下のようなパターンがある。
『君ね、就活生に対し、ただ相槌をうって、何も質問していなかったみたいじゃないか。一体どうしてその就活生に対し、そんな事をしたんだ?』
『それはこの間、内定通知を出した就活生でもう十分かなって。毎年の採用枠ノルマは達成しましたし。もう面接なんてやる意味ないでしょ?』
『・・・君が以前、内定を出した就活生が内定辞退したから、今、面接をしているんだが?』
『え?いや、そんな』
『もういい。次は俺が見るから、その子には面接通過の連絡を入れておきなさい』
と面接官が採用状況を正しく心得ていないが為に、再度面接を行う為に受かるパターンがある。他にも低学歴や女性という理由で不採用したくないけど、それだと人格が疑われる為、誤魔化して報告するパターンも見た事がある。
更に別の例として圧迫面接というのがある。これは仕事の関係上、お客様から無茶な要求をされる事がある為、それでキレたり、泣き出したりしないかを確認する為、圧迫面接で就活生のメンタルを確かめる人もいる。だから雰囲気が悪くても面接で受かるのはこんな会社側の都合が背景にある。
就活では面接で受かったと思っても安心しない方が精神的に楽
このように第三者の影響で面接の合否が決まる事が多い為、面接で良い雰囲気を出していても安心しない方が良い。就活では面接で受かったサイン、落ちたサインなど、不採用理由を知る事が出来ない事から、面接官の仕草から自分のどの部分が悪いのか把握しようという取り組みがある。しかし今まで話した通り、面接官の一存で合否が決まるのは人手が少ない中小企業くらいで大手の場合、正しい審査が出来ているか確認する為に人事や上司がチェックしている。その為、社長面接を除いて、面接官が一存で判断しているとは思わない方が良い。
その為、就活生の中には『面接は俺の知る限り問題がなかったのになぜ落ちたんだ?』と落ちた原因を考え、しかし不採用理由など採用の裏側の情報など就活生が手に入れられるわけがない為、いつまで経っても悩んでいる人がいる。個人的に悩んでいる暇があったら、別の志望先を見つけて、自分を拾ってくれる企業を見つける事に専念した方が良い。事実、酷い例として『社長が勝手に身内を採用して採用枠がなくなった』とそんな身勝手な理由で落とされるパターンもある為、そんな理由で自分を責めるのは馬鹿馬鹿しく、落ちる理由は企業ごとによって違う。だから面接で落ちた場合『この会社には縁がなかった』として次に自分を評価してくれる会社を探した方が良いぞ。
面接で受かったと思ったのに落ちる原因が就活生側にある場合
とは言うモノの、就活生の中には面接で的外れな事を言っているのに『受かった』と勘違いしている人もいる為、ここからは就活生でよくある勘違いアピールについて紹介してみたいと思う。
実力の高さばかりアピールしている
就活である以上、自分の実力の高さをアピールするのは当然かと思われるが、逆にそれしかアピールしていないと落とされる。意外かもしれないが、例えばあなたがTOEIC990点、在学中に公認会計士という難関資格を取得した場合、大手から内定を取る事は出来るだろうか。答えはこの質問に答えられるかで決まる。
『では君はどうしてその資格を取り、入社後、どんな風に活用しようと思っているの?』
と、取得目的や活用方法について尋ねられ、答えられない人がいる。就活生の中には就活に有利になるからという理由で資格を取ろうとする人がいる。これは資格を取れる実力はあるのは良いが、こういう人の中には『どうしてこんな簡単な事が出来ないの?』『資格は取れたのだから俺はこれも出来る』と、勉強が苦手な人の気持ちが理解出来なかったり、リスクのある事に安易に挑戦する人がいる。当然、そんな人であれば人間関係に溝が生まれるし、大きな損失を生むリスクがある。
だからもし仮に資格や高い実績を評価されたいのであれば
『TOEIC990点を取ろうと思ったのはIT企業で働いてみたいと思ったからです。ITは日本よりも言語を開発しているIT大国であるアメリカの方が一番最新の情報を得られます。その為、いち早く情報を入手する為にも英語の勉強をし、それをもとに御社の業務用アプリケーションの開発に携わってみたいと思い、応募致しました』
など英語のスキルの活用法、そしてそれがどんな風に志望先の業務に役立つのか?それを説明出来るかで合否が決まる。就活生の中には『面接であれだけ資格の良さをアピールしたのに、なぜ受からないんだ!?』と嘆く人がいるので、言動に心当たりがあればアピール方法を見直した方が良い。
志望先の業務を正しく理解していない
そして面接で受からない就活生の特徴として志望先の業務を正しく理解していない為、落とされるパターンがある。
典型的な例として食品業界を志望している就活生がいた場合、『食べる事が好きです』とアピールしている人がいる。しかしその人が志望しているのは営業職で、主に自社の食品をスーパーや飲食店に卸すのが仕事なのである。つまり食欲旺盛さや自社商品に対する知識より『なぜ自社商品を卸す仕事をしたいのか?』その質問に答えられるようにしておく必要がある。
具体的な返答例として
・ 『私自身、料理好きで、特に御社の食品を使ったレシピづくりをしていたので健康に良い食品づくりを世の中に広げていきたい』
・ 『御社の冷凍食品のおかげで私の母は朝早く短時間で私のお弁当で早く作れ、母の仕事の支えになりました。私自身、御社の食品を通じて、人々の生活の支えになる営業マンになりたいです』
と今の食品業界は時代のニーズに合わせた食生活に自分達の商品を組み込ませるような仕事ぶりが求められるので、営業を通じてどのように卸売り先に提案していきたいのか?その意欲が見られる。なのに『食べる事が好きです』なんて言っても『じゃあ、何でフードファイターにならないの?』と思われる。その為、志望先が求める働きぶりと、なってみたい自分が重なるようなアピールを用意しないといけない。
他にもIT業界を志望する文系の人に対し『自分のホームページを作りたい』とアピールしている人がいる。しかしその志望先が業務用アプリケーションの開発や、クラウド、AIとなってくると話が変わってくる。つまり大きなシステムを時代と共に改修していくIT企業を志望しているのに『自分だけのIT商品を作りたい』と言ってきたら『じゃあ、ウチの仕事は特に頑張らず、違うITを行いたいのだね。頑張って』と思われるのがオチなのである。
このように志望先の業務について正しく理解していないせいで間違ったアピールをしている就活生がいる。そして面接ではそれを指摘してもらえず、どちらかと言えば『君のやってみたい事は弊社では叶えられない。だからそんな会社が見つかる事を祈っているよ』と思われて、不採用通知を出すだけで終わる。就活生は一向に間違いに気づかない為、自分のやってみたい事を言ってくれるような存在が必要不可欠になってくる。
面接で受かる為には具体的にどんな改善策を取れば良いのか?
とこのように企業側の都合で落とされたり、自分の不備で落とされたりするなど、就活生はそんな落とす前提の企業への募集を避けたり、また自分の不備を見つけるなどの取り組みが必要になってくる。しかし志望先の内部事情や志望先の業務について予想する事は働いた事のない就活生からすれば難しい事だと言える。
ただ最近の場合、その辺の問題がなくなりつつある。どういう事かと言うと最近では逆求人就活サイトを使う就活生が増えている。
これはリクナビやマイナビしか使っていない就活生に言えることだが、この就活サイトを利用する場合、企業に志望する場合、事前に自分の調べた内容を元に、一発勝負で面接に挑み、正しくアピールして内定を貰う事をしないといけない。つまり自分のアピールが間違っていた場合、それを教えてくれる機会がないデメリットがある。
しかし逆求人型就活サイトの場合、自分が事前に載せたプロフィールを見て、興味を持った企業からオファーがかかるスカウト型の就活サイトになっている。これにより自分のどの部分に企業は興味を持ち、どんな働き方を求めているのか?そんな事前情報を心得ていない状態でも面接に受かるチャンスがあるのである。
例えば居酒屋でアルバイトをしていた就活生がいた場合、大手ビールメーカーからオファーがかかる事がある。要は取引先となる居酒屋の働き方や店主がどんなビールを求めているのか?そのニーズを知る機会があったという事で、ビールを販売出来る営業マンになれるか確認してくる事がある。就活生の中には『ビールが好き。だから居酒屋で働いていた』なんて言う人もいるが、これを事前に聞くと『そういえばウチの居酒屋でこんなビールを求めていると店長が言っていたな』と制度改正や周辺の新しいオフィスが出来た事で、どんなニーズが生まれ、どんなビールを求めているのか?自分で考え出せるチャンスを生み、『私が営業マンだったら、こんな風に店主に提案してみます』とアピールの仕方も正しく予想出来る様になる。
とこのように的外れなアピール内容を改善する機会もあるが、他にも自分が関心がなかった企業からの採用の余地があると知る機会も得られる。どういう事かと言うと、例えば居酒屋のバイトしかしてこなかったのに分野の違うIT企業からもオファーがかかる事がある。
文系の自分になぜIT企業から?と思うかもしれないが、居酒屋でバイトをしていると『飲食店向けの業務改善アプリの開発を弊社ではしているんだけど、その為には居酒屋ではどんな風に働き、そしてどんな改善点があるのか?それを知っている人でないといけない。弊社ではITの新人研修を行っているから、文系の君でも働ける余地がある』とこのように文系の自分には無理だと思っていた業界からオファーがかかり、なぜ採用の余地があるのか知る事も出来る。その為、業界分析や、ITについて学んでみたかった就活生からすれば自分でも働ける企業を見つけるのに逆求人型就活サイトは非常に役立つのである。
このように逆求人サイトのメリットとして
・ 自分に関心のない企業からオファーがかかる事がなく初めから落とすつもりの面接に呼ばれる事はない。
・ 自分の経歴でどんな強みがあるのか?面接官から聞き出す事が出来る。
・ 自分には無縁だと思っていた業界からオファーがかかり、なぜ採用の余地があるのか知る機会を得られる。
など面接がうまくいかない就活生からすれば、打開出来るチャンスが埋まっている就活サイトだと言える。だからもし、今までの話を聞いて、何かしらの打開策を自分で見いだせないのであれば、新たな視点を得る上でもこの就活サイトは君の助けになるのではないかと思い、紹介しておく。