地元で働きたい就活生の例

 

『地元で働きたい』

『地元に貢献出来るような仕事をしたい』

『地元から離れたくない』

 

 など就職先を選ぶ上では地元かどうかを焦点に選ぶ人もいると思います。ただ仮に面接で『どうして地元で働きたいの?』と言われたらどう答えれば良いのか?その辺の回答の仕方がうまく思いつかなかったり、また『転勤要請が出たらどうするの?』と別の勤務地で働く場合についても想定しておかなければいけません。

 

 地元で働きたい場合、どんな風に対策を取れば良いのか?ここでは実際に地元に就職し働いている社会人の先輩と、現在就職活動中の後輩の会話形式で地元に就職する方法について説明したいと思います。

 

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地元で働きたい場合、どんな事を気を付けないといけないのか?

 

「先輩、実は今就職活動を行っているのですが、出来れば地元で働きたいと思っています。地元で働きたい場合、具体的にどんな事を気を付ければ良いでしょうか?

 

「地元で働きたいのであれば、先ず地元の産業の特徴というモノを理解しておく必要がある。手っ取り早く調べたいのであれば、ふるさと納税なので自分達の地元の名産品が何なのか調べて、それに関連する企業は何なのかを調べてみると良いだろう。

 

 まぁ、そういう名産品を専門として扱う企業では無く、地域全体を貢献する業務を言うのであれば地方公務員、地方銀行、農協というモノもある。地方に貢献する仕事というのは、そこにある企業や人々の生活を支える業務と言っても良い。市役所職員であれば制度や助成金などで人々の生活を支えられるし、地方銀行であれば地元の企業を資金面でサポート出来る。農協の場合、地元の農産物を消費者に届ける橋渡し的な仕事をする事になるだろうな。

 

 このように制度的に支えたいのか、それとも資金、販売、もしくはそれら全てを合わせて経営的に支えたいのか、地方を支える方法は色々とある。お前はそんな中からどの方法で地元に貢献したいのか?を問われるからその辺を答えられるようにしておく必要がある」

 

『地元が好きだから』という言い方ではダメなのでしょうか?」

 

「無論、地元が好きという考え方は一番大事だ。しかしビジネスで地元に貢献するという事は地元の中にある資産だけ使って世界と戦えますと言っているのに等しい。となると使えるモノが地元限定と限られている以上、『お前はどうやって世界と戦えるようにサポートしていくんだ?』という疑問を当然面接官は持つ。となると地元が好きという考え方だけでなく、地元を発展させるノウハウやスキルというモノを持ち合わせないといけないし、それを実現するまで根気強く続けていく覚悟というモノも問われる。だから『地元が好き』という言い分だけでなく、地元の魅力について触れつつ、どのようにビジネス展開していかないといけないのか?その辺について言えないと空振りに終わる。だから地元愛を信じてもらう為にも、やはり地元を活性化させる為のビジネスノウハウについて面接で語れるようにしておく必要があるだろう」

 

 

地元に貢献する事がどれだけ大変な事なのか?

 

「先輩、地元に貢献するってそんなに難しい事なのでしょうか?

 

「よく『地元に貢献したい』と言う学生がいるけど、そういう人の中には『イベントなどを作って地元に人を呼び込む企画を作りたい』と言う人がいる。正直、その方法はあまり効果的ではない。何故ならイベントというのは金がかかるし、最近では元手を取るというより、宣伝や地元の人とのかかわりを作る理由でやっているから採算度外視という場合もある。

 

 俺の先輩もかつてイベントどころか、何かしらの観光名所を作って地元に人を呼び込もうとしたんだけど、施設を作る初期費用は高いし、地方交付税交付金とかで資金とか集めたんだが、一度施設に訪れると『もういいや』みたいな感じになってリピーターが付かない問題があった。要は観光って何度も来てもらうようにしないといけないのに、それが出来ず、収入が落ち込み、更に施設のメンテナンスやら維持費やらで金はかかって財政破綻にまでなる恐れまで出てくる。

 

 それで失敗したのが夕張市で、経営ノウハウを持つ人でも成功するのが難しいのに『イベントや施設などの目玉を作って客を集めます』なんて考え方は非常に危険だと言わざる得ない。そんな事を言えば、もしかしたら面接で『君は夕張市が何で財政破たんしたのか知ってる?』なんて訊かれるかもな。

 

 最近の地域活性化の方法としては地元にだけしかない食べ物や素材を使って、オリジナル商品を作り、それを都心やら県外の大規模イベントで取り扱ってもらい、知名度を上げていく方法が良い。よくB級グルメとか言うイベントがあるじゃん。ああいう食のイベントで自分達の商品をアピールし、地元の魅力を多くの人に知ってもらい、買う人を増やして県外から地元にお金が入る事をしていくんだ。

 

 そんな事をして『○○町ってどんな所だろう』と関心を持っていただいて、来客した人に対しては地方にしか知らない美味しい食べ方や料理を教えて『また来たいね』と思ってもらう。そういう風にリピーターを増やしていくんだ。

 

 要は地元を良くしていく為には県外のファンを増やしていき、利用者やリピーターを増やしていく事が重要なんだ。なぜ利用者を増やしていくと良いのか?その理由として、仮に地元の商品が売れるようになれば大量生産出来る工場が必要になってくる。となると人手が必要になってくるからそれだけ地元の人達の新たな収入源になる。もしかしたら地方を出た若者を戻して地元の人口減少の歯止めを担う可能性だってある。要は地元にいても生活出来る生活基盤を整えていける。

 

 とまぁ、このように地元に貢献するというのは会社で働いてビジネスを成功させるというよりも地元で働いてビジネスを成功させ、そして事業を拡大していく。とそんな経営者みたいな事をしていかないといけない。だからもしお前が仮に『地元に貢献したい』というのであれば名産品を扱っている企業に就職して知名度や利用客を増やしていく事を目指すのか、それとも地方の市役所に勤め、人を呼び込む仕事、例えば引っ越し手当や育児補助などの暮らしやすい街づくりを作り上げるのか?その辺を決めないといけないね」

 

 

面接官が納得する『地元に貢献したい』志望動機とは?

 

 このように地元に貢献するという事は他方に負けない地元の強みを見つけ、そしてそれを商品として作り、目立ち、そして多く支持層を得る、そんな事をしないといけない。それは並大抵の事ではなく、かなりの労力を必要としてくる。だから面接では『何で君はそこまでしてこの地元に貢献したいんだ?』という質問に答えられるようにしておく必要がある。

 

 こういう質問の場合、効果的とされる志望動機というのが

地元が衰退していくのを見て、自分でも何か出来ないか?と思い、地元で貢献している御社を志望しました。

 と『このままだと地元がダメになる。だから自分はこの町の為に何かしたい』そんな使命感をアピールするような事をした方が良いだろう。

 

 例えば今、地方では過疎化や高齢化など地元の産業が衰退する現象が行っている。実際、市役所職員になりたい人の中には『周辺の農家が後継者不足で悩んでいる状態でした。ですので外部から地元名産の農産物を育ててくれる人を募集する為、その手の宣伝活動に関わりたいと思いました』と言って志望してくる人もいる。言わば衰退していく地元を見ていられなかったという動機が案外通じたりする。

 

 他にも今、祭りや花火大会など町の観光イベントで盛り上げる形で地域の活性化をしているところもあるけど、今、その手のイベントが安全対策で費用がかさみ中止に追い込まれる事態になっている。2001年の兵庫・明石市の花火大会で11人も死者を出す転倒事件が起こって、それ以降、安全対策として警備員の配置が義務付けられ、その費用が原因で赤字に転落する地元イベントが起こっているんだ。天神祭の場合、2019年にかかった費用は警備だけで約4300万円。10年前の2倍で存続の危機に陥っている

 

 このように各地方では担い手不足や資金不足などの問題を抱えている。だからお前の場合、県外から人を増やすのか、それとも祭りなどのイベントの効果的なコスト削減や増収を目指すのか?など様々な問題に対し、どう取り組んでいきたいのか言えれば良い」

 

「先輩、確かにウチの地元も人手不足の影響で農家の後継者が足りないっていう問題を良く訊きます。しかしそれって市役所や自治体の仕事ですよね?もし民間企業を目指す場合、どのように地元に貢献したいって言えば良いのでしょうか?

 

「地産地消。これが良いかもな。要は地元の商品を使って地元に金を行き届かせる。先のイベントの場合でもスポンサーになって資金的なサポートをしたり、祭りのイベントで人が集まった際、自社商品を販売して知名度アップや販路確保を目指すのも良い。

 

 他にも錫100%を売りにしている鋳物メーカー『能作』では工場見学で人を呼んだり、地元の職人と協力して銅器などを国内外に売り込むとともに次世代への技術継承も担う事もしている。まぁ、地方を支える商品や技術を次世代に残していく企業に就職したい。というのも1つの言い方だろうな。だから地元の民間企業に就職したいのであれば、まず地元が抱えている問題について把握し、それを支えている企業に就職したいと志望動機で言えれば良い」

 

 

地元で働きたい気持ちを確かめる質問への対策

 

 さて志望動機を作る上で使命感をアピールするのが大事だと俺はさっき言ったが、実は使命感をアピールした方が良い理由はもう1つある。

 

 それは『家に近いから』という理由で志望する就活生と差別化する事が出来る。

 

 地元で働きたいという人の中には『通勤は面倒だし、出来れば近い所で働きたい』という考えている輩がいる。だからそんな個人的な事情で仕事に関わろうとしてくる人がいる為、採用する側は『この子はちゃんと地元に貢献してくれる人材なのだろうか?』と疑われて色々な方法で妥当な人材かを確かめてくる。

 

 その1つが『転勤あるけど大丈夫?』という質問だ。

 

 この手の質問の返答の仕方として『地元の商品を他方で宣伝、または販売すると思いますので大丈夫です』と言えれば良い。地元に本当に貢献したいのであれば、自社商品を外部に広める為に色々と地方に飛ぶ仕事も必要だというのは心得ておかないといけないからね。そして面接では就活生の本心を確かめる為に転勤の予定がないのに『転勤あるけど良いの?』なんて質問をして揺さぶりをかけてくる。この辺の返事の仕方として『外に出て御社の商品を売れるようになりたい』または『他方の強みを知って自分達の強みに代えられるかなど色々試したいと思っているので』など他方の偵察目的で言うのも良いかもしれないな。

 

 他に地元愛を確かめる質問として『なぜ地元に貢献したいの?』という質問がある。

 

 地元が好きという考え方は確かにローカルビジネスを行っている企業にとっては必要な考え方だが、就活生の中にはその動機について深く追及していくと『大好きな祖母が家から動けないから』だったり、『それ以外の魅力的な場所を知らない』など、家庭の事情や自分の知識不足が原因で選んでいるという場合がある。こうなってくると『ではその祖母が県外のもっと良い病院や施設に行けるとなったら君はどうするの?』と訊かれたり、『この地元のどんな所が好きなの?』『その特徴に合う場所なら○○や□□などもあるよ。そうなると君はそっちに行くの?』と確かめてくる。正直、この手の本当の事は言わない方が良い。

 

 俺が気に入っている地元愛の証明の仕方としては、やはり地域のイベントに参加しているかどうかが重要だと思っている。地元のイベントは地方を宣伝する役割もあるが、何よりも地元の人達と触れあって楽しいかも重要だ。だから『皆と一緒に働きたい』と考えさせる機会でもあるし、『だから地元のイベントなどに参加して、こんな風に仕事をしているんだ』と、地元に貢献出来る喜びについて語れる事が重要になってくる。『こうやればもっと地元の人は喜んでくれる』『こうすれば県外から来た初めての人も喜んでもらえる』と自分の努力が皆の喜びに繋がり、それがやりがいに感じる。そんな理由で面接でアピールするのも良い」

 

 

地元の優良企業の見つけ方

 

「先輩、少なからず地元で働きたい場合、どのようにアピールしないといけないのかは分かりました。ただ別の先輩から聞いたのですが、地元で良いと思える企業を見つけるのが難しいと聞いています。地元の場合、都会より費用が安く済む為、生産工場が多く、上からの命令ばかり聞いてつまらない。薄利多売のビジネスで働きたくない企業に就職するリスクがあると聞いています」

 

「しかし隠れ優良企業も沢山ある。例えば北海道について調べたいのであれば、工業統計を調べてみると良い。そこには特定商品の生産額がランキング形式で載っていて、北海道が1位を占めているものにトレーラーがある。北海道は本州と橋でつながっていないせいで船による輸送が主となっている。つまりコンテナから切り離す事が前提で、荷台を付け替えられるトレーラーの存在感がどこよりも強く、北海道の1つのメイン商品になっている。他にもウニの水揚げ量や土木用のコンクリートの生産量も北海道では1位だ。

 

 ただ商品の魅力について統計だけを見て判断するのは難しいだろう。実際、隠れ優良企業というのは地元の主力商品を支えるビジネスを行っている場合が多い。例えばウニを包装する容器。ウニの場合、その色合いを確認する為、店頭に並べる場合、透明の容器が必要だ。しかし当時それを開発している企業がなくて、マルイ包装がそれを開発した。ウニ容器1つの値段は数十円程度だけど、年間800万個売れて3億の売上だ。そして何よりもウニ容器のシェアが80%になっており主力商品を持っている。その辺を見つけるのが地元産業に関われる1つの方法と言えるだろう。

 

 ただその辺の判断は働いた事のない就活生の立場から考えるのは難しいだろう。だから俺のオススメの方法として逆求人型就活サイトを利用してみてはどうかな?と思っている」

 

「逆求人型就活サイトですか?」

 

「そうだ。仮にお前がこれから地元企業就職に向け、リクナビやマイナビなどを利用すると思うのだけど、それだとどれが隠れ優良企業なのか?自分で判断した上で志望しなければならない。正直、運要素が大きいし、先のウニ容器のように、なぜ隠れ優良企業なのか判断出来なければ最早、運のみで勝負するしかない

 

 そんな就活するよりも始めのうちにプロフィールに『地元で働きたい』、今回の場合、北海道で働きたいと書いて、それを見た何処かの北海道の会社がお前にスカウトメールを出して、そして仮にそれがウニの容器を販売している会社であれば『あ、北海道はウニの水揚げ量が1位だから隠れ優良企業かもしれない』と判断出来る。そしてこの逆求人型の就活サイトとは言うのは実際に人事の人達と会って『何で自分と会おうと思ったのですか?』と訊ける。リクナビやマイナビの場合、『私はこういう理由で御社を志望しました』と自分の事前情報が正しくなければ受からないが、この就活サイトの場合、向こうの企業の魅力について説明してくれるから、確かめながら就活をする事が出来る。『ウニ容器のシェアが80%』とかな。

 

 だからもし地元の優良企業に就職したいのであれば、この手の就活サイト使ってみた方が手取り早いと思っている。実際、この手のサービスではインターンも募集していて大学3年生の就活生も利用している。自分の地元の企業がどんな風に地元を貢献しているのか?曖昧な点があるだろうし、外れを引かない上でも人事の人と話しあいながら、就職先を決める事が出来る、この手のサービスが案外向いていると思うぞ。