就活で役立つ「銀行」と「証券」と「保険」の違い

銀行、証券、保険の違いって一体何なのだろうか?

就活をしていると「なぜ銀行?」「なぜ証券?」「なぜ保険?」と質問され、この3つの違いについて答えられないと内定が遠のく場面に良く遭遇すると思われます。

だから会社説明会に参加したり、またネットで調べたりしてこの3つの違いについて理解を深めようとしているが、結局、見つからず、この記事を読む事になっているのだと思われます。

その為、ここでは就活で有利になるよう、この金融業界の3つのセクターに違いについて説明し、どのように違いを理解すれば内定に近づけるのか?それが分かる話を実際に新卒で金融業界を目指す就活生と金融に詳しい社会人先輩の会話形式で本記事で説明したいと思います。

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銀行、証券、保険のビジネスの違いについて

moneywork
「先輩、現在大手メガバンクへの就職を目指して活動中なのですが、面接で頻繁に出る質問に、「なぜ証券や保険ではなく銀行を志望したのか?」というものがあります。この質問に直面する度、銀行、証券、保険の業務内容の違いについて深く理解していない自分に気づきます。そこで、先輩にこれらの業種間での具体的な違いやそれぞれのビジネスモデルについて教えていただけないでしょうか?」

「金融業界におけるこれら三つのセクターの違いを把握する為には、まずそれぞれがどのような方法で利益を生み出しているのかを理解することが重要だ。

これが分かると、各セクターがどのような顧客に焦点を当て、どのようなアプローチでサービスを提供しているのかが明確になる。その為にも各業界の基本的なビジネスモデルについて説明してみようと思う。

「銀行」の仕事

「銀行業」においては、主に「利息収入」によって利益を得ている。

例えばお前が飲食店を経営し、新メニューが大ヒットして2号店の出店が可能になったとしよう。ただ新しい店舗の立ち上げには、物件の調達、改装、スタッフの採用、宣伝などで約1000万円の費用がかかる。いくら人気店の経営者であっても、容易にそのような大金を用意出来るわけじゃないからここで銀行が重要になってくる。

銀行は新しい事業に挑戦する人々に資金を貸し出し、後に利息を加えて返済を受ける事で収益を上げる。つまり銀行から「1000万円が必要ですか?それなら1000万円を貸し出し、5年後には1%の利息を加えた1010万円で返済してください」と提案して10万円儲ける。これが利益収入ってわけだ。

そしてお前はこの提案を受け、「2号店を開設すれば5年以内に1000万円以上の利益を得る事が可能」と判断し、契約する。そうすればお前は2号店の開設で更に収益を上げ、銀行は5年後に1%の利息を含む返済を受け取り、利益を得る。

要は銀行は資金を必要としているお客さんにお金を貸し、返済金に上乗せされた利息で稼ぐビジネスを行っているんだ。

「証券」の仕事

そして証券会社は金融商品を売買して収益を得るビジネスモデルをしている。

複雑に聞こえるかもしれないけど、例えば株式や為替(FX)のように保有するだけで価値が変動する金融商品を取り扱う。

証券会社はこれらの金融商品の価値がどう変わるかを顧客にアドバイスし、適切な運用方法を提案するのが仕事。

例えばある企業が資金を集めたいと考えた時、自社株を市場に売り出して「この株を10万円で買ってくれたら、成功した際には11万円になるようにしますよ」と投資家に約束する。投資家はこの約束が果たされる可能性を見極めて投資する。これが一般的な金融商品の発行と投資の仕組み

だからもしお前がその企業の株を100株、合計1000万円で買い、期待通りに株価が上昇して1100万円になれば、100万円の利益が出る。

しかし世の中のビジネスは予測通りに進むとは限らないから、逆に株価が落ちて全損するリスクもある。それを避ける為に証券会社がやっているサービスの中に資産運用を代行ってのがあって、要はお前の代わりにどの株を買えば良いのか考えてアドバイスし、投資家の利益を最大化するのも役目。

「先輩、つまり遊戯王カードやポケモンカードみたいに”今後高くなるカードがあるから今のうちに買い占めて高く売った方が良いですよ”とアドバイスしたり、実際にそれで稼ぐような事をしているのか証券会社って事で合っていますか?」

「まぁ、そうだな。さっきも言ったが証券会社が扱っているのは株やFXだ。ただカードではなくコーヒー豆や金なども気候変動や貨幣の価格変動で大きく揺れるから、先物取引も対象だ。だからその手の価格の変動を扱う商品で扱って収益をあげるビジネスをしているのが証券って考えてもらえれば良いかな」

「保険」の仕事

最後に保険だけど、保険会社のビジネスモデルって、実はかなりユニークで、基本的には「リスクの分散と予測を通じて収益を上げる」仕組みになっているんだ。

簡単に言うと、事故や病気、災害などの不測の事態に備えて、保険料を払ってくれる顧客から集めた資金を貯めておくんだ。そして、実際にそうした事態が起きた場合には、その貯めた資金から出して補償を行う。でも面白い事に、全員が同時に補償を求めるわけじゃないから、集めた保険料の全額を使い切ることは滅多にないんだよ。

例えばお前が自動車保険に年間10万円払っているとしよう。同じように保険料を払っている人が1000人いたら、それだけで年間1億円が集まる。でも1年間に実際に事故で補償を受ける人はそのうちの数十人かもしれないし、その補償金額も全員分で1億円には遠く及ばない。

つまり保険会社は多くの人から集めた保険料から実際に必要な補償に使う金額を差し引いた残り、「保険料収入 – 支払い保険金 = 利益」という形で収益を上げているんだ。この利益には運用収益も含まれるから、集めた保険料を効率的に運用してさらに収益を増やすことも重要なんだよ」

銀行、証券、保険の「求める働き方」の違い

moneyneeds
「先輩、とりあえず証券や保険の話は難しかったですが、どの金融業界もどうやってお金を稼いでいるかは理解出来ました。ただそれでも「なぜ銀行を?」「なぜ証券を?」「なぜ保険を?」って面接で聞かれてもどう答えれば良いのか分かりません。各業界を志望する場合、どのように志望動機で違いを出せば良いのでしょうか?

「銀行、証券、保険は全員を同じお金を扱っているけど、注目してほしいのは同じ金でも実際には「融資」「権利」「保障」と全く違うものを扱っている。

つまり扱っている商品に違いがある以上、当然、それを求めるお客さんは変わってくる。そしてお客さんが違うって事は当然提案の仕方も変わってくるし、この提案が出来る人材を各業界で求めている。

だから各金融業界の志望動機で違いを出す為にも、お前がどんなお客さん相手にどのように提案する事になるのか?それを説明して、なぜそれをやりたいのか?という流れで説明してみようと思う。

「銀行」で求められる働き方と志望動機

先ず銀行が相手をするお客さんだけど、さっきも言ったが多額の資金を必要としているお客さんだ。だからお前はそのお客さんが将来その多額のお金を返せるのか?を見極めて働く事になるから、融資先のビジネスが成功するか見極める働き方が求められる。

その判断をする為には、実際に現場を見に行ったり、将来のビジネスプランが現実的かどうかをチェックしたり、社長や社員と話し合ったりして、融資をするかどうかを決めるんだ。

そしてお前がそのビジネスに問題ないと判断したら、次は銀行の上司や同僚を説得する為の資料を作ったり、最適な融資プランを提案する為の議論をする事になる。

だから銀行で働いていく為に求められるスキルとして会社の財務状態を理解する経理能力、ビジネスプランが成功するかどうかを見極める判断力、そして、その判断を周りに説得するプレゼンテーション能力が求められるんだ。

それにさっき新しい店舗を出す話をしたけど、その場合、経理やプレゼン能力だけでなく、店舗運営や建築などの人手や立地などの情報も必要にから人材派遣会社や不動産との連携も大事。このように融資を回収する為に必要な仕事をするのが銀行員と言える。

だから銀行の志望動機として「金銭的なサポートでビジネスの成功を助ける仕事をしたい」という言い方が目立つ。

今までの話で分かったかもしれないが、銀行というのはこれから大きく飛躍するとされるビジネスを資金的な面で助ける仕事をしている。今のは飲食店の例だったが、他にもスタートアップ企業への融資も対象になる。

俺が知っている就活生の中には「地球沸騰化と言われている中、室内で作物を栽培出来れば悪天候に左右されず食糧危機問題が改善される話を知って、そんな世の中に役立つビジネスを応援したいと思い、専門は金融なので銀行を志望しました」と世の中に役立つビジネスを創出する為に銀行を志望したと言う人もいた。

まぁ、スタートアップ以外にも再生可能エネルギー、ドローン、農業など沢山の融資先があって、日本の社会問題を解決する沢山のビジネスに携わりたい(金銭面で)という言い方が銀行を選んだ理由としてはピッタリくるんじゃないかな。

「証券」で求められる働き方と志望動機

そして今度は証券会社で求められる働き方だが、証券会社が対応するクライアントってのは、投資を通じて資産を増やしたい人達だ。

だからお前がもし証券会社で働くのであればこれらのクライアントが投資する金融商品が将来的に収益を上げるかどうかを判断してサポートする事になる。要は投資家の資産を増やす為の戦略を証券会社で求められるんだ。

その為には市場の動向を分析したり、投資する企業の業績や業界の将来性を調査したりして、投資先を選ぶんだ。そして、クライアントにその情報をわかりやすく伝え、最適な投資プランを提案する事が大事。

だから証券で働いていく為には、金融市場の知識や企業分析のスキル、そしてクライアントに対するコミュニケーション能力が求められる。それに加えて、市場は常に変動するから、その変化に柔軟に対応できる判断力も重要だ

ここでも1例を出すが、例えばさっきのキャベツの室内栽培を手掛けるスタートアップの例を改めて使うが、もし室内栽培を新しいビジネスモデルとして考えている企業が資金を欲している場合、証券会社の人はその企業への投資を考える時も、そのビジネスが将来的にどんな影響を社会にもたらすか、どれだけの収益が見込めるかをしっかり分析して、クライアントに投資のアドバイスをする。

だから証券会社の志望動機をもし作る場合、「投資を通じて社会のイノベーションに貢献したい」とか、「未来の変革を支える企業に投資して、社会問題の解決に貢献したい」と書けば証券業界で働きたい人向けの動機になる。

まあ、話をまとめると、証券業界で働くって事は、銀行と同じように市場や企業を深く理解し資金を集めるが、集め方は投資になる。そしてその投資を通じてクライアントの資産を増やすと同時に、社会的な価値も生み出す事をするから、志望動機としては「大勢の方々から資金を募って金融の力で社会に貢献したい」という言い方が証券業界を志望する上でピッタリになるかな。

「保険」で求められる働き方と志望動機

さて最後は保険業界で求められる働き方と志望動機についてだ。

保険会社が相手をするクライアントはリスク保障を求めるお客さん達になる。

お前がこの業界で働く事になるとお客さんが直面しうるリスクを見極めて、どんな保険商品がそのニーズに合っているかを提案する事になるから、リスク管理と顧客ニーズのマッチングが重要になってくる。

この仕事をする上で、保険商品の詳細を理解し、お客さんの生活スタイルや将来の計画に合った保険を選ぶ目利きが求められる。

身近な例として大学生だとスマートフォンを使っているよな?そのスマートフォンにも様々なリスクがある。例えばお前がよくアウトドア活動をする学生だとする。キャンプや登山、サーフィンなどのアクティビティに頻繁に参加する場合、当然、水没や落下によるスマートフォンの破損リスクが一般の使用状況よりも高くなる。だから水没や落下による損害をカバーする保険が必要になる。

ただ一方で、もしお前がほとんど外出せず、家やカフェ、図書館でスマートフォンを使う事が多い学生なら、盗難や画面割れのリスクは比較的低めかもしれない。だけど、もしかすると、長時間の使用によるバッテリーの劣化や故障のリスクが心配かもしれない。この場合は、異なるタイプの保険が適しているかもしれない。

このように保険商品を選ぶ時には自分のライフスタイルやリスクに直面する可能性をじっくり考えて、最も適した保険を選ぶ必要がある。全ての人に同じ保険が最適とは限らないから、それぞれの生活状況や将来計画に合わせて保険を選ぶ目利きが重要になるんだ。

つまり保険商品を選ぶ目利きとは、自分や他人のライフスタイルを理解し、最も適した保険を選ぶ能力の事。そのスキルを身に着けるには市場調査をしたり、保険数理に関する知識を使ってリスクを分析したり、顧客とのコミュニケーションを取る能力が不可欠だ。

具体的な例として災害用の保険商品を扱う場合、その地域の災害リスクを分析して、どの保険が最適かを判断する。それに最近では健康志向の高まりや長寿社会を背景に、健康保険や長期介護保険のニーズも増えているから、そういった社会の動向を捉えた提案も大事になってくる。

だから保険業界の志望動機としては「人々の生活をリスクから守りたい」「保険を通じて安心を提供したい」という気持ちが強い人が多いんだ。この業界は文字通り人々の生活を支えるサポートをする仕事になるから「人々の生活を支え、社会問題に対応する保険の力を活かしたい」という気持ちをアピール出来れば保険業界としての志望動機に繋がるだろうね。

就活生が知るべき銀行、証券、保険の将来性

「なるほどおかげ様で銀行、証券、保険にどのような違いがあるのか分かりました。これで志望動機も練れると思います。ただ先輩、それでどのように働けば良いのかイメージがついたのですが、この3つの金融業界のうち、どれが一番将来性がある業界なのでしょうか?就活生として知っておきたいです!」

「正直、分からないのが本音だ。なぜなら日銀が2007年から続けてきたマイナス金利政策を解除する決定がニュースになっていこう。今度、銀行、証券、保険の働き方のスタンスが変わってくる。

補足としてマイナス金利というのは例えば今まで中央銀行に1億円仮にお金を預けた場合、手数料として100万円払うようなシステムがあったとする。その場合、当然、手数料分の利益を出す為に銀行、証券、保険業界は頑張らなかったいけなかったのが、今回、マイナス金利を解除した事で「これからは1億預けてくれた場合、利子として101万円出します」と手数料より高い金額を得る事が出来る様になった。

これによりこれはマイナス金利が導入される2007年より前の話だが、銀行では「預金してくれた場合、○パーセントの利子が付きます」とお金を銀行に預けただけでお金を貰えるようになったり、証券では定期的な配当収入を期待できる株式投資や安定した収益を目指せる債券投資が出来る様になったり、保険では生命保険や年金保険など長期間にわたって積み立ていく積立金関連のサービスが大きく変わるだろう。

また金融業界の行方について知りたいのであれば、フィンテックって言う言葉も知っておいた方が良い。

今の時代、金融の知識だけでなく、金融とITとのテクノロジーの融合を進め、新しいサービスが生まれている。例えば以下のようなモノがある。

  1. 超小口送金: 従来、大口の取引や送金が主流だった金融業界において、スマートフォンなどを通じて小額でも簡単に送金できるサービスが登場している。これにより日常生活での支払いや、少額でも友人や家族への送金が手軽に行えるようになるとされている。
  2. デジタルバンク: 従来の銀行とは異なり、実店舗を持たずにすべてオンラインで銀行業務を行うデジタルバンクが増えている。これにより利用者はいつでもどこでも銀行のサービスを利用できるようになり、より便利な金融生活が可能になってくるとされている。
  3. 組み込み型金融(Embedded Finance): 金融機能が他のアプリやサービスに組み込まれることで、例えばショッピングアプリ内で直接ローンを組む事が出来たり、決済や保険を直接アプリから申し込むことが可能になってくる。これにより消費者はさまざまな場面で金融サービスをより身近に感じる事が出来るだろう。

とまぁ、もしかしたら使った事があるサービスがあるかもしれないが、上記のようにITとの融合も今後注目が集まっているから、ライバルより良いサービスを展開する為に「今後、ITでどんなサービスを展開すべきだと思いますか?」なんて質問が来るかもしれない。

だから銀行、証券、保険の将来像についてお前は俺に聞いたが、少なからず上記の単語を頭の片隅に入れておけば、ニュースなどで判断出来る様になるやもしれんから、まぁ、暇があれば見ておいた方が良いぞ。

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