親が大学進学に反対し就職しないといけなくなった高校生の例

 

 「親が大学進学に反対した為、働かないといけなくなった」

 

 高校卒業後の進路をめぐっては、親と対立し、特に経済的な理由から大学進学を諦めないといけない人はいると思います。ただそんな人たちの悩みの種として、具体的に大学進学以外にどんな道があり、仮に就職の道を選んだ場合、どんな課題が待ち受けているのか?その辺について考えられないことだと思います。

 

 その為、ここでは大学進学以外の道で、かつ会社に就職する場合、具体的にどのように対策を取らないといけないのか?実際に大学進学を諦め、親に就職を迫られている高校生の例で説明したいと思います。

 

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親に大学進学を反対される高校生の例

 

「親に大学進学を反対された?」

 

 と目の前の高校時代の後輩が、大学進学ではなく、高卒就職の道を考えていると聞き、同じ高卒就職で現在働いている俺に相談しに来ていた。

 

「はい、もともと大学進学のつもりで高校を選んだので、正直このまま順調に進むかと思ったんですが、親父が会社で降格にあい、給料が低くなったことから、大学進学に必要なお金が手に入らなくなったんです。

 

 だから当初はバイトや奨学金を借りて、Fラン大学でもいいから進学しようかなと思っていたんですが、親父が『家計のために働け』と言い出して、大学を進学せず、就職して稼いで欲しいと言い出したのです」

 

「家計を維持。それがどれだけ深刻なのか分からないが、お金が足りなくて大学進学を諦めてくれって言うのなら、せめて家計の情報を共有するべきだ?例えばお前が大学4年間通うと借金がこのくらい増えて支払いが滞り財産取り押さえのリスクが生まれるとかな?

 

 大学進学は学歴社会の日本においては無視出来ない代物だ。なぜなら高卒就職のインフラは日本の場合、あまり整備出来ていない。そして運悪く就職先がブラックであれば、転職の際、大卒ばかり求められる日本においてはあまり選択肢が足りない。つまり高卒就職は子供の今後の人生に大きく影響を及ぼすから安易に金が足りないからって進学を諦めるわけにはいかないんだ。ちなみにお前は高卒後の、大学進学以外にどんな進路があるか知っているか?」

 

「高卒就職でしょうか?」

 

「それもある。ただし高卒就職の場合、民間企業か公務員への就職と言うことになる。ただ高卒の場合、民間企業への就職インフラの整備が日本の場合あまりできていないから、正直高卒で就職する場合、ほとんどの人たちが公務員試験を受けて、公務員になろうとする」

 

「なら公務員試験で公務員になることを目指せば良いのでしょうか?」

 

今から公務員試験を目指しても、高校卒業した後の勉強期間が半年以上もあるはずだ。親は家計を支えると言っているんだから、そんな長い間、公務員試験の勉強許してくれると思わないし、何よりも公務員試験は人気だから倍率は高いし、今から一生懸命やっても受かるにはリスクがある。失敗すれば事実上の浪人で更に立場は悪くなるだろうな」

 

「ちなみに先輩は先ほど高卒就職ではインフラが整っていないと言っていましたが、それはどういう意味でしょうか?」

 

「例えばお前がもし大学に進学して就職活動に励むのであれば、おそらく日本中に存在する企業の求人募集を紹介してくれる就活サイトがあるはずだ。さらに大卒における就職サービスも豊富にあり、おそらく全ての業界を志望できるから、ある意味高卒より好きな仕事につけると言っても過言ではない。それに高卒と大卒とでは給料の差が違うって言うから、おそらく高卒就職をした場合、安い給料で働く可能性が高いから、生活でも色々と不便が生じるだろう」

 

「つまり志望できる業界や、さらに給料の面でも大卒と比べてかなり劣ると言うわけですか。ちなみになんで高卒は大卒と比べて優遇されていないんでしょうか?

 

「その理由は定かでは無い。ただ俺から言わせれば高卒の場合日本の法律では社会人としての責任能力が認められていない。つまり運転免許を取ることはできないし、さらに酒を飲むことも許されない。そして仮にお前が不祥事を起こした場合、本来であれば名前などを公表して賠償責任の問わせるのだが、まだ20歳にもなっていない未成年の場合、名前を公表することもないから、大抵は企業の負担になるだろう。

 

 それに就職する際は親の許可が必要だし、給料を振り込むための口座や、仕事での連絡のやりとりにはスマホなどの携帯端末が必要だから、そこでも親の許可が必要になってくる。つまり親が仕事について口出ししてくる可能性があるから、そこで色々と一悶着が起こるのもめんどくさい。つまり未成年である可能性が高い高卒の学生を採用する事は、企業にとっても手続きが面倒だから、責任能力のあると法律で認められている大卒者を優先的に選んでいるのではと俺は思っている。

 

「親が大学進学に反対したから就職しようとしました」って面接で言っても通じない

 

「それに高卒就職における課題も多い。例えばもし面接で『なんで君は高卒後に就職しようと思ったの?』と聞かれたらどう答える?」

 

「それは、親が大学進学を許さず働けと言ってきたからです。と答えるつもりですが」

 

「それでは受からない。なぜなら採用する側からすれば、そんな親の言うことを聞くような人よりも、自分の職業に興味を持ってくれる人を採用したいというのが本音だ。お前はまだ働いた事がないから分からないだろうが、仕事というのは客からのクレームだったり、取引先からの無茶な要求で嫌な思いをする事が沢山ある。だからもし仮に『親が働け』と言ったからという理由で志望すれば『何で俺がこんな辛い目に遭うんだよ』と思ってしまい、その態度が仕事に出てしまうんだよね。

 

 それに精神的に持たないし、人によっては早期退職やうつ病の原因になりうるから、企業側はどちらかと言えば、そんな人材を採用したくないというのが本音。だから面接では『親が働け』と言ってからというのは死んでも言わない方が良いと思うぞ」

 

奨学金を借りてでも大学に行かなかった理由について問われる

 

「なら『御社の仕事に興味がありました』みたいな言い方をすれば良いのではないでしょうか?」

 

 そんな志望動機にすれば『ではなんで君は大学に進学してその手の業界で働こうと思わなかったの?』と訊かれる事になるだろう。さっきも言ったが高卒の就職先というのは正直志望出来る企業数がものすごく限られている。つまり初めからこの手の仕事に興味があるのであれば、大学に進学して、専門知識を学び、そして数多くあるその手の業界を志望できるようにしたほうが効果的だ。なのにわざわざ高卒で就職すると言う事は、ある意味自分の可能性をつぶしていると言っても過言ではない。

 

 だからもし高卒での就職を志望するのであれば『家庭的な事情により、大学進学を断念し、さらに急遽自分で稼いで暮らしていけるようにならないといけなくなったことから、高卒就職を選びました』みたいに経済的な事情を理由に高卒就職を選ばざる形なくなり、でも働く事には事には前向き、みたいな雰囲気を出さないといけない。

 

就職に強い高校に入学しなかった理由が問われる

 

 正直、高卒就職における志望理由というのは作りづらいんだ。というのも高卒就職を目指していたのであれば『ではなぜ就職に強い高校に入らなかったの?』と言われてしまう。さっきも言ったが高卒就職を目指しているのであれば、進学校の場合、就職斡旋のノウハウがあまりない。実際、俺の所も同様で求人募集や学校の先生は俺に仕事を渡す方法なんてなく『ハローワークなどで何とかするしかない』としか言わなかった」

 

「ああ、確かにそうですね。ウチもそうでした」

 

「高校によって企業を紹介出来るノウハウにムラがある。だから高卒就職を目指したいたのであれば就職に強い工業高などに入って専門的知識を身に着けるのが一般的なんだ。

 

 だから高卒の民間企業に就職する理由としては『昔から興味があった』という言い方もNG。俺から出来る提案とすれば、大学に進学するつもりだったが、在学中に問題が生じて、それで急遽高卒就職を選ばざるをえなくなった。みたいな言い方をしないと説得力がない。見積もりの甘さが露呈するからな。そしてその点の事情として1番有効的なのが、親の給料の半減、または身内の誰かが病気になり多額の医療費が必要になった。みたいな経済的な理由が良い。

 

親が高卒就職に反対しない理由について訊かれる

 

 それにお前は信じられないかもしれないが、自分の子供が高卒就職を目指すなんて言い出したら大抵の親は反対するもんなんだ。俺も実際、親から反対されたし。

 

 というのも高卒就職をする場合、最終学歴は高卒と言う事になる。それはつまりお前が何歳になっても高卒扱いにされるってわけだ。

 

 それがどれだけ不便か?例えばお前の就職先がブラックだったとしてら転職して逃げるという方法を選ばないといけないが、転職する際、大抵のところは大卒と言う学歴を求められる。つまり転職したくても出来ない問題にぶち当たる。

 

 更に結婚相談所においても大卒を条件に結婚相手を決めている人が多いから、結婚においても大きな支障をきたす。この手の高卒による選択の幅の狭さから、学歴コンプレックスと言われているような人がおり、実際世の中には『高卒か』と言って見下したりする人もいる。つまりお前は高卒と言うだけで理不尽な人生を過ごすかもしれないと言うことだ。

 

 だから大抵の親たちは、大学進学に失敗したとしても、学歴の低い大学にでも行かせて、せめて大卒にしようとする。それが叶わなければ、せめて短大に進んで、短大卒もOKと条件にいれている転職や結婚相談所を利用し、不自由な人生を送らないようにする。不幸なことに日本と言うのは、最終学歴で今後の人生を決めている部分があるから、高卒は何が何でも避けて、大卒、専門大卒、または短大卒などの学歴を取得して、少しでも良い人生を歩もうとするのが普通なんだ。

 

 そしてこの考えは親だけでなく、面接官も同様で『なんで君の親は高卒就職の道を選ぶことに反対しないのか?』と親の意思を確認する質問をしてくるだろう。さっきも述べたが、親が仕事について干渉してくる可能性があり、更に自分の子供を高卒就職で安易な理由で選んでいるのであれば、今後の仕事においても安易な口出しをして、仕事に支障きたす恐れがある。

 

 だからこの手の高卒者の採用は控えたいというのが本音で、民間企業の高卒就職を成功させるためには、親が高卒就職に納得をして、更にお前自身が高卒就職でも働いていきたいと言う強い気持ちを面接でアピールしないといけない。正直高卒就職で成功するのは難しく、やはり可能なら高卒以外の道も考えておくべきだろう」

 

 

高卒就職における志望動機の言い方

 

「ちなみに先輩はどう言って高卒就職の面接をクリアしたのでしょうか?

 

「俺の場合、親の病気、又は労働環境の変化によって自分の力で大学に行く必要があったと説明して、ただ大学の学費は自分で稼げても、日頃の生活費や、そして医療費等のことを考えると、難しいと思い、高卒就職という道を選びました。と答えた。

 

 すると面接官は『でも君の親は君が高卒で就職することに対して賛成しているの?』と聞いてきて、『自分たちのことは気にしてなくていい』と言ってくれましたが、ただ大学に進学する上でもお金がかかる事は知っていましたし、それで無理に奨学金を借りて大学に行った先輩の中には正社員の職につけずに多額の借金を背負い、逆に迷惑をかける話を何人もの先輩達の話を聞きました。父も母もその事は知っているので、本当に大学に進学するべきかどうかは答えが出ないままでした。もしMARCHのような有名な大学に行けるのであれば話は変わってくるかもしれませんが、私の実力では難しく、色々と悩みましたが、高卒就職の道に進んで親を楽にさせたいと思いました。みたいに答えたよ」

 

「なるほど、結局のところ、家族の同意の上で就職しようとしているって答えるわけですか。そしてこれは自分で選んだ道だ、と。何となくですが、志望動機の言い方に関してはわかりました」

 

「ただその後の面接で『高卒就職は色々と課題があるんだよ』と言われて、転職する際はどうするつもりなの?結婚相談所の場合大卒以上じゃないと受け入れてくれないところもあるんだよ。それでも良いの?と訊いてくる。その場合、間違っても通信で大卒の資格を取りますや、結婚願望がありますと宣言しない方が良い。

 

 なぜなら今、家計は火の車なんだから先ずは就職するのが大事。だから転職や結婚の事は今のところ考えられない状態で、それに採用する側からすれば、せっかく採用したのに、大卒資格でもとってもっと良い企業に転職するのかな?と警戒心を与えかねない。まぁ、そんな言ってはいけない言葉言ってはいけないと心得ているかどうかも見てくると思うから、とりあえずこの手の返事としては『色々大変かもしれませんが、それは家計が安定していればの話だと思っています。今は就職することに集中して実力を磨き、その上で今後の自分の人生を考えていきたいと思っています』みたいに答えていれば何とかなるだろう」

 

大学進学を反対された高校生の選択肢

 

「ただ先輩、言い忘れていたんですけど、ウチの親ちょっと頭がおかしい所がありまして、もしかしたらウチの親、『働け』って言っておきながら『ここではダメだ!』と反対してくる恐れがあるんです。就職を反対された場合、具体的にどうすればよいでしょうか?」

 

「ああ、何となくだが分かるわ、それ。俺も大学に進学する金はないって言っておきながら『ここはダメ。もっと規模が大きいところ』『家の近くにしなさい!!』とか言ってきて、誰のせいで俺の人生設計を狂わしたと思っているんだ、と思ったよ。まぁ、だからそんな長期的展望を描けない親に場合、親離れならぬ子離れが必要となってくる。だから俺もその手の事をやったんだが、一番の方法として親の勤めている会社の親会社に就職するよう目指した

 

「親の親会社ですか?」

 

「ああ、そういうふうに何でもかんでも否定するような親の場合、やはり志望先の企業を否定すると自分の立場が悪くなるような企業が良いと思っている。となるとその会社の候補としては、お前の親が勤めている親会社か、または取引先と言うことになる。だから仮に就職先として選ぶのであれば、親の仕事上馬鹿にすることができない企業が良いと思っている」

 

「しかし先輩、親の親会社や取引先って一体どうやって調べれば良いのでしょうか?

 

「まぁ、お前の親も名刺位を持ってるだろうから、その名刺を親の部屋でも見つけて、会社名を確認し、スマホなどでその会社名と取引先、または親会社と検索して、出てきた企業を志望先として選んでみた方が良いと思うぞ」

 

「実際、俺の親父も就職しようとするたびに『あれはダメだ、これはダメだ』と言ってきたんだが、親の取引先であることを知ると、馬鹿にすることを恐れたのか何も言わなくなった。結局うちの親父は、強い者には頭が上がらないのだろうと思ったよ。

 

 まぁ、それでも後々色々と口出ししてきたんだが、やはり今後の事を考えるのであれば親の頭の上がらない会社の方に就職した方が良いと思っている。俺も親の親会社に就職したんだが、それ以降、ウチの親父は何も言わなくなった。下手な事を言えば自分の上司に伝わり、立場が悪くなると思ってからだろう。まぁ、親父はそれを恐れて内定を取った際は『辞退しろ』と言ったんだが『親会社から『親父さんに宜しくね』と言ってたよ』と言ったら何も言い返せなかったよ。いや~スカッとしたね。だから、親が何が何でも否定するようなタイプなのであれば、とりあえずその話を録音し、内定辞退の際にそれを話しますよ。みたいなニュアンスで言うのも手かと思うよ。まぁ、それで俺は親の干渉から解放され、そして高卒後の進路が決定したよ

 

「なるほど、確かにうちの親父も強いものには敵を回さないタイプなので、何か使えるかもしれませんね」

 

 ただ問題などは親の親会社が高卒就職者を募集しているかどうかそれが分からない事だ。だから就活サイトに登録して、転職エージェントに『この会社の高卒募集はしていますか?』と聞く事から始めた方が良いと思う。

 

 俺が今まで話した内容は結局、今一体どんな求人が来ているか?それが分からない限り、始まらない。だから現在、どのような求人が来ているのか?それを調べた上で作戦を考えた方が良いだろうし、親会社が無くても、その手の業界に入ればチャンスはある。だから先ずは就職先の選定。これを先ず始めた方が良いと思うぞ」