「TOEICって何点取れば就活で有利になるの?」
「TOEICは就活では意味がないって言われているけどほんと?」
「TOEICの就活での足切りって何点?」
などこれから就活を始める人、またはTOEICの勉強を始めようとする人からすればどのくらいの点数を取れば就活において有利になるのか気になると思います。そして世の中には630点以上であればESに書いても大丈夫。と言われていたり、800点以上であれば内定確実という言われたりしていますが、果たしてTOEICは社会的にどんな風に評価されているのか?それが分からなければアピールし方次第も思いつかないと思います。
事実、TOEICで900点以上をとっても内定が取れない人もいます。
TOEICは一体どのようにアピールすれば良いのか?ここでは実際にTOEICの勉強を始めている就活生と、実際にTOEICをアピールして大手から内定を取った先輩の2人の会話形式で、TOEICは就活にどのくらい有利になるのか?その説明をしたいと思います。
就活ではTOEICを何点取れば有利になるのか?
「先輩、お久しぶりです。実は今、就職活動をしているのですが、TOEICの点数があれば就活なんて楽、なんて言う人がいますが、正直良く分かりません。実際、TOEICって何点くらいとれば就活で有利になるのでしょうか?」
「まず何点取れば有利になるとか、その時点で間違い。実際、990点取っていても何処からも内定が取れない人はいるし、逆に500点だったとしても大手から内定を取る人がいる。この違いは一体何なのか?
就活っていうのが、何点取れば有利になるのか?というわけではなく『こういう仕事をしてみたいからTOEICを勉強しました』と、どんな風に仕事で活かせるのか?を言えないといくらTOEICが900点だったとしても、どこからも内定が取れないよ。実際『私はTOEIC990点あります』と言って終わったら、単なる自慢にしか聞こえないし。だからTOEICで就活で有利になりたいのであれば志望先の仕事で如何に役立てるのか?を言えないといけない」
TOEICの点数が低くても有利になる就活生とは?
「では先輩、仮にTOEICの点数が500点だったとして、先輩ならどうアピールして大手から内定を取ろうとしますか?」
「もし俺だったら大手IT業界を志望してみようと思う。IT業界って結構、アップデートが激しくて今まで動いていたプログラムが動かなくなるって問題が頻発している。しかも昔であればAIや自動化と言っていたのに、今でDXと言って表現が変わっているし。それだけIT業界のビジネスは変化が激しい業界と言える。
だからこそ、そこで働く人達は常に情報収集をしており、主に海外のIT情報を入手出来る人が活躍出来る。なぜ海外の情報を入手出来る人?と思うかもしれないが、時代の変化が激しくとも、それを変える事を決めているのはIT大国のアメリカ企業が中心だ。だから仕様変更が行われた場合、その変更内容が開示され、そしてそれを見たユーザーは『我こそは』とネットや会社に対し、仕様変更の不具合や対策をアピールする。そうすると出来るエンジニアと言われているからね。
だからそんな情報を逐一、かつ即座に手に入る人は時代の変化に対応出来る人になって、ここでやっと英語の重要度が見えてくる。実際、英語はGoogle翻訳で何となく場合が多いが、ITのような専門用語だと正しく翻訳されないケースが多いから、やっぱり下地として英語がある程度出来る人が重宝される。日本ってIT後進国と言われていて、実際に英語圏の情報を試して、日本語翻訳してから、企業に本格導入される後出し対応をしている。だから英語が理解出来る人は『海外でこんな仕様変更があったので、こんな問題や対策をした方が良いという情報が目立ちます』と言ってエンジニアとしての地位を確立しようとしている。
TOEIC500点くらいだと、全体像は理解していないけれど、あのスピードでなく、ゆっくり読めば何とか分かるレベルと言われているから『君、この記事読んで、どんな風に対応すれば良いのか?資料としてまとめといて』と情報収集と整理の仕事を任される事がある。だからTOEICの点数が低くても志望先の業務でどんな風に活用されば良いのか?それが言えれば突破口になる」
TOEICで有利になる為に就活生が心得ておくべき事とは?
「なるほど、今の話は私からしたら目から鱗です。正直、TOEICの点数が高ければ大丈夫と思っていたので、今後、どのように考えてTOEICの点数などをアピールすれば良いのでしょうか?」
「俺個人の目安表だけど、こんな形でやった方が良い。
500点以上:情報収集や英語での独学の勉強が出来る
730点以上:お客さんとメール等のやり取りが出来る
860点以上:実際にビジネスを企画し、提案出来る
TOEICで500点取れるって事はリスニング250点、リーディング250点ってことだから、詳細な部分はまだ分からないけど、主語、述語など基本的な部分は読み取れるレベルだと思う。だからこそ、お客様との詳細なやり取りまではいかないけれど、失敗しても大丈夫なような情報収集や英語での独学で結果を出した話をしたら良い。
実際、IT大国のアメリカから情報を収集するなんて話をさっきしたけど、実際、海外のサイトを読めれば日本国内の情報だけでなく、海外の情報も検索範囲として含まれる事になり、視野が広がる。そしてプログラムの勉強など日本より先進的な分野を自分で独学で勉強し、まぁ、Webサイトだったり、日本で関心のある人にレクチャーした経験があるなんて言えれば有利。
そしてTOEIC730点以上になると英語での細かい部分も理解する力があるって事だよね。実際、TOEICのリスニング問題で『会社が汚くなっているので清掃会社に依頼しよう』なんて会話をしていたのに、選択肢を見てみると①地元のサービスを利用する、②前の職場に勤めていたサービスを利用する、③一番コストの安いサービスを利用する、など清掃会社って言葉をいれていなくって、どの選択肢が正解だなんて迷ったりする事がある。実際、ローカルという言葉を言っていて、ほんと会話の1単語だけで答えられるかどうかの決まる部分があるから、このレベルまで行くと英単語1つ1つ聞き取れる実力があると思われる。だから簡単なお客様とのやり取りが出来る程度の実力があると見てくれるだろう。
だからこのレベルからグローバル企業から内定を取れる余地が生まれる。最初は簡単な取引作業を行って、業務内容をある程度心得てから本格的に仕事してもらうなんて事がある。だからもしTOEIC730点分の評価を受けたいのであれば、学生時代、英語でお金を稼いだ経験をアピールした方が良い。
例えば日本の場合、日本のアニメが人気だから、アニメを海外に販売するせどりのような経験があったり、クラウドサービスを通して英語で契約書の作成をしたとか、海外の法律や医療などの専門用語を交えた翻訳をしたとか、『金を払ってくれるほどの英語力がある』なんて思わせる経験があると強い。実際、どんな風にビジネスをしたのか?訊かれるし、そして『御社の仕事ではこういう部分でお客様とのやり取りが必要だと思います。その為、私はこの商品知識を扱った事がある為、お力になれるのではと思いました』なんて言えれば尚良い。
日本は国土が狭いから海外からの輸入を頼らざる得ない人もいるし、コロナの影響で今後オンラインでの外国人とのやり取りが活発になってくる。だから英語でやり取り出来る人は需要がある。また珍しい例として『日本のゲームのやり方を教えてくれ』ってゲームの教育ビジネスが最近話題になっている。これをE-スポーツというんだけど、最近、スポーツではない、俺達が対戦ゲームとか使っているあのゲームの大会を開いて食べていく人達がいるから、今まで遊びと言われていたゲームもスポーツの種目の1つになっているんだ。だからサッカーのコーチや野球のコーチのようにゲームのコーチという新しい職業が登場しつつある。実際、俺の知り合いは遊戯王のやり方を英語で海外の子供達に教える事を学生時代のバイトでやっていてオンライン系の教育ビジネスに就職した話を聞いた。だから何かしら英語を通して活躍した経験を話せればTOEIC730点分の評価は得られると思う。
TOEICの点数が高いと逆に不利になる例
そして最後の860点以上の場合なんだが、この場合、正直、人によってはTOEICをアピールしない方が良いので?と思っている」
「どうしてTOEICの高得点をアピールしない方が良いと思うのですか?」
「分かりやすく言うと、海外留学生や帰国子女の人達と比べられてしまうんだ。実際、このレベルまで行くとStore CreditとかWhat are you after?とか、英語独特な表現が理解出来ると思われる。つまり海外の文化を知っていて、その上で取引出来るかどうか見られるんだ。
そうなると当然、実際に海外で暮らしていた人達の方が経験があるという意味で重宝されるし、実際に社会で役立つ経験を積んでいる人が多い。例えばインドのようなIT先進国の場合だと、実際に専門分野を行っている教授の下で環境問題を解決するシステム作りを行ったり、アプリ開発スキルだけでなく、実際に自分で市場分析をして『なぜこのアプリがヒットし、今後支持されるのか?』との理由を根拠を持って説明出来たりする。
海外の大学ってそんな実際に現場に駆り出されて活躍出来るようになっているから、そんな大学の教授の講義を聞いているだけで単位が貰える印象のある日本人なんてあんま価値があると思えないだろ?おまけに英語はペラペラ、んで別の外国語も心得ている場合が多い。
だからTOEIC860点クラスになるとそんな人達と勝負して勝てるのか?と見られてしまう。だからあまり良い経験が無いのであれば、IT企業や輸入・輸出ビジネスに携わっている大手企業に就職した方が良い。でないと就職後の社内競争で苦労する事になるだろうからな」
TOEICの点数が高い人が就活で有利になる為には?
「先輩、仮にですが、TOEICの点数が860点以上の人はどんな事を意識してアピールした方が良いでしょうか?」
「分かりやすく言うのであれば、海外の現地に行ってちゃんと成果を上げるノウハウを心得ているかどうか?それが焦点になると思っている。この説明をする上で俺はYAMAHAの話を良く例として使っている。
当時のYAMAHAはスリランカの漁師に船外機、船の船尾に着けるエンジンをスリランカの漁師に売り込もうとした事があった。実際、当時のスリランカの漁師は手漕ぎのボートで浅瀬までしか行けず、奥の沖合で漁が出来れば漁師の生活は潤うと思い、売れると思われていた。しかし実際、現地に行ってみると
① 船外機の値段が1つ100万円でスリランカの人からすれば家を1軒買える値段で買えないと言う人が続出。
② 宗教的な理由から船の形を変える事は許されず、船尾を切ってエンジンをつける事は漁師達からの反感を買って船外機のイメージは悪くなる。
③ 電力インフラが整ってなく、充電に必要な電力を手に入れる事もままならない。
など上記のような問題が続出した。このように海外で働くという事は物価の問題や、宗教、ならびに不安定なインフラなどが障害となってビジネスが破綻してしまう事がある。だから海外で働く上では海外文化をより理解し、どのようにビジネスを展開すれば良いのか考えられる力が必要なんだ」
「先輩、異文化参入の難しさについては分かりましたが、ちなみにこの場合、どうやってYAMAHAの人達は問題を解決したのでしょうか?」
「俺の知る限り、以下の対応をした。
① 値段は高いが生活水準向上に貢献できるので政府に掛け合って補助金の申請が出来るよう取り計らう。実際、当時、100万のウチ、半分の50万を出してもらえるって事で政府との交渉に成功した。
② 宗教的な問題だが、内容をよく聞くと「船の形は神によって決められた物。人の手で変える事は許されない」と、どうやら船の形を変えると天罰が下る。という思想だった。その為、現地の理解のある人を雇って実演販売し、天罰が下らない事を証明する話になった。当然最初は批判する人が続出したが、結果、無事に帰るどころか、沢山の魚を採り『神様からの頂き物を得た』と言って考え方を変えていった。
③ 日本の電力インフラの会社と相談してスリランカに進出する上での必要な出資に協力し、簡単な電力発電所を建設。現地の従業員を雇う事に成功し、地元の雇用創出と安定した電力インフラの確保を実現し、地元の人達からの信頼を得る。
とまぁ、助成金や意識改革、そして他業種との連携を通して問題を解決する事をした。実際、このような問題はよくある。東芝の場合、原子力発電所を海外で販売しようとしたが、耐震強度の設計図しかなく、更にハリケーンやテロ対策などの安全対策を求められるようになり、既に実績のある企業に契約が取られる問題があった。
他にも自動販売機ビジネスなんて、日本では当たり前のように飲料水を自販機で買えるけど、海外の場合、治安が悪いせいで自販機ごと盗まれる事があり、更に現地の警察官は対応しないなどの問題があったりする。実質、アメリカでは自販機どころか、ATMを牽引車で強奪する事件があったから、日本で通じる常識が海外では通用しない事を念頭にビジネスを成功させる根気があるか見られる」
「先輩、スケールがデカすぎです。正直、そんな経験、日本の大学生がとても積めるような経験ではありません。TOEICの860点台で、かつ普通の大学に通っていた就活生はどんな風にアピールすれば有利になれるのでしょうか?」
「今、話した通り、異文化ビジネスへの参入の大変さ、そして打開策のネタを1つか2つ持っていると良い。実際、海外では盗難対策として靴屋の場合、店頭には片方の靴しか置いていないようにしてある。実際に履いている途中で逃げる人もいるからな。だから購入を決めた人に対し、残りの片方を提供して盗難を防ぐ事をやっている。他にもバイクや車などはキーをつけていないなどの盗難対策をしている。だから海外でビジネスをする上でどんな事に気を付けないといけないのか?その辺の知識を面接などでアピール出来ればTOEIC点数相当の評価を得られやすくなる。
実際、水産加工会社の人がいたんだけど、当時面接官が就活生が行った事のある国に向けての企画書を作っていたんだが『あの国って冷蔵庫の冷凍施設がある中間地点がないせいで、魚を遠くに運べないって寿司職人の人がいっていたんですよ』というのを聞いて、企画を書き直したと聞いた事がある。後日談だが、その面接官は遠くの地域の人達にも魚が食べられるようにする為に冷凍車の開発を提案し、それが通ったと言われている。だから異文化で障壁はあるけれど、逆に日本の技術でそれを乗り越えられれば新たなビジネスチャンスにつながるから、海外の様々な問題や解決できない理由についても知っているだけでも有利になれる」
TOEICをアピールして有利になる就活生とは?
「結局、TOEICの点数も大事だけど、そんな点数だけで全てを判断するのではなく、仕事で成果を挙げる為の妥当性などで判断出来る企業に就職した方が良い。だからもし良い企業に就職したいのであれば、やっぱり
① TOEICでどうやって勉強し高得点を取れたのか?
② 英語のスキルをどのように仕事で活かそうと考えているのか?
③ 海外で働くのに必要な経験や実績があるのか?
など上記の3つを意識してアピール内容を練れれば有利になっていく。ちなみに『どうやって勉強したのか?』という点についてだけど、何も外国語は英語だけではない、中国語とか、ドイツ語とか色々とあるから、仕事の最中、その外国語を習得出来るかどうかも見てくるだろうから『学業との両立で難しかったですが、電車や隙間時間を作って身に着けました』と社会人でも通用しそうな習得術をアピール出来れば良い。
また最後に『自社製品を海外に広げていきたい』など、海外で働きたい動機のようなものを語れると良い。さっきの遊戯王の話に戻るけど、その人は当初海外にいる際、遊戯王について知っている事を外国人に話したら周囲にいた全員が集まりだして、日本商品の魅力に驚いたと言っていたんだ。この体験から、日本商品をもっと世の中に広げていきたいという考え方を持つようになり、オンライン教育を通して教える仕事を今やっている。
実際、日本の魅力を世の中に伝えるってやりがいの感じられる仕事の1つでもあるからね。日本の伝統を守るという意味で。だから歌舞伎や茶道、生魚などの文化を広げていく仕事に魅力を感じる人もいる。だからもしTOEICをアピールするのであれば、結論として『だからこの仕事をしたいのです』とちゃんと仕事の意欲に結び付けてアピールした方が良いと思うぞ」