何の取り柄もないのに内定を取る就活生

 

「何の取り柄もない就活生は一体どうすれば良いのか?」

 

 学生時代、特に何か特別な事をしたわけでもない為、何もアピール出来るものがない。このように自分が過去に何もやってこなかった、目立った成果を挙げられなかった事で就活でアピール出来ずに苦戦する人はいると思います。

 

 しかし世の中にはそんな取り柄がない状態でありながら内定を取る人もおり『一体どうしてその人達は内定を取る事が出来たのか?』と不思議に思うかと思われます。何もない就活生でも大手から内定を取る為にはどうしたらよいのか?ここでは実際に『何の取り柄もない』と投げていている就活生が無事内定を取るまでのストーリー形式で内定を取る方法について説明しております。

 

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何の取り柄もない就活生はどうすれば良いのか?

『僕は何の取り柄もないダメな人間だ』

 

 最後の望みとして賭けた最後の選考結果もサイレントとして終わり、もはや就活に対しても何もしたくない気持ちになっていた。無論、特に受かる可能性があってやったわけではなく、ただ面接官の質問に淡々と答えていただけ。熱意をもって話したか?と言われるとそうでもなく、もはや相手からしたらロボットと話しているような印象を持ったかもしれない。

 

 なぜこんなに自信がなく、落ち込んでいるのか?それは僕は大学時代、特に頑張った経験がないからだ。大学も講義を受けて終わり、家に帰ったらただ遊んだり、寝たりなど特に友達を作って何か頑張ったわけではない。正直、アピールする物がなくてうんざりする。そんなこんなで僕は先ほど不採用となり、これから新しく駒を見つけないといけない。しかしやる気が出ずに動けない。

 

『もうどうしたら良いのだ?』

 

 とそんな風に悩んでいるとメールにて同じ内定が取れない同級生から『内定が取れない奴、相談したい事がないか?』とチャランポランタンで遊んでいたのにもかかわらず大手から内定を取った先輩が部室に来ているという事で、このままじゃ、ずっとひきこもりになっちゃうと思い、試しに会ってみる事にした。

 

 数日後・・・

 

「先輩、助けて下さい。実は私、学生時代、特に特別な事をしてきたわけではなく、就活でアピールするモノがなくて困っています。ただ普通に講義に出て、ただ普通の成績を収めて、ただ普通に学生生活を送ってきたこんな何の取り柄もない就活生が内定を取る為には一体どうすれば良いのでしょうか?

 

「んなもん、簡単だ。先ず何か取り柄がある就活生が受かる、なんて思っている、そんな間違えた考え方から治すんだ」

 

「え?取り柄がある人が受かる、というのは世の常じゃないですか?一体それがどうして間違いだというのですか?」

 

「では聞くが、大学で将来働いて役に立つ勉強を学べたかと思うか?」

 

「いいえ、どちらかと言えば、大学の講師が自分達の考え方をただ一方的に教えるだけで、これが将来どんな風に役立つのかについては全くどの講師も触れていませんでした。ですので正直、大学の勉強が今、役に立っているか?と言われてもNOと言わざる得ません」

 

「そうだろ。そしてそれは人材を採用する面接側も同じだ。大学の講義は理論や理屈ばかり教えて頭でっかちな人しか送り込んでこない。向こうからすればアルバイトでも何でも実際にお金を稼いで働いた経験者が欲しいわけだから、大半の学生は取り柄がなく、取り柄がないのが普通なのに『取り柄がない』と嘆き、いつまで経っても変えようのない事実で苦しんでいるから、ダメとかしか思わないんだ。だから就活で、特に大手から内定を取りたいのであれば、向こうが欲しいと思わせる人材だと思わせるようなアピールを練るしかない」

 

取り柄の無い自分から抜け出す為には?

 

「しかし学生時代に頑張った事なんて1つもないせいで、ガクチカや自己PRも書けない状態にあります。そんな状況下で一体どうやってアピール内容を練れば良いのでしょうか?

 

「俺の場合だが、こんな事を志望動機で書いた。

『私は学生時代、居酒屋のアルバイトをしておりました。通常であれば毎日30人ほどのお客様が来るのですが、当時、東京都が飲食店での喫煙を制限する条例を出し、喫煙家をメインターゲットにしていたこの居酒屋では方針転換を迫られていました。結論としてメイン顧客を外国人観光客に変え、外国語のお品書き、旅行者が良く使うWi-fi端末の通信インフラを店に設置しました。その結果、最初は1日5名来れば良い方でしたが、異文化の宗教に違反しない料理も提供している事も宣伝した結果、インフラ整備もしている事も功を奏し、口コミで来客数が増え、1日平均30名に戻りました。このように私は時代が変化しても求める需要を掘り起こし、世の中から求められるような仕事が出来るようになりたいと思い、最先端の技術を導入し、時代の先を行く事をスローガンに掲げている御社で働いてみたいと思い、この度、志望しました』

 とこんな風に書いた」

 

「・・・今の先輩から、申し訳ないのですが、噓八百を並べた内容としか思えない誠実な内容ですね。ちなみに嘘ですか?」

 

「嘘ではない。実際、俺はその現場にいたし。ただし実際に考え出したのは居酒屋の店長で、パンフとかWi-fi通信端末を設置したのは『わが社の製品を置いてくれれば外国人のお客様もお店に呼べます』と通信端末を販売していた営業マンで、俺はただ言われた事をやっただけだ。嘘ではないぞ」

 

「屁理屈ですね。ただそんな風に立派な内容を言えれば逆に内定が取れるってわけですね。正直、真面目にやりすぎているから内定が取れないのかな?なんて思えてきました」

 

「そう考えてくれると話が早いよ。もちろん真面目に仕事をしてくれる方が、利用するこちら側すると嬉しい限りだが、就活では『この子は仕事の出来そう』『志望先の業務の理解している』など出来そうな雰囲気を醸し出して内定を勝ち取るのが一番だ。少なからず学生時代に頑張った事で全てが決まるのであれば、もう就活なんてする必要などないし、ないから就活では俺のようなチャランポランタンでも内定を取る事が出来るんだよ」

 

取り柄がない状態から取り柄があると思わせる就活生

 

「先輩、言っている事は分かりますが、仕事が出来そうな雰囲気や志望先の業務知識って具体的にどのように調べれば良いのです?私はそれが出来なくて困っているのに」

 

「やっぱり、実際に働いている人から『どういう仕事ぶりが成果を得られるんですか?』と聞いて、知見を深めていくのが手っ取り早いな。俺の場合だが、OfferBoxのようなスカウト型就活サイトを利用して、知見を深めていったよ」

 

「スカウト型就活サイトって何ですか?」

 

「俺達は就活を行う上でリクナビやマイナビを使って、志望先を決めたりしているだろ?しかしあれってこちらがある程度志望先の業界や企業を調べた上で志望しないといけないから『君の考え方、間違っているよ』『だったら何でウチを志望したの?』と言われ、まぁ、働いた事のない人間が働きたいです、なんて的を射た言い方をしないといけない。正直、出来る人はいるのだろうが、俺の場合出来なかった。しかしスカウト型就活サイトの場合、それは違う。なぜなら事前に載せたプロフィールを見た採用側の人が、俺に興味を持って声をかけてくれるわけだから、『どうして自分に関心を持ってくれたのですか?』と訊ける。そうすれば向こうが自分の何をどのように興味を持ってくれたのか説明してくれるから、自分の強みや志望先の求める人材について教えてくれるわけだから、どのようにアピールすれば良いのか参考となるわけよ」

 

「ちなみに先輩の場合、どんな風に答えてくれたのですか?」

 

「俺の場合だが、居酒屋でアルバイトしていたのだが『居酒屋でアルバイトをしているなら、わが社のビール商品をどのように販売されているか見当がつくよね?』と大手ビールメーカーからは酒の知識や酒を好むお客さんのニーズ、そして実際にビールを卸している店長がどんなビールを求めているのか知っている可能性が高いという事で俺に声をかけたらしい。

 

 これで俺が居酒屋のアルバイトをしているだけで、ビールやWi-fiなど居酒屋相手に商売をしている企業に需要があるのが分かる。そして商品知識や、時折訪問してくれる営業マンによってどんな風に居酒屋にとって魅力に感じる提案をすれば良いのか、店長に聞いてアピールする内容がどんなものなのかを探った。おかげさまで俺は『この子は居酒屋相手にどんな風にアプローチをかければ良いのか知っている』と営業が出来そうなイメージを持ってくれたから、面接が通過しやすくなった。これで内定を取る為にはどうしたら良いのか分かっただろ?」

 

「なるほど、要は仕事が出来そうな人のノウハウを真似して、あたかも自分も出来ますよ、みたいなアピールを短い面接の中で出来るようになれば良いという訳なんですね」

 

「その通りだ。あと驚いたのは俺は文系出身なのだが、IT業界からも声がかかったよ。ITなんて文系出身の俺では正に何の取り柄もないと思っていたが、今の時代、デジタル庁やらAIやらITに関して詳しくならないと時代に取り残されると思っていたから、ITを学べるのであれば是非、なんて思って会いに行ったよ。

 

 するとITの経験がなくても良いと言ってくれたんだ。今の日本はIT人材の育成をしていないから企業がIT人材を育てるしかないという事でITの研修を用意している。そして実際、会社でITの開発を行うわけだから、先輩が指導に入ってくれて、どのようにやれば良いのか教えてくれる。ITなんて難しいと思ったけど、PCやWebサイトを作る為のインフラを用意していればわずか半年程度で基本が身に着けられるという事だったから、試しに応募して内定を取ったりもしたよ。

 

 このように文系の俺でもITエンジニアとして働けるIT企業を見つけだす為にも、こんな俺でもOKと言ってくれる企業を見つけだす必要がある。今のお前は持ち駒を無くして新しく志望先の企業を見つけないといけない立場だと知ったから、もしかしたらお前もITを目指せるのではないかと思い、言ってみた。リクナビやマイナビだと文系でも雇ってくれるIT企業を見つけるのは難しいからな。だからこそ、このようなスカウト型就活サイトでも使って、俺では無理だと思っていた企業でも就職出来る可能性があるわけだから、試しに利用してみるのも良いと思うぞ」