就活での「挑戦」の魅力的なアピールの仕方とは?

 

「学生時代に挑戦した事を教えてください」

「大学生活でチャレンジしたこと、人生で1番挑戦したこととは?」

「あなたが弊社で挑戦したいと思っている事を教えてください」

 

 就活で挑戦をアピールする場合、大抵資格取得や売上を倍にしたなど、成功体験を語れば大丈夫と考えている就活生がいると思います。しかし実際に就活をやってみると、

何の為に挑戦したの?

 

 と目的について聞かれたり、

ではこういう問題が発生したらどうするつもりだったの?

 

 などあらゆる問題点をあげ、本当に挑戦して成功する就活生なのか試されると思われます。

 

 その為、就活ではただ成功した実績だけでなく、成功する為のノウハウについても心得ていなければなりません。

 

 逆を言えば、学生時代、大した挑戦をしていなくても、志望先の企業でどんな事を挑戦し、乗り越える方法を述べられれば学生時代に頑張った事が無くても内定を取る事が可能です。

 

 その故、ここでは、実際にどのように就活で挑戦をアピールすれば内定が取れるのか?その点に関し、実際に多くの企業の面接の裏側を見てきて、更に副業で就活生のエントリーシートの添削等を行っているキャリアコンサルタントの視点で、その方法について説明したいと思います。

 

就活で求められる『挑戦する人材とは?』

 

『私は学生時代に何の挑戦もしていません。どうしたら良いでしょうか?』

 

 と俺の所にはエントリーシートに「あなたが挑戦したエピソードを教えてください」など質問があったせいでどうしたら良いのか分からないと、相談しに来る就活生が後を絶たない。

 

 要は、学生時代は遊んでばかりで、そんな就活で求められるようなチャレンジ精神がある学生ではない、しかし大手には就職したいから、この手の質問はどうやって答えれば良いのか、アイデアを教えてくださいという相談がよく来るのだ。

 

 まぁ、そういう人以外にも、立派な挑戦をしているにもかかわらず、就活で評価されない人もおり、就活生の中には企業がどんな挑戦をする人材を求めているのか、正しく把握していないせいで、結果が出ない人が結構いる。

 

 これは俺なりのアイデアだが、就活で挑戦をアピールする場合、どのように挑戦をアピールすれば良いのか?その一例について紹介してみたいと思う。

 

学生時代に挑戦したエピソードを語る上で心得ておくべき事

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 先ず意識してほしいのは挑戦エピソードを語る場合、ただレベルの高い挑戦をして成功した話をすれば良いという訳ではない。

 

 挑戦エピソードが問われているのに、なぜダメなんだ?と思う就活生もいるかもしれないが、就活生の中には海外留学や事業を立ち上げたなど、レベルの高い挑戦をアピールしていれば大丈夫と考えている人が結構いるからだ。

 

 なぜ挑戦して成功しても評価されないのか?

 

 その一例として、例えば面接に来た就活生が

『簿記やTOEICの資格は意外と簡単に取れまして』

 

 と、実力の高さを示したいのだろうが、面接前、俺の隣にいる面接官は

『TOEICの点数が低いせいで昇進出来なかったよ、ちくしょー』

 と言っていたので、この発言を聞いた時、一瞬俺はヒヤッとした。

 

 そして恐ろしいのは面接ではその事を就活生に伝えず、その学生が退室した後、

『アイツは不採用にするか』

 

 と言って、その一言だけで全てが終わり、そして不採用理由を教えられずに終わる点だ。

 

 つまり面接官の中にはおかしい部分を指摘してくれる親切な人もいるのだが、今のように相手を不快に感じさせる話し方をしていると注意してくれない為、いつまでたっても間違いに気づかない事が続く。要は一番避けるべき失敗例と言える。

 

 挑戦エピソードを語る上で難しいのは、就活では実力の高さをアピールしないといけないのに、逆に実力の高さをアピールしたせいで妬まれ、助けてくれない事になる点だ。

 

 だから不快に感じさせないアピールの仕方をしないといけないわけだが、ではどういう風にアピールすべきなのか?それが分かる例としてまた海外留学を経験し、更にTOEICが満点という別の就活生の話を紹介したい。

 

就活で挑戦した経験だけをアピールしても足りない例

 その就活生も当初、海外経験をしており、そして多分、『TOEICが満点であれば何処でも受かる』と思っていたのかな?事実、面接をしてみると

「何の為に海外留学したの?」

「TOEICが満点だけど、そのスキルでわが社の仕事にどんな風に役立てようと思っているの?」

 

 と質問した結果、その就活生は

「英語のスキルが高いので、何かしら仕事で役立てますよね?」

 

 と返事をしてきて、

「じゃあ、帰国子女枠の人を採用したほうがいいよね?」

 

 と言ったら黙ってしまった。

 

 んでTOEICが満点だと主張しても

「だったら日本語が話せる外国人雇ったほうがいいよね?」

 

 と言われ、ここでも黙ってしまう。だから面接官のアドバイスとして

「例えば君が簿記1級の資格を持っていても税理士や公認会計士に相談した方が良いって話になるから、彼らと相談して君は何を成し遂げたいのか?そこを語ってくれないと困るよ」

 

 と、実力の高さではなく、高い実力で今後会社で何をしたいのか?その部分を語らないと採用するかどうか決められない、という話になった。

 

 この面接でのやり取りと同様に就活では挑戦した事をアピールするのも大事だが、最終的には

『この経験を活かして御社では○○をしたいと思っています』

 と挑戦した経験をもとに志望先でどんな挑戦をしたいのか?結び付ける話にした方が良い。

 

就活で評価される挑戦した理由とは?

 このように就活では挑戦し成功しても、その経験を社会でどのように活かそうとしているのか?語った方が上手くいく。

 

 事実、内定を取る就活生がアピールする挑戦動機として『バイト先がコロナで潰れそうだった』『地元に貢献したい』など人を助けたい、社会を良くしたいという言い方が目立つ。

 

 一方でこれは志望動機の例だが、内定を取る志望動機も『世の中の為に』と紐づく言い方が目立つ。

 

 例えば食品業界を志望する人の場合『人々の健康を支えたい』と言い、金融業界の人は『資金的なサポートしたい』と言い、IT業界においては『情報やセキュリティなどで業務の健全化を図りたい』などと語っている。

 

 このように挑戦エピソードを語るのであれば、実力の高さではなく、その実力の高さをどのように活かしたいのか?語り、そして最後に『それを活かせるのは御社です』という言い方にした方が良い。

 

面接官は挑戦して成功する逸材を見抜く為にどの辺を見ているのか?

 

 しかし一番挑戦のアピールで目立つ失敗例として

『ではまた同じような事が起これば君は成功するのかな?』

 という質問に答えられないケースだ。

 

 就活生の中には高い成果をあげたとしても『上司の指示に従った』『たまたま近くで大きなイベントがあり、自分の担当日の来客数が増えた』とか、自分の実力とは言い難い成果をアピールしている事が多い。

 

 だからそんな嘘を見抜く為にとある会社では面接前に『ケンタッキー・フライド・チキンのバイト』の話をされ、仮に面接に来た就活生が

『私が参加した途端、売上が先月より倍になった』

 

 と言ったけれどケンタッキー・フライド・チキンでは12月25日になるとクリスマスに七面鳥を食べる文化により、その月の売上が異常に上がる傾向がある。

 

 だからこの就活生は嘘をついていないが、実際は一番売上が見込めそうな時期に一時要員として駆り出された学生バイトで、都合の良い解釈をしてアピールする人間だと言える。

 

 だから面接官はそんな就活生を見抜かないといけないし、仮に見破られずに採用してしまうと

『君があの子を採用したんだよね?じゃあ、君の部署が引き取って』

 

 とダメな人材を押し付けられる事になる。

 

 だからこの話を聞いた後、面接官は本当にレベルの高い就活生を採用する為に『なぜ成果をあげられたのか?』と考えるようになる。

 

 これはこの企業だけでなく、どの企業でも起こっている事だと思っており、就活生は挑戦して成果を上げた事よりも成功する為に必要なノウハウを言えた方が有利なると言える。

 

就活で大手に就職する為に求められる挑戦エピソードの例

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 では成功するノウハウとは具体的にどんなモノなのか?

 

 俺の場合、就活生に以下の3つを教えている。

  1. 既存サービスの改善
  2. 品質を維持しつつコスト削減
  3. 新しい収益源の開拓

 

 要はビジネスで挑戦する型としては1に既存の商品を今より良くする、2にクオリティーを落とさずに安くする、3に全く新しい事に挑戦し収入源を得る、というやり方になる。

 

既存サービスを改善に挑戦し、評価された就活生

 まぁ、分かりづらいかもしれないが、例えば1つ目の『既存サービスの改善』はDIY用品の場合、コロナの影響で在宅需要が増えた事で、DIY用品の活用法をお客様に教えたら売上を上げたという例がある。

 

 例えば就活生の中にはホームセンターでアルバイトしていて、コロナの影響で在宅するお客さんが増えた為、仕事で使う書類を置く棚、ならびに空気清浄機を置く棚に人気があり、市場データや顧客のアンケートなどを見て、現場責任者と相談した結果、最終的にはそのDIYの作り方教室まで開き、DIY用品がいつも以上に売れるようになったと話があった。

 

 この経験が働く上でどんな風に役立つのか?

 

 社会人の中には自分の商品を買ってもらう為、必要以上に値引きして会社への還元を低くしてしまう人達がいる。言わば一種のブラック企業みたいな経営をしており、利益率が低い分、社員の給料も低く、薄利多売なビジネスになってしまう。

 

 それ故に顧客が高くても良いから欲しいと思える商品を見出す為に、先のDIY用品のように時代の変化に合わせて付加価値をつけるなど、従来商品を更に良くする手腕が求められる

 

 それ故に学生時代に既存サービスを更に良くした実例があればDIYだけでなく、食品や家電製品など主力商品を持っている企業に応募した際に役立つと言える。

 

コスト削減に挑戦し、評価された就活生

 そして2つ目の『品質を維持しつつコスト削減』については、既存商品に付加価値を与えるのではなく、品質を落とさず代わりとなる安価な商品を利用して経費を抑える方法だ。

 

 単なるコスト削減ではダメなのか?と思うかもしれないが、要は安価な製品に変える事など誰でも出来る為、驚くような話ではない。

 

 実際、コスト削減をアピールした就活生がいたのだが、

『それで質を下げたら、お客さんからクレーム来ない?場合によっては客離れが起きちゃうよ』

 

 と、どちらかと言うとコスト削減に伴う問題点について指摘され、内定に到らず、という結果になった。だからコスト削減を1つの挑戦としてアピールしたいのであれば、質を下げない事も視野に入れた方が良い。

 

 ビジネス的な成功例としては焼き鳥屋の話なのだが、従来は全国から肉を集めていたのを地元の肉に変え、輸送コストを抑える事による低価格提供した例がある。

 

 このように食材や製品を自社で仕入れる事で購入コストを抑える方法がある為、品質を維持しつつ、値段競争力を高める方法として挑戦の枠組みと判断される。

 

 就活生が出来る例としてはコロナの影響でバイトが出来なくなった為、室内栽培に挑戦し、キャベツやトマトを自家栽培し、食費を抑え、大手から内定を取った人がいた。

 

 たかが自分の食費を抑えただけなのに?と思うかもしれないが、今の時代、コロナの影響で生き残りをかけた戦略が問われており、質を下げず、かつコスト削減に成果を出せる手腕が求められている。

 

 特に金融業界においては取引先の企業が生き残ってもらう為に様々なアドバイスが求められており、生産コストの把握やリスク管理に長けた企業を見抜くスキルが求められている。

 

 だから家庭栽培の話に戻すが、その就活生の場合に趣味にたしなむ量というより食費を完全に抑える為、部屋に満遍なく栽培用のプラットフォームを横にも縦にも積むなど規模が桁違い

 

 管理を徹底する為、大学でいない時でも管理できるようLEDグローライトや温室効果を持つ製品の配備、そして自動灌水装置やタイマー付きの水やりシステムなど自動化技術を駆使。また可搬式のスマートフォン対応の温度・湿度・光量センサーも利用し、遠隔から栽培状況を確認するなどリスク管理も行っていた。

 

 そして面接ではその手の数字や時間、そして進捗管理も正しく言えると先の金融業務で求められる生産、リスク管理、そしてマネジメント能力あると面接官に分かりやすく伝わる為、内定を取ったわけだ。

 

新規開拓に挑戦し、評価された就活生

 そして最後の3つ目の『新しい収益源を開拓』についてだが、1つ目のは既存商品の改善だったが、最後は全く新しいモノを生み出して新たな収入源を得る方法だ。

 

 就活では人気企業の代表格として三菱商事はあるが、三菱商事の挑戦失敗事例として原子力発電所の話がある。

 

 三菱商事はかつて海外に原子力発電所の販売に力を入れた事があるが、日本は地震があるせいで耐震強度用の設計図しか用意出来ず、当然、売り込み先が地震のない国だと余計な設備で高価格になり売れない。

 

 また日本のように治安が安定しているわけでは無い為、耐震強度よりもテロに備えた設計にしてほしいという要望が多かったりと文化の違いに対応出来ないなどで撤退した背景がある。

 

 このように新規開拓する為には技術的な面だけでなく、文化の違いにも対応しないといけないわけで海外などの未開拓に挑戦出来る人材に求められる要素は多い

 

 今度は海外進出の成功例として2004年にプロジェクトXで取り上げられたヤマハ発動機の船外機の話をしたい。

 

 ヤマハ発動機はボートに後ろに取り付ける船外機(ボートをモータボートのようにして、沖合に出て魚を取りやすくしようと)を売ろうとした。

 

 しかし当時の値段は現地の人達からすると家一軒分買える値段。当然買ってくれる人は少ないわけで、更にその国では船の船尾に何か取り付ける事は宗教的に禁止されており、船外機をつける事はヤマハ発動機だけでなく、使用者に対するバッシングも懸念された。

 

 この手の問題を解決する為にヤマハ発動機は何をしたのか?

 

 価格的な問題を解決する為、現地の政府と掛け合い漁村の生活水準を上げる為に購入者に対し、助成金を出す制度改革を進めた。

 

 更に宗教的な問題に関しては実際に現地の人を雇い、そして実際に現地の人達に見せる事をした。当然、最初は『船を傷つけると神の怒りにふれ帰ってこない』と言っていたが、それをつけて自分達が取れない大量の魚を目の前に出し『神は祝福してくれた』と現地の価値観を変えていく事をした。

 

 これを続けた結果、購入してくれる人は現れたのだが、今度は今まで浅瀬で漁業をしてきたせいで沖合に出て深い所にいる魚を取る術がなく『魚が取れないぞ』とクレームが出た。

 

 現地の漁業水準が低いせいで船外機が売れない問題が出たが、この手の技術的な問題に対し、ヤマハ発動機の社員は日本の漁師と掛け合い、漁業技術を学び、そして現地で必要な用具や教室を開き、新たなビジネスを展開した。

 

 このように新たな挑戦をする為には経済的な問題、宗教的な問題、技術的な問題など様々な問題が生じている。

 

 この手の新たな挑戦が求められるのは日本の商社以外に外資系の企業になってくる。

 

 例えば今のは日本が海外に進出する場合だったが、逆に海外の企業が日本に進出してきているのが外資であり

『日本文化を知っている君なら文化の違いを乗り越えて我が社の商品を売ってくれるよね?』

 と頼まれる。

 

 では具体的にどんな仕事を任されるのか?

 

 例えばスマートフォンの場合、海外だとNFC(近距離無線通信)つまりスマートフォン決済機能がついているが、日本の場合、スマフォ普及率は高いのに決済に関してはスマホやnanaco、そしてPaypayなど現地の決済サービスを使ってて出番がない

 

 だからこの手のスマホのNFCをどうやっては普及させれば良いのかが課題になってくる為、外資に就職するのであれば、この手の海外商品を日本に普及させる手腕が求められる。

 

 また厄介なのが今度は商品が売れるようになると当然マネする企業が出てきて、安価な安い商品を自社製品だと勘違いしてクレーム対応されたり、または粗悪品が多く広まりすぎて法律規制の対象となり、本物も販売中止になるケースだってある。

 

 それを防ぐ為に品質管理を徹底させて、法律が出来ても販売可能な商品にしたり、商品のブランド力を高めて『この商品を買えば安心だよね』と言われるモノを作り、それ以外のモノを買わない風習を作るのも1つの手になってくる。

 

 だから新規開拓が出来る就活生のアピール例として実家が畜産業を営んでおり、新たな販売網を広げる為にプログラミングスキルを学び、B2Cを確立した話をしたり、その後、日本の人気アニメキャラクターをモチーフにした商品を製作し、ライバルの少ない中国やアメリカに向け外国語で販売したなどと話す人もいた。

 

 要は自分で1から仕入れたり、自分で1から加工したり、自分で1から販売網を広げたり、一度の挑戦だけでなく、色んな挑戦をして成果に至る話が出来れば良い。

 

学生時代のエピソードで立派な挑戦だと思える例とは?

 このように挑戦エピソードを語る上でどのようにアピールすれば良いのか述べたが、どれだけ立派な挑戦エピソードを語っても、自分の経験と結びつけなければ評価されない。

 

 例えばIT業界を志望しているのに

「何で建築学部の人がここに?」

 

 出身学部が志望先とあまりにも異なると採用されづらいのが現実だ。

 

 しかし就活というのはどの学部出身者でも採用される可能性を秘めており、その1つの方法として自分の経験がどのように志望先に活かせるのか共通点を見つけ出せば話が変わる。

 

 例えば先の建築学部の例だが、建築学部の就活生がIT業界を志望する場合、建築学部で学んだモノとITの共通点としてCADソフトウェアがある。

 

 要は建築物の設計や施工に使用されるCADソフトウェアついての知識を活かし、建築業界においてBIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)技術を推進するIT企業を志望するのも1つの手。

 

 ただこの手の情報は事前に知っておかないと分からないが、世の中には同じ理由で志望する人もおり、この人の場合、就活会議という就活口コミサービスを利用し、自分と同じ建築学部出身者がIT業界を志望した際のESを見つけ、同じように志望した結果、内定を貰ったと聞いている。

 

 だからこれからESで挑戦、ならびに志望動機やガクチカなどを練るのであれば、一度大手から内定を取った人のESを見て、自分のアピール内容を練ってみるのも良いかもしれない。

 

 

 

居酒屋のアルバイトでした店長の挑戦エピソードで内定を取る就活生

 ただ経営学部や経済学部など学部的に問題なくても『挑戦したエピソードがない』と悩む就活生は沢山いると思う。ただここで俺自身が知っている印象的な話として他人の挑戦した話を主軸にして内定を取った話をしたいと思う。

 

 なぜ自分ではなく他人の挑戦エピソードで?と思うかもしれないが、例えば居酒屋でアルバイトしてた時、店長がやった挑戦についてESに書いていた人がいた。

 

 何で居酒屋の店長の話で内定が取れるんだ?と思うかもしれないが、要はハイレベルな挑戦をしている人の近くにいたら、その人も挑戦する上でどんな事をしないといけないのか知っているだろう、というパターンで採用されるケースがある。

 

 特にこの居酒屋の店長がした挑戦の場合、ただ自分の店を存続させる為の挑戦というよりも他の飲食店でも活用出来る挑戦であった為、この就活生の話を聞いた面接官からは

『就活生がその居酒屋の店長から学んだ内容は飲食店と取引している我が社にとっても貴重だと思い、会ってみる事にした』

 

 とオファーした理由を明かし、他人の話でも採用される余地が就活にある。

 

 ではその店長は何をしたのか?先ずその居酒屋の店長はコロナの影響により店を閉めざる得なくなるほど追い込まれており、今までの客を呼び込む来客型の戦略を取っていたがテイクアウトビジネスに切り替えた。

 

 無論、単なる切り替えなら大した話ではないが、この店長は更にUberEatsなどのテイクアウトサービスでランキングで上位なる為にどうすれば良いのか?試行錯誤して結果を出している。

 

 細かく話すと、UberEatsに切り替える場合、当然ITツールの導入が必要で、ITツール導入時の助成金支給の条件クリアの為の努力や、テイクアウト商品の開発、ならびにUberEatsで店のランキングを上位に載せる為にサイトの商品説明や写真映えをどうすれば良いのか、など取り組んでいた。

 

 この手の話をすると、例えば飲食店にビールを卸す大手ビールメーカーの場合、居酒屋にアルコール飲料を売るだけでなく、飲食店の経営に貢献する為に必要な助成金の申請条件をクリアさせるコツや、ITツールを使う際、どのように運用すれば良いのかアドバイスまで出来ると飲食店から重宝される。

 

 実際、その就活生の後日談だが、ビールメーカーの営業マンとして働きだした後、コロナに負けない運営について資料を飲食店に配ったところ、別ビール会社と契約していたがこちらに切り替えるなど、実績を上げた。

 

 このように商品提案だけでなく、店舗運営に関する知識提供という人材はそれだけ飲食店との取引では重要であり、プラスαの提案が出来るかも重要

 

 このように飲食店のアルバイト経験でも内容次第では異業種の分野からも評価される事があり、その手の企業を見つける事が就活攻略の糸口と言える。

 

 ではその手の企業をどうやって見つければ良いのか?

 

 最近ではキャリアチケットと言って、スカウト型の就活サイトがある。

 

 この就活サイトはリクナビとは違い、自分がやった内容をあらかじめサイトに載せて、それに関心を持った企業からオファーが出るスタイルになっている。

 

 だから先の居酒屋の店長の挑戦であるにもかかわらず、評価してくれた背景には実際にオファーがかかり、自分達の商品を売り方を心得ている就活生なのでは?と見てくれる。

 

 おまけに就活とは違い、向こうからオファーをかけてくれる関係上『どうして私にオファーを出してくれたのですか?』と聞ける。

 

 リクナビで就活をする場合、面接前に用意した内容で勝負せざる得ないが、自分の強みに関する質問をして、なぜ自分の経験が通用するのか面接で聞ける。

 

 だから先ほどの居酒屋の件もそうだが、生き残りをかけた店長の戦略が自分達の取引先に求められている経験であり、また建築学部においてBIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)技術を推進するIT企業と言ったが、どの企業がその技術を推進しているか分からない為、向こうからオファーを出してくれる為、探す手間が省ける。

 

 だから自分の挑戦経験を評価してくれる企業を見つけやすくする為にも向こうから声をかけてくれるオファー型の就活サイトを利用してみるのも1つの手だと言える。